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TikTokが4月5日の禁止前に「TikTokはアメリカ人の救世主・中小企業のサポーターだ」と印象づける広告キャンペーンを展開、売却期限延長の動きやApple・Googleに賠償金も

by Solen Feyissa

TikTokがアメリカでの禁止措置を回避するため、広告キャンペーンを通じて自社の社会的価値を強調し、世論の支持を得ようとしていると報じられています。感情に訴える表現を用いながら、広告はTikTokが人々の生活に役立ち、地域社会や経済にも貢献している存在であることを訴える内容で、議会や政策決定者への影響を狙っていると考えられます。

TikTok Ads Portray App as Force for Good as US Ban Looms - The New York Times
https://www.nytimes.com/2025/03/25/technology/tiktok-ban-ads.html

Trump faces pressure to throw TikTok a lifeline through October
https://techissuestoday.com/trump-faces-pressure-to-throw-tiktok-a-lifeline-through-october/

Apple faces billions in liability from Trump's TikTok ban delay
https://appleinsider.com/articles/25/03/25/apple-faces-billions-in-liability-from-trumps-tiktok-ban-delay

たとえば、TikTokに表示されるある広告では、腎臓の病気で19歳のときに腎不全と診断された若い女性が「TikTokを見ていた見知らぬ人がドナーとして名乗り出てくれたおかげで、腎臓移植を受けることができ、命が救われました」と語ります。そして、「TikTokが命を救った人もいる」というメッセージが涙の絵文字とともに表示されるとのこと。


また別の広告は、小さな整備会社を営む女性が「TikTokによって自分のビジネスが成長しました」とコメントする内容で、「TikTokがなくなれば、経済的に打撃を受ける小規模事業者は増えます」と女性が訴えることで、TikTokがアメリカ経済や地域社会にも貢献しているという印象を与えるものになっているそうです。

他にも、心肺蘇生がの製品を紹介するクリエイターが「TikTokは人命救助の情報を広める場としても機能している」とアピールしている広告も登場しているとのこと。

by Solen Feyissa

このような広告キャンペーンが展開される背景には、バイデン前政権が安全保障上の懸念から、TikTokの親会社であるByteDanceに対してTikTok売却を求める「TikTok禁止法」を成立させたことがあります。

TikTok禁止法は2025年1月19日に施行されましたが、同月20日に75日の延期を認める大統領令が発令したため、もしByteDanceが2025年4月5日(土)までにTikTokを売却できなかった場合、アメリカ国内でのサービス展開が禁止されることになります。

アメリカ最高裁がTikTok禁止法を支持したことでTikTokが正式に「1月19日にサービスを終了せざるを得ない」と発表 - GIGAZINE


一方で、トランプ大統領はTikTok禁止法で定めた期限を1月19日から4月5日に延長していますが、この措置を議会ではなく大統領令で行ったのは違法であるという点を批判する声も挙がっています。

民主党の上院議員3名は、法的根拠を持った形でTikTokに猶予を与えるべきだと主張し、2025年10月までの延長を含む法案を通すようホワイトハウスに働きかけているとのこと。上院議員らは「TikTokを救う道は議会を通して検討されるべき」と述べており、トランプ大統領に対して共和党を巻き込んだ立法措置を求めています。

by NATO North Atlantic Treaty Organization

さらに、TikTokがApp StoreやGoogle Playで配信され続けていることが将来的に法的責任の対象となる可能性があるため、この延長措置の影響はAppleやGoogleにも及びます。上院議員らは、大統領令による猶予期間中であっても法律上はTikTokの提供が禁じられている状態が続いていると主張し、AppleやGoogle、さらにクラウドサービスを提供するOracleなどが最大で8500億ドル(約127兆6000億円)の損害賠償責任を問われるリスクがあると警告しています。

なお、TikTokのアメリカ市場におけるユーザー数は1億7000万人を超え、広告主にとっても重要なプラットフォームとなっています。記事作成時点でも多くのブランドがTikTokへの広告出稿を再開しており、広告収入も回復の兆しを見せているとのこと。このような状況の中、TikTokは4月5日以降も活動を継続する前提でイベント出展や新プロジェクトの計画を進めているそうです。

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in ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by log1i_yk

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