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Amazonがシュレーディンガーの猫から着想を得た「猫量子ビット」で量子コンピューターを改良することに成功


量子力学の分野でよく話題になる「シュレーディンガーの猫」とは、量子の重ね合わせの性質を箱に入れた猫になぞらえると、その猫は観測されるまで「生」と「死」の状態が重ね合わさっていることになると指摘した有名な思考実験です。この現象にちなんだ「猫状態の量子ビット」を使うことで、量子コンピューターの効率を改善させることに成功したと、Amazon Web Services(AWS)の研究者らが報告しました。

Hardware-efficient quantum error correction via concatenated bosonic qubits | Nature
https://www.nature.com/articles/s41586-025-08642-7

How Schrödinger's cat could help improve quantum computers
https://phys.org/news/2025-02-schrdinger-cat-quantum.html

Hardware-efficient error correction: cat states make quantum chips more robust | heise online
https://www.heise.de/en/news/Hardware-efficient-error-correction-cat-states-make-quantum-chips-more-robust-10297206.html

量子コンピューターは、量子の重ね合わせの性質を利用し、並行して計算を進めることで特定のタスクを従来のコンピューターより格段に早く処理することができますが、計算に使う「量子ビット」が不安定でエラーを起こしやすいという課題を抱えています。

これに対処するため、研究者たちはより多くの量子ビットに情報を拡散させる量子エラー訂正技術で計算の破綻を回避しようとしていますが、量子ビットを増やすと今度は全体的な効率が低下するという課題に直面することになります。


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in ハードウェア,   サイエンス,   無料メンバー, Posted by log1l_ks

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