とにかく使いやすくなったワコムの板タブ「Intuos Pro(2025)」をさらに便利にするカスタマイズ機能を設定してみた

ワコムは2025年3月26日にプロ向けペンタブレット「Intuos Pro」の新モデルをリリースします。新型のIntuos Proは、かなり軽くコンパクトに進化しているほか、ペンタブレットを使いながら物理ボタンへアクセスしやすいように設計されていることに加えて、物理ボタンは専用ドライバを使うことでカスタマイズもできます。発売に先駆けて借りることができたIntuos Proと専用ドライバを使って、さらに作業を効率化できるカスタマイズを試してみました。

Wacom Intuos Pro (2025) ― プロ向けクリエイティブペンタブレット
https://www.wacom.com/ja-jp/products/pen-tablets/wacom-intuos-pro

新型Intuos Proの外観は以下の記事をみるとよくわかります。

ワコムの板タブ「Intuos Pro(2025)」の進化した外観レビュー、描画エリアは大きくなり重さや厚さはコンパクトになって利便性上がりまくり - GIGAZINE

Intuos Proを接続する手順や使い心地については以下の記事から読むことができます。

ワコムの板タブ「Intuos Pro(2025)」実機レビュー、利便性上がりまくったペンタブレットの描き心地は？ - GIGAZINE

2025年2月に発表された新型Intuos Proは、操作の補助に使えるExpressKeyとダイヤルが2個ずつ本体上部に配置されています。

ExpressKeyとダイヤルを操作したときのアクションは、専用のドライバからカスタマイズすることができます。まずは「ワコムデバイスのリソース」ページにアクセス。今回はWindows 11搭載のPCにダウンロードするため、「最新のワコムドライバをダウンロードします」からWindows向けのドライバを選択して「ダウンロード」をクリック。

インストール手順が表示されるので、「ダウンロードを確定します」をクリックします。

ダウンロードしたインストーラーをダブルクリックして起動。

「同意する」をタップ。

インストールが始まったらしばらく待ちます。

インストールが完了したらPCを再起動する必要があります。「すぐに再起動する」をクリック。

PCを再起動したらタブレットドライバが起動するので「OK」をクリックして次に進みます。

Wacom Centerのトップ画面が表示されたらインストール完了。

Intuos ProをPCとUSBケーブルもしくはBluetoothで接続します。今回はUSB/Bluetoothセレクターを「Bluetooth 1」にスライドさせて、PCとBluetooth接続しました。

Intuos ProとPCが接続できると、Wacom Centerの画面にもIntuos Proが表示されます。

サイドメニューの「エクスプレスキー」をクリックすると、現在ExpressKeyに割り当てられている動作が表示されます。

ExpressKeyを押した時の操作を変更したい場合は、変更したいキーのメニューをクリックして、左側の操作一覧から割り当てたいアクションを選択すればOK。

ExpressKeyのアクションが変更されました。

ExpressKeyのアクションをカスタマイズする機能はワコムのペンタブレットや液晶タブレットでおなじみですが、Intuos Proおよび新しいドライバでは、「プリセット」に力を入れているそうです。「プリセット」をクリックすると、左側のメニューに「オンスクリーンショートカット」「キャンバスコントロール」など用途に応じたアクションのセットが表示されました。

プリセットから「使用頻度が高いもの」を選択してみたところ、ExpressKeyの上下左右のボタンがすべて変更されました。ExpressKeyのカスタマイズは長く使うほど便利さを実感できますが、最初は何を設定すればいいか迷ってしまいがちなため、ソフトウェアや使用意図ごとにプリセットを選択することから初めて、作業しながら調整していくことができるのはありがたいポイント。

ExpressKeyには上下左右のボタンのほか、中央のボタンもあります。中央のボタンはデフォルトでは「ダイヤル切り替え」となっており、ボタンを押すと画面上にダイヤルの機能が表示されました。左側のダイヤルは「オートスクロール/ズーム」と「回転」が割り当てられており、ExpressKeyの中央ボタンを押すことでこの2つを切り替えることができるというわけ。

ダイヤルのアクションについてもカスタマイズ可能です。Wacom Centerのメニューから「ダイヤル」を選択。ExpressKeyの中央ボタンに「ダイヤル切り替え」以外を割り当てている場合、以下の「ダイヤル」設定ページから「オートスクロール/ズーム」や「回転」をクリックすることでも、ダイヤルの動作を切り替えることができます。

ダイヤルのアクションは、アクションの名前部分をクリックすると、左側にメニューが表示されてカスタマイズすることができます。

また、「プリセット」をクリックするとダイヤルメニューでもExpressKeyと同じようにプリセットからダイヤルのアクションを選択できるため、迷った際にはチェックしてみるのがオススメ。

さらに高レベルな設定として「マッピング」があります。前モデルのIntuos Proは描画エリアが16:10でしたが、新型Intuos ProではメジャーなPCやモニターの比率に合わせて描画エリアが16:9になっており、基本設定では画面のフルサイズを描画エリアに対応させています。ただし、モニターによって比率が異なったり、作業環境によってお絵かきソフトを縮小して使ったりする人には、デフォルトの描画エリアだと適さない場合があります。その時はWacom Centerの「マッピング」から細かい調整が可能。

「全画面でマッピング」から「部分を選択」に変更すると、マッピングしたい画面を変更することができます。

試しに、左側のスペースを空けた形にして「適用」をクリック。

マッピングエリアを変更してIntuos Proを使ってみたところ、Intuos Proの描画エリアの左端ギリギリでペンを使うと本来は画面の端が選択されるはずですが、以下のように少し左側のスペースを空けた位置に描かれました。このように、マッピングする位置を調整することで、PC上の触れないエリアを設定できたり、自分が最もペンを動かしやすい範囲で作業したりできます。

また、Intuos Proを接続したPCがマルチモニターになっている場合、「マッピング画面切り替え」から設定することで、Intuos Proのマッピングを2画面分に拡張することも可能です。

そのほか、Intuos Proに付属しているWacom Pro Pen 3には、物理ボタンが3個ついています。Wacom Pro Penは付属のグリップをつけかえたりグリップを外して細いペンとして使ったりカスタマイズできるほか、付属のパーツを付け替えることでボタンあり/なしも変更できます。

Wacom Pro Pen 3の物理ボタンおよびペン先を押し込んだときのアクションも、Wacom Centerからカスタマイズ可能です。Wacom Centerのメニューから「プロペン3」をクリック。

変更したいボタンをクリックしたら、左側のアクション一覧から割り当てたいものを選択します。

ボタンのアクションを変更することができました。

また、Wacom Pro Pen 3のカスタマイズでは、「詳細設定」からダブルタップが認識される距離、ペン先の感度などより細かい調整ができるため、こだわりがある人はペン本体のカスタマイズと合わせて使うとさらに便利になるはず。

ExpressKeyやダイヤル、マッピング、Wacom Pro Pen 3の設定は、アプリケーションごとに設定しておくことができます。「CLIP STUDIO PAINT」のアイコンをクリックすると、CLIP STUDIO PAINT用にセットされた設定に切り替わりました。新しく専用の設定をしたいアプリを追加する場合は「＋」をクリック。

今回はPhotoshopで試してみるので、アプリケーション一覧から「Photoshop」を選択して「OK」。

「Photoshop」が追加されました。複数のアプリでまったく違う動作を優先したい場合でも、アプリごとに設定しておけばスムーズに作業することができます。

Wacom Intuos Proは3サイズがリリース予定で、Intuos Pro smallはワコムストアの価格で税込4万1580円、Intuos Pro mediumは6万2480円、Intuos Pro largeは8万2280円です。small、mediumの発売日は2025年3月26日、largeの発売日は未定です。

Amazonでも予約注文が可能で、記事作成時点でsmall、mediumが注文可能になっていました。Amazonでの価格はワコムストアと同じ。

Amazon.co.jp: 【Amazon.co.jp限定】Wacom Intuos Pro medium TPTK670K0C ワコム ペンタブレット ペンタブ プロ 板タブ Wacom Pro Pen 3 付属 Windows Mac 対応 : パソコン・周辺機器