Xが極右を後押ししているというドイツの政治家からの苦情の後にEUがXの調査を拡大、おすすめアルゴリズムに関する内部文書の提出を求める

欧州委員会がデジタルサービス法に基づいて進行中の調査手続きにおいて、X(旧Twitter)に追加の調査措置を講じたことがわかりました。この動きは、2025年2月23日にドイツで行われる総選挙を前に、Xが極右によるコンテンツを促進しているというドイツの政治家たちの苦情を受けたものだとの見方があります。
Daily News 17 / 01 / 2025
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/mex_25_287
European Union orders X to hand over algorithm documents - Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2025/01/european-union-orders-x-to-hand-over-algorithm-documents/
EU Wants to Peek Into the X Algorithm to See Why It Keeps Promoting the Far-Right
https://gizmodo.com/eu-wants-to-peak-into-the-x-algorithm-to-see-why-it-keeps-promoting-the-far-right-2000551863
デジタルサービス法は欧州委員会が導入を進めた規則で、Xを含むソーシャルプラットフォームはこの法に従い人種差別やフェイクニュース、違法なコンテンツを排除するよう行動する必要があります。
欧州連合は2023年10月10日、ハマスとイスラエルの戦争に伴いXがEU域内で違法なコンテンツや偽情報を広めるために使用されているという指摘を受け、Xに正式な書簡を送信。Xは独自のファクトチェックシステム「コミュニティノート」などを設けて積極的に対処していると応じていましたが、そのような措置は有効ではない可能性があると見なされたため、欧州委員会はXがデジタルサービス法に違反している可能性があるとして調査手続きを開始しました。
ついにX(旧Twitter)に広がるヘイトスピーチとフェイクニュースについて欧州委員会が調査開始、イスラエルとハマスの戦争がきっかけ - GIGAZINE

2025年1月17日、欧州委員会は追加調査の手続きとして、Xに「おすすめ」のアルゴリズムに関する内部文書を2025年2月15日までに提出するよう要求。さらに、2025年1月17日から2025年12月31日までの期間、同社のおすすめアルゴリズムの設計および機能に対する変更があった場合、関連する内部文書および情報を保存しておくよう求めました。
テクノロジー系メディアのArs Technicaは「この動きは、Xのアルゴリズムが極右によるコンテンツを促進しているというドイツの政治家たちの苦情を受けたものだ」と指摘しました。
Xのオーナーであるイーロン・マスク氏は、次期首相と目されるフリードリヒ・メルツ氏に対する「自由を擁護するアプローチを断固として拒否している」との意見に目を通し、「ドイツを救えるのは『ドイツのための選択肢(AfD)』だけ」と発言しています。なお、AfDは極右政党とされています。
Only the AfD can save Germany https://t.co/Afu0ea1Fvt
— Elon Musk (@elonmusk) December 20, 2024
ドイツのオラフ・ショルツ首相は、マスク氏のAfD支持を「完全に容認できない」と表現。ドイツの国防省と外務省はXでの活動を停止すると発表しました。
なお、「今回の調査拡大は、マスク氏がAfDのアリス・ヴァイデル共同党首と行ったディスカッションに対応したものなのか」との質問に対し、欧州委員会の広報担当者は「「現在発生しているすべての出来事に関するシステムを監視するためのもので、政治的配慮や特定の出来事とはまったく無関係である」と回答したそうです。

欧州委員会のヘンナ・ヴィルクネン氏は「Xのおすすめシステムがデジタルサービス法の義務を順守しているかどうかを明らかにするため、さらなる措置を講じます。欧州委員会は、EU域内で活動するすべてのプラットフォームが、すべての欧州市民にとって公正で安全かつ民主的なオンライン環境を実現することを目的とした我々の法律を尊重するよう、全力を尽くしています」と述べました。
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in ネットサービス, Posted by log1p_kr
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