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中国の国営企業や政府機関がオフィス環境でのOpenClaw利用を制限する動き、中国全土でOpenClawの利用が広がりセキュリティ上の懸念が高まっているため


AIエージェントフレームワークのOpenClawはユーザーに代わってメールの整理や報告書の作成、スライドの準備などを自律的に実行できることから、中国全土で爆発的な人気を博し、急激に普及しています。しかし、この急速な導入拡大を受け、中国当局はセキュリティやデータ漏洩のリスクを重く見ており、国家ネットワーク緊急対応技術チーム(CNCERT)が二度目となる警告を発したほか、政府機関や国営銀行などの重要セクターに対してオフィスでの利用を厳格に制限する措置を開始しました。

China Moves to Limit Use of OpenClaw AI at Banks, Government Agencies - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2026-03-11/china-moves-to-limit-use-of-openclaw-ai-at-banks-government-agencies

OpenClaw AI agent craze sweeps China as authorities seek to clamp down amid security fears — adoption surges as state-run enterprises are barred from use | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/tech-industry/artificial-intelligence/openclaw-ai-agent-craze-sweeps-china-as-authorities-seek-to-clamp-down-amid-security-fears-adoption-surges-as-state-run-enterprises-are-barred-from-use

China issues second warning on OpenClaw risks amid adoption frenzy | South China Morning Post
https://www.scmp.com/tech/tech-trends/article/3346138/china-issues-second-warning-openclaw-risks-amid-adoption-frenzy

OpenClawは従来のチャットボットとは異なり、意思決定を行いユーザーの代わりにタスクを実行できる点が特徴で、中国のSNS上ではそのロゴにちなんで「ロブスターを育てる」という言葉がトレンドになるほどの熱狂を呼んでいます。このブームに乗じる形で、テンセントはWorkbuddyという互換製品を導入し、JD.comなどの大手IT企業も独自のアプリケーションを展開しているほか、深圳や無錫などの地方政府はOpenClawを活用するスタートアップに対して数百万人民元の補助金を出すなど、官民を挙げた開発競争が過熱しています。

中国で「OpenClaw」ブーム到来、AI研究機関がOpenClawの導入支援ツールを公開して深圳ではOpenClawの初期設定を求める長蛇の列も - GIGAZINE


しかし、こうした熱狂の裏で、中国当局はOpenClawが要求する広範なデータアクセス権限と外部との通信能力に強い懸念を示しており、機密データへのアクセス、外部通信、信頼できないコンテンツへの露出という3つの要素が組み合わさった「致命的な3点セット」と呼んで警告しています。

CNCERTは、OpenClawが自律的にタスクを遂行するために高いシステム権限を必要とするため、サイバー攻撃者がウェブページに隠した悪意のある命令を読み込ませる「プロンプト・インジェクション」によって、ユーザーのシステムキーを盗み出される脆弱性があると指摘。また、操作ミスによって重要なメールやファイルを意図せず削除してしまうデータ消失のリスクも報告されており、実際にiMessageへのアクセスを許可されたエージェントが暴走して数百件のメッセージをスパム送信した事例も確認されていると警告しました。


これらのリスクに対処するため、中国政府は国営企業や政府機関の職員に対し、オフィスのコンピューターへのOpenClawのインストールを禁止し、潜在的なセキュリティリスクを速やかに解消するための措置を講じているとのこと。また、中国共産党の機関紙である人民日報は、科学技術省の関連機関に所属する専門家へのインタビュー記事を掲載し、金融やエネルギーなどの重要セクターにおいてAIエージェントがもたらす危険性に警鐘を鳴らしています。

関係者によれば、国内最大の銀行を含む政府機関や主要な国営企業は、ここ数日の間にセキュリティ上の理由からオフィス機器へのOpenClawのインストールを控えるよう警告する通知を受け取っているそうです。すでにOpenClaw関連のアプリをインストールしている職員に対しては、上司に報告した上でセキュリティチェックを受け、必要に応じて削除するよう指示が出されました。

特定の国営銀行や政府機関の職員に対してはオフィスのコンピューターだけでなく、社内のネットワークを使用する個人のスマートフォンへのインストールも禁止されています。この制限措置は非常に広範囲に及んでおり、ある情報筋によれば、軍関係者の家族に対しても同様の禁止措置が適用されているとのことです。一方で、すべての組織が全面的な禁止を求めているわけではなく、一部の通知では事前に承認を得ることを条件に使用を認めるという、やや緩やかな対応をとっているケースも見られます。


こうした当局の動きは、OpenClawが個人のデータへの異常に広範なアクセスを必要とし、外部との通信が可能であることから、システムが外部攻撃にさらされるリスクに対する北京の懸念が深まっていることを浮き彫りにしています。経済メディアのBloombergは、習近平国家主席が長年データを国家安全保障に対する核心的な柱と見なしており、検閲体制であるグレート・ファイアウォールによる管理を徹底する一方で、地理空間情報や遺伝情報を含むデータセットが外国の行為者の標的になることに警戒を強めてきたと指摘。また、中国政府はOpenClawなどの画期的な技術が社会に深く浸透し、政府のコントロールを超えるほどの影響力を持つことを危惧していると論じました。

Bloombergは、こうした規制当局の監視強化によって中国では政府部門や国営企業における未検証のAIエージェントの使用が今後も厳しく制限されるとみていますが、一連の規制によって民間におけるOpenCalwの熱狂的なブームがストップする可能性は低いとも予測しています。

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in AI, Posted by log1i_yk

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