動画

「サルは4までしか数を数えられない」というのは本当?


サルなどの動物は数を数えることが苦手で、しばしば「4までしか数えられない」と言われることがありますが、実態は少し異なります。サルに手品を見せた際の反応を元に、動物と人間が数を数える方法の違いをわかりやすく解説した動画が、教育系YouTubeチャンネルのMinuteEarthによって公開されています。

Why Monkeys Can Only Count To Four - YouTube


MinuteEarthは、カリブ海の島に生息するサルに、ある手品を披露しました。その手品は、箱で作ったステージの上をカバーで隠し、そこにリンゴを置いていくというもの。


3個のリンゴを置けば、ステージの上にはリンゴが3つあるはずです。


しかし、ステージにはリンゴを隠しておく秘密の部屋があるので、カバーの奥でステージに置いたリンゴと、カバーを取った時にステージ上にあるリンゴの数が一致しないことがありました。


すると、それを見たサルはまるで化かされたように驚き、不思議がりました。これは、サルが数を数えられるということを意味しています。


この能力を持つ動物はサルだけではありません。科学者らはさまざまな動物で同様の実験を行い、動物たちに数を数える能力があることを発見しています。


しかし、リンゴを4個置いてからカバーを取り、ステージに5個のリンゴがあるのを見せても、サルはまったく驚きません。


このことから、「人間以外の動物は4以上の数を数えられない」と言えそうですが、実際はそうではありません。


なぜなら、4個のリンゴが5個になっても驚きませんが、4個のリンゴが6個になったり、9個のリンゴが12個になったりすると、サルはやはり驚くからです。


この時、サルが頭の中でやっているのは、リンゴを塊として捉えて、その相対的な大きさを比較することです。


4個のリンゴが6個になると驚くのに、5個に増えても無反応なのは、「4個の塊」と「5個の塊」では大きさがあまり変わらないからだというわけです。


おいしそうなエサにせよ、おそろしい捕食者にせよ、何か重要なものの数が少数の場合、自然界の動物がそのわずかな数の違いを識別する能力を持つのは理にかなっています。


しかし、数が大きい場合、それが正確に何個かを知ることはそれほど重要ではありません。動物が違いに気づくようになるような重要な差は、一般的に25%以上の数の開きだと考えられています。


具体的に数を数える人間の特殊能力の鍵は言語で、これによってそれぞれの数に名前をつけることで、人は数的な能力を身につけました。


そのため、数を数える際の脳の稼働部分は、集合の大きさを比較するために使われる脳の領域から、複雑な計算に専念する高度に発達した特別な領域へと移動します。


言葉を話す前の人間、つまり幼児に手品をすると、幼児たちはサルと同様の反応を見せました。


もっとも、幼児たちはリンゴにあまり興味がなかったので、手品にはぬいぐるみを使ったそうです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
ミツバチは「数」の概念を記号と結び付けて認識できることが判明 - GIGAZINE

カラスやミツバチと違って「人間だけが数学を扱うことができる」のはなぜか? - GIGAZINE

カラスは声を出して数を数えることが可能と判明、「抽象的な数の概念」を理解して声を出せるのは人間以外では初 - GIGAZINE

カラスは「ゼロの概念」を理解している - GIGAZINE

in サイエンス,   生き物,   動画, Posted by log1l_ks

You can read the machine translated English article Is it true that monkeys can only count u….