TikTokのイーロン・マスクへの売却を中国当局が選択肢に入れていることが判明
「TikTok禁止法」施行を目前に、中国当局がTikTokのアメリカ事業を存続させるため、Xのオーナーであるイーロン・マスク氏に事業を売却する選択肢を検討していることがわかりました。
China Weighs Sale of TikTok's US Operations to Elon Musk as One Possible Option - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2025-01-14/china-discusses-sale-of-tiktok-us-to-musk-as-one-possible-option
「TikTok禁止法」は2024年4月にバイデン大統領が署名して成立した法律。敵性国家の企業によるプラットフォーム運営を禁止する内容が含まれており、TikTokの親会社は中国企業のByteDanceであることから、TikTokは「アメリカでのサービス提供を中止する」か「アメリカでの事業を売却する」かの2択が求められていました。
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「事業売却」に関連しては、元ドジャースのオーナーで富豪のフランク・マッコート氏が買収に名乗りを上げています。
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ただ、TikTokは事業継続を諦めておらず、異議申し立てを行いつつ、ユーザーに対して別チームによる類似アプリ「Lemon8」への移行を案内しています。
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ニュースサイトのBloombergによると、中国当局もTikTokはByteDance傘下で継続することを基本路線として希望しているとのこと。
しかし、2025年1月10日に開催された「TikTok禁止法」をめぐる異議申し立ての審理で、アメリカ最高裁は法律を支持する可能性が高いことを示唆したため、当局は方針を転換。トランプ次期政権との間でTikTokをめぐる協議を行っていて、選択肢の1つとして、イーロン・マスク氏への事業売却が含まれているそうです。
Bloombergが関係者情報として伝えた内容によれば、中国当局には「マスク氏がオーナーを務めるXがTikTokのアメリカでの経営権を取得することで、共同で事業運営を行う」というシナリオがあるとのこと。
TikTokはアメリカに1億7000万人以上のユーザーがいるとみられており、Xが広告主を獲得するための後押しができるほか、マスク氏のAI企業「xAI」は、TikTokの扱う膨大なデータから利益を得ることができるとも考えられています。
なお、「マスク氏への売却案」は予備協議の段階にあるほか、あくまで中国当局の腹案であるため、ByteDanceが承知しているのか、マスク氏が関与しているものなのかは不明です。
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