ファストフードはなぜ高価な食べ物になってしまったのか?
ファストフードチェーン店ではハンバーガーが100円未満で食べることができた時代がありましたが、昨今は安くても200円前後するほどに値段が上がっています。なぜファストフードがこんなにも高価なものになってしまったのか、CNBCが分析を行っています。
Why Fast Food Has Gotten So Expensive - YouTube
アメリカでは、マクドナルドのマックフライポテトは3.38ドル(約530円)、ハッピーミールは4.89ドル(約770円)、バーガーキングのバーガーコンボは8.74ドル(約1380円)の値段がつけられています。
しかし、これはあくまで標準価格。実際には店の所在地によって価格は変動し、CNBCの社屋があるマンハッタンのミッドタウンでは、マックフライポテトは4.49ドル(約710円)、ハッピーミールは5.99ドル(約950円)、バーガーコンボは11.99ドル(約1900円)します。
2019年から2023年の消費者物価指数の変動を確認すると、ファストフードは27.76%上昇していることがわかりました。このほか、レストランなどは23.78%上昇していて、どちらも総合指数の上昇値(19.18%)を上回りました。
値上がりの原因は、あらゆる価格の高騰です。マクドナルドの場合、2022年から2023年の1年間で、食品・飲料・包装にかかるコストが11%増加。さらに、賃金高騰も値上がりに影響しています。
パンデミックを挟んで、2019年と2022年のファストフード産業の従業員数を比較すると、448万9000人から446万4000人と微減。
一方で出店数は24万7000軒からおよそ25万8000軒に増加。人が足りないため、賃金が上がるというわけです。
以下は、各チェーン店での売上高に占める人件費の割合を示したグラフ。いずれも2020年はパンデミックでお客さんが減って相対的に人件費の占める割合が上がり、フルサービス型のレストラン(黄色、水色)は減少しましたが、ファストフード店(赤色、緑色)は高止まりしています。
ファストフード店は人件費を顧客に転嫁し、商品の価格を上げました。2023年12月から2024年2月のファストフード店での支払額平均は18.03ドル(約2850円)で、前年比4.5%増となっています。
なお、わずかにいいニュースとして、価格の上昇幅が緩やかになっていると報告されています。
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