メモ

400年前に発行された「永久債」の利息をニューヨーク証券取引所が受け取り


世界で最も古い債券がいつ発行されたかはわかりませんが、現存するものとしては15世紀のものが知られています。たとえばイェール大学は1648年発行の債券を保有していますが、ニューヨーク証券取引所も1624年12月10日発行の債券を保有しており、発行から400年を記念して、利息の受け取りを行いました。

Waterschap betaalt rente uit op oudste nog rentegevende obligatie ter wereld - HDSR
https://www.hdsr.nl/actueel/nieuws/@195666/waterschap-betaalt-rente-oudste/


Happy 400th birthday to the world’s oldest bond
https://www.ft.com/content/5122706e-39ca-4bbc-95cc-373188a9b1c9


イェール大学が保有する債券は、オランダの水道管理組織「Hoogheemraadschap De Stichtse Rijnlanden」が1648年に発行した公債として現存する5枚の1つ。額面は「1000ギルダー」となっています。

1648年に発行された世界最古の「無期債券」の利子をイェール大学が2015年に受け取る - GIGAZINE


ニューヨーク証券取引所が保有するものはそれより20年以上遡る、1624年発行のもの。この年の正月、オランダ中部を流れるレック川で堤防の決壊があり、地元の水道を管理する「Hoogheemraadschap Lekdijk Bovendams」は修理費用調達のために公債を発行しました。

1624年12月10日に発行された額面「1200ギルダー」の公債の1枚は、エルスケン・ジョリスドホターという裕福な女性の手に渡りました。債券は永久債で「2.5%の利息を支払う」と定められているため、債券を相続したジョリスドホターさんの子孫、およびその後債券を手に入れた不特定多数の人々は、利息を受け取る権利を得られます。


なお、ギルダーは1434年から2002年まで使われた通貨単位で、ユーロ切り替えに伴って最終レートは「1ユーロ=2.20371ギルダー」、つまり「1ギルダー=0.453780ユーロ」で固定されていて、当該債権を保有していると年間13.61ユーロ(約2200円)が得られるとのこと。

債券は、ジョリスドホターさんの子孫の手を離れたのち、オークションにかけられていたところをアムステルダム証券取引所の理事だったアルバート・アンドリース氏が購入。1938年、アンドリース氏がニューヨークを訪問した際、友情の証としてニューヨーク証券取引所に寄贈されました。

ニューヨーク証券取引所はしばらく利息を受け取っていませんでしたが、債券発行から400年を記念して、22年分の利息の受け取りを行うイベントを実施しました。


なお、債権発行元のHoogheemraadschap Lekdijk Bovendamsはすでになくなっていて、後継組織にあたるHoogheemraadschap De Stichtse Rijnlandenが利息の支払いを行っています。支払われた利息は、ニューヨーク証券取引所から地元の水防博物館に寄付されたとのことです。

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in メモ, Posted by logc_nt

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