歴史をさかのぼりながら変化を見ることができるインタラクティブ世界地図「Timemap」
世界地図は恒久的なものではなく、時代によって地名や国名が変わったり、地形が変わったりしています。「Timemap」では世界地図とタイムラインがセットになっており、時代を操作することで当時の地名や起こった戦争などの歴史をさかのぼりながら見ることができます。
OldMapsOnline
https://www.oldmapsonline.org/
Timemapのトップページは以下のような感じ。まずは世界地図から歴史を追跡するために「Discover History」をクリック。
以下のような地図が開きました。地図の下部にタイムラインがあり、「1850年」となっていたため、日本は「Edo period(江戸時代)」と記載されています。
地図上をドラッグすることで、世界地図を移動可能。
左側にある「+」「-」を押すと地図を拡大・縮小できます。
また、方位磁石のアイコンを選択した状態でドラッグすると、地図が回転しました。
地図上の地名などをクリックすると、ページ内にWikipediaの情報が開きました。「Qing dynasty」は1644年から1912年まで中国本土とモンゴル高原を支配した清のこと。
Timemapの特徴は、タイムラインを操作することで時代をさかのぼって世界地図を見ることができる点にあります。地図の下部にある時代をクリックして選択。
「1850」から「1000」に書き換えたところ、日本の表記が「Heian period(平安時代)」に変わっていました。また、韓国の位置には936年に朝鮮半島を統一して1392年まで続いた「Goryeo(高麗)」があります。
数字の前にマイナスをつけることで、紀元前の情報も見ることができます。
地図の上にあるメニューから「Rulers(君主、統治者)」を選択すると、その時代の国や地域を統治していた人や君主の名前が表示されました。年代を「紀元前100年」に設定してヨーロッパの「Rulers」を表示させたところ、紀元前120年から紀元前63年までポントスの国王を務めたミトリダテス6世など、その時代の国王を知ることができました。
また、「People」からは君主や統治者以外の有名人を見ることができます。紀元前100年だと、ガイウス・ユリウス・カエサルの名前を発見。
さらに、「Battles」からはその年代付近で勃発した合戦や戦争を地図上で見ることができます。ためしに「1600年」と設定して日本を見に行ったところ、「関ヶ原の戦い」が地図上に表示されました。
Timemapでは、歴史だけではなく当時の地図そのもののデータを見ることもできます。歴史メニューの右上にある「✕」ボタンをクリック。
指定した時代の地図資料が一覧で表示されました。地図のひとつをクリック。
以下は、太平洋に焦点を当てて制作された最初の地図と言われている「Maris Pacifici」です。
「Compare」をクリックすると、Maris PacificiをTimemap上の地図と重ねた比較を見ることができます。
「3D」をクリックすると、角度を付けた形になりました。
公式のムービーによると、高低が含まれている地図で「3D」を見た場合、実際の高低を再現した地図として表示させることができるとのこと。
「Document」では、地図資料についての詳細を見ることができます。
Timemapはブラウザでカンタンにアクセスできるほか、iOSおよびAndroidのアプリとしてインストールすることもできます。ただし、Android版はGoogle Playストアからインストールできるのに対し、iOS版はベータ版であるため、Appleノベータテスト用サービスであるTestFlight経由でインストールする必要があります。詳しくはTimemapのアプリ案内ページから見ることができます。
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