クラウドホスティングのHetznerがクラウドサーバーの値上げ&帯域幅の最大95%カットを発表
ドイツのクラウドホスティング企業であるHetznerが、アメリカにあるクラウドサーバーの値上げと、クラウドサーバーとロードバランサーのプランに含まれる帯域幅を最大95%カットすることを、ユーザーに送ったメールで通知しました。
Disappointing rug-pull from @Hetzner_Online on included bandwidth.
— Alex Ellis (@alexellisuk) November 28, 2024
20TB to 1TB is a huge change for people that may have chosen them for their previously generous tiers. pic.twitter.com/ipsP1Ils1L
Hetzner raises prices while significantly lowering bandwidth (US) :: Adriano Caloiaro's personal blog
https://adriano.fyi/posts/hetzner-raises-prices-while-significantly-lowering-bandwidth-in-us/
Hetznerが顧客に宛てたメールには、「2024年12月1日(CET:中央ヨーロッパ時間)より、アメリカのアッシュバーンとヒルズボロにある拠点で新規作成されたクラウドサーバーに新しい料金を導入し、クラウドサーバーとロードバランサーに含まれる帯域幅も刷新します」「これらの場所にある既存のクラウドサーバーとロードバランサーについては、2025年2月1日(CET)から新しい価格と帯域幅が適用されます」と記されています。
新しいHetznerの料金体系と帯域幅は以下の通り。「CPX」「CCX」シリーズのプランはそれぞれ約4.1%~27.5%の値上げとなっており、帯域幅は一部のプランで「20TB」だったのが「1TB」になるなど、最大95%カットとなっています。
Hetznerは料金と帯域幅の変更について、「新しい料金体系により、世界中のお客様の条件をできるだけ公平にしたいと考えています。そのために、ヨーロッパ・シンガポール・アメリカの現地の状況に基づいて価格を計算しています。この変更が行われるまでは、リソースの使用量が少ないお客様が、はるかに多くのリソースを使用している他のお客様のコストを負担していました。私たちは、物事をできるだけバランスの取れたものにしたいと考えています」と述べています。
ソフトウェア開発者のアドリアーノ・カロイアロ氏は、Hetznerの多くの顧客は寛大な帯域幅をプロバイダーの選択理由にしているため、帯域幅を大幅に削減したにもかかわらず値上げをした理由の説明が不足していると主張しています。
実際、カロイアロ氏は6台のCPX21サーバーを使用して月に42.3ユーロ(約6700円)を支払っていますが、帯域幅は0TB以下しか使っていないとのこと。それにもかかわらず、今回の値上げによって月々の支払い額が53.94ユーロ(約8500円)に上昇してしまうため、カロイアロ氏はHetznerが掲げる「公平さ」に疑問を呈しています。
この変更についてはソーシャルニュースサイトのHacker Newsでも話題となっており、ユーザーからさまざまな意見が寄せられています。あるユーザーは「実際には20TBどころか1TB未満の帯域幅しか使っていないが、帯域幅が20分の1になったという事実には非合理的ながらも拒否反応が出てしまう」とコメントしているほか、別のユーザーは「Hetznerは明らかに赤字製品を好んでおらず、赤字が出た製品にはすぐ変更を加え、時には製品自体を廃止することもある」と述べました。
Hetzner - New tariff structure for Cloud servers and Load balancers in the USA | Hacker News
https://news.ycombinator.com/item?id=42264789
Hetzner cuts traffic on US VPSs | Hacker News
https://news.ycombinator.com/item?id=42264427
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