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Xiaomiがスマホ向けに独自設計チップを準備中、QualcommとMediaTekへの依存を減らすべく2025年にも量産開始か


中国の家電メーカーであるXiaomiが、QualcommやMediaTekといったチップメーカーへの依存を減らすために、独自設計のモバイルプロセッサを準備しているとBloombergが報じました。

Xiaomi Prepares Own Mobile Chip, Pressuring MediaTek and Qualcomm - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-11-26/xiaomi-readies-own-mobile-chip-pressuring-mediatek-and-qualcomm


Xiaomi reportedly making its own chip for Android phones
https://9to5google.com/2024/11/26/xiaomi-chip-report-android-phones-2025/

Xiaomi Set To Challenge Qualcomm, MediaTek As It Ventures Into Chipmaking Once Again - Alphabet (NASDAQ:GOOG), Apple (NASDAQ:AAPL) - Benzinga
https://www.benzinga.com/tech/24/11/42190353/xiaomi-set-to-challenge-qualcomm-mediatek-as-it-ventures-into-chipmaking-once-again

BloombergはXiaomiの内部情報に詳しい情報筋から入手した情報として、「Xiaomiが2025年に自社設計のモバイルチップを量産開始する予定」と報じました。「2025年」というタイミングについて、Bloombergは「アメリカとの技術競争において中国が重視している半導体分野に投資するハイテク企業の仲間に加わることを意識してのことかもしれない」と指摘しています。


中国政府は海外技術への依存を減らすよう中国企業に繰り返し求めており、Xiaomiのモバイルチップの独自開発は、この動きの一助になるとみられています。北京を拠点とするXiaomiは、2024年に電気自動車分野に多額の投資を行いました。そのため、2025年に半導体分野に進出することとなれば、同社はさらに新たな最先端分野に足を踏み入れることとなるとBloombergは指摘しています。

なお、XiaomiはQualcommの密接なパートナーであり、Qualcomm製モバイルチップであるSnapdragonの最新モデルを搭載したスマートフォンをいち早くリリースする企業のひとつでもあります。実際、Xiaomiの最新スマートフォンであるXiaomi 15シリーズは、Qualcommが2024年10月に発表したばかりのSnapdragon 8 Eliteを搭載したスマートフォンです。


しかし、「スマートフォン向けチップの分野で突破口を開くのは容易なことではない」とBloombergは指摘。実際、IntelやNVIDIAといったPC向け半導体分野で高いシェアを誇るメーカーや、スマートフォンメーカーのOPPOは、モバイル向けの半導体製造分野での競争に敗北。スマートフォン市場を牽引するSamsungでさえ、Qualcomm製チップに大きく依存しており、一部の地域限定モデルやローエンドデバイスでのみ自社製のExynosチップを採用しています。

一方、Appleは古くから独自設計のチップをiPhoneに搭載しており、この方針をMacやiPadにもAppleシリコンという形で拡張。Androidでは、Googleが2021年に発表したPixel 6から独自設計のモバイルチップである「Tensor」に移行しています。

Pixel 6/6 Proに搭載されるGoogle独自開発の8コアCPU&20コアGPUのSoC「Tensor」発表 - GIGAZINE


なお、Tensorは初代から第4世代まではSamsungのExynosをベースとしていますが、2025年に登場する第5世代「Tensor G5」では、Exynosに依存しない完全独自設計のものになると報じられています。なお、新しいTensor G5の製造はTSMCが担当することになるとウワサされています。

GoogleがSamsungに依存しないスマホ向け完全独自開発プロセッサ「Tensor G5」を準備中との報道 - GIGAZINE


Bloombergは「Xiaomiにとって、社内でモバイルチップを独自設計することは、より競争力のあるモバイルデバイスを開発すること以上に、スマートで優れたコネクテッドカーを開発することに役立つでしょう。なお、Xiaomiの自動車製造分野への進出は、同社が第一次トランプ政権による制裁措置に直面したことに端を発しています」と述べました。

なお、Xiaomiは制裁措置が課されてから4カ月後にアメリカ政府と和解し、これを解除してもらっています。

Xiaomiとアメリカ政府が和解、ブラックリストからXiaomiが除外される - GIGAZINE


Xiaomiのレイ・ジュン会長は2024年10月に配信されたイベントの中で、研究開発費を2024年の240億元(約5000億円)から2025年には300億元(約6300億円)にまで増加させる予定であると語りました。ジュン会長はこの巨額の研究開発費が、AIやOS、半導体などのコア技術への投資になると語っています。

なお、Xiaomiは2017年に発表したMi 5C向けにミドルレンジの独自開発のSoCである「Surge S1」を発表しましたが、QualcommやMediaTekとの競争により、ほとんどのスマートフォンでSurge S1が採用されることはありませんでした。Gizmochinaの報道によると、XiaomiはSurge S2を開発していたものの、生産の遅れと技術的な障害により、Surge S2の開発は2020年に中止されています。

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in モバイル,   ハードウェア, Posted by logu_ii

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