Pixel 6/6 Proに搭載されるGoogle独自開発の8コアCPU＆20コアGPUのSoC「Tensor」発表

日本時間の2021年10月20日2時に開催したGoogleの新製品発表イベント「Pixel Fall Launch」で、Google製スマートフォン・Pixelシリーズの最新モデルとなる「Pixel 6/6 Pro」に搭載されるGoogle独自開発のSoC「Google Tensor」の詳細が発表されました。

Pixel Fall Launch
https://pixelevent.withgoogle.com/

Google Tensor - Pixel 6 Launch - YouTube

Pixel 6に搭載するために、Googleが独自に開発したSoCが「Tensor」です。

Tensorは、スマートフォン上でAIが直接動作するように設計されているとのこと。

GoogleフォトやGoogleアシスタントなど、スマートフォン上で利用できるGoogleのサービスでは機械学習が応用されています。

これがTensor。

TensorはGoogleの機械学習モデルの実行に最適化されているとのこと。

機械学習エンジンのTPUはGoogle ResearchがGoogle Researchのためにカスタムメイドしたもの。

画像処理を行うISPは電力効率を向上させるアルゴリズムを半導体上に直接搭載しているとのこと。

CPUは周波数2.8GHzのCortex-X1が2コア、2.25GHzのCortex-A76が2コア、1.8GHzのCortex-A55が4コア。

GPUはMali-G78が20コア。

機械学習やアンビエントコンピューティングを低電力で処理するプロセッサ「Context Hub」も搭載されています。

Tensorは総合的なパフォーマンスと効率を実現するように設計されており、複雑化するスマートフォンアプリを実行する上でチップの複数部分で同時に処理を行うとのこと。個々のサブシステムが最大速度で処理を行うことではなく、それぞれのサブシステムが密に連携することを優先しています。

Pixel 5との比較では、CPUパフォーマンスが80％向上、GPUパフォーマンスが370％向上したとアピールされました。

機械学習に最適化されたGoogle独自開発のSoC「Tensor」を搭載することで、Pixel 6/6 Proは音声認識の性能が特に進化したとのこと。

音声によるテキスト入力は速くスムーズに。

Pixel 6での文字起こし速度は最大で従来の3倍になりました。

実際にデモンストレーションとして、Pixel 6の音声入力によるメッセージの送信が行われました。

入力のスピードは話すスピードに追いついており、本当にリアルタイムのテキスト変換が可能になっています。

さらに、入力したテキストの途中をタップして……

追加で音声を入力することで、簡単に挿入することができます。また、「Catherine」と「Katherine」など、同じ発音なのに綴りが異なる場合は入力された単語をタップすることで選択が可能。これまでの音声入力では似た発音の単語が表示されていましたが、Pixel 6での音声入力はあくまでも「音声ベースのタイピング」というコンセプトで設計されているとのこと。

さらに、例えば銀行に電話をかけるとき、予想される待機時間を表示し、電話の混み具合を可視化してくれるとのこと。

また、自動音声サービスで入力する場合、これまでは最初から最後まで自動音声の指示を注意深く聞かなければなりませんでしたが、Pixel 6ではGoogleアシスタントが自動でテキスト化し、タップして選択できるようになります。

そして、リアルタイムの自動翻訳機能。

話した言葉をそのまま別の言語に翻訳するPixel 6の自動翻訳機能は、音声入力と同様に高速でスムーズなものになっているとのこと。翻訳の品質は従来から18％向上し、翻訳処理の電力効率も挙がったとのこと。実際にPixel 6に英語で話しかけると、瞬時に日本語へ翻訳されて表示されます。

また、独自の片付け法「こんまりメソッド」を紹介してアメリカで人気を博した近藤麻理恵さんと、Pixel 6を使って翻訳しながら会話をするデモンストレーションも公開されました。

近藤さんがPixel 6に向かって日本語で話しかけると……

その場で英語で表示されました。

Pixel 6では、Tensorの搭載によってAIによる処理がより高速化し、音声認識性能もはるかに向上。文字起こしや翻訳、絵文字の音声入力も可能になりました。