「ヒト型レスキューロボットコンテスト」のファイナルステージに進出したロボット全種まとめ、「コケーッ」と鳴くロボットや全力パンチロボットなど個性派ぞろい
2024年11月3日(日)に大阪電気通信大学の寝屋川キャンパスで「ヒト型レスキューロボットコンテスト」が開催されました。ファイナルステージに残った6体のロボットがどれも個性的だったので、競技の様子をまとめてみました。
ヒト型レスキューロボットコンテスト | ヒト型ロボットによる災害救助を目指せ!
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ヒト型レスキューロボットコンテストは自作のヒト型二足歩行ロボットを操作してレスキュー能力を競うコンテストです。救護対象の人形には加速度センサーが埋め込まれており、速さだけでなく「いかに救護対象に衝撃を与えずに救護するか」も重要な評価ポイントとなっています。ヒト型レスキューロボットコンテストのコースやルールの詳細は以下の記事で確認できます。
自作のヒト型ロボットを操縦してレスキュー能力を競う「ヒト型レスキューロボットコンテスト」を観戦してきた、要救護者への衝撃を抑えるモーションや操作技術が光る - GIGAZINE
2024年のヒト型レスキューロボットコンテストには13台のロボットが参加し、予選で高評価を獲得した6台のロボットがファイナルステージに進出しました。ファイナルステージの競技の結果と競技内容は以下の通り。
◆技術賞:アラネア
大阪電気通信大学自由工房 HRP所属のミヤギナツキ氏が開発したアラネアは、予選では非常にスムーズな動きを見せていたのですが、ファイナルステージでは断線トラブルが発生してしまいました。それでも何とか復帰させて最後まで完走しました。
ヒト型レスキューロボットコンテスト 2024 ファイナルステージ【アラネア】 - YouTube
◆目視部門3位:レスキュー小雀
レスキュー小雀は大阪電気通信大学自由工房 HRPに所属する川端虹晴氏が開発したロボットです。ガレキをどかす際に腕を横方向に大きく伸ばすのが特徴で、ガレキを勢いよく吹っ飛ばしていました。しかし、勢い余って救護対象の人形を殴ってしまい、イエローカードを1度宣告されています。
ヒト型レスキューロボットコンテスト 2024 ファイナルステージ【レスキュー小雀】 - YouTube
◆目視部門2位:Alex
Alexは個人で出場したMASAKI氏のロボットです。トンネルをくぐる際の地上を泳ぐような独特の動きに注目。また、人形を抱きかかえる動作も非常にスムーズです。
ヒト型レスキューロボットコンテスト 2024 ファイナルステージ【Alex】 - YouTube
◆目視部門1位:キミマックス
目視部門の1位に輝いたのは大阪電気通信大学自由工房 HRPに所属する桜井仁香氏のキミマックスです。競技前に断線トラブルが発生したものの、競技中は終始安定した動作を見せ、わずか3分49秒で全課題をクリアしました。
ヒト型レスキューロボットコンテスト 2024 ファイナルステージ【キミマックス】 - YouTube
◆搭載カメラ部門2位:AIちゃん
搭載カメラ部門はロボットに搭載したカメラの映像だけを頼りに操作する部門です。なだめる男爵氏が開発したAIちゃんの操作画面はこんな感じ。目視部門と比べて極端に視界が悪くなるほか、「カメラの通信がうまくいかず映像が止まる」といった問題が発生することもあります。
視界の悪さから想定外の場所に移動してしまうこともありましたが、ゆっくり安定した動作でコンテストの重要ポイントである「衝撃を抑えた救助」を体現したようなロボットに仕上がっていました。
ヒト型レスキューロボットコンテスト 2024 ファイナルステージ【AIちゃん】 - YouTube
◆搭載カメラ部門1位&OECU杯:レグホーン
個性派ぞろいの出場ロボットの中でも異彩を放っていたのが、関西四天王のNAKAYAN氏が開発したレグホーンです。レグホーンはニワトリっぽい外見で、時折「コケーッ」と鳴き声を上げながら各種課題をサクサクこなしていました。人形を持ち上げる際には「いただきや!」と発話しながら片手でわしづかみ。見た目のインパクトだけでなく、「大型ボディなのに地面に与える振動が少なく、人形の衝撃値が低い」「ガレキを手でつかんで優しく撤去する」といったように確かな技術力も伝わってくる高クオリティロボットでした。
ヒト型レスキューロボットコンテスト 2024 ファイナルステージ【レグホーン】 - YouTube
なお、ヒト型レスキューロボットコンテストは2025年にも開催予定だそうです。
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