地下数千メートルの極限環境に陸地や海洋より多くの生物が生息している

地球上には非常に多くの生物が生息しており、南極や深海などの過酷な環境でも生物を見つけることができます。実は、地球の地下数千メートルには「地下生物圏」と呼ばれる生物圏が存在しており、地下に生息する生物の総重量は陸地や海洋の生物量を大きく超えると言われています。
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地下数十メートルから数百メートルの区間は、温度が10~20度の間で安定しています。しかし、深度が深くなるほど温度は上昇し、地下数千メートルでは100度以上にまで上昇します。また、地下数千メートルでは深海のような強い圧力もかかっています。このような極限環境にも生物は存在しています。

地下に生息する生物が構成する生物圏は「地下生物圏」や「深部地下生物圏」と呼ばれています。地下生物圏に生息する生物の総重量は3兆~5兆トンと見積もられており、陸上や海洋に生息する生物の総重量を超えるとされています。

地下空間は砂岩や石灰岩、玄武岩といった多孔質の岩石で構成されており、これらの岩石の隙間に生物は生息しているとのこと。

地下に生息する生物の一例が、2008年に学名が付けられた「Desulforudis audaxviator」です。

Desulforudis audaxviatorは真正細菌の一種で、岩石に含まれる水素イオンや硫酸イオンなどの無機物をエネルギー源としています。

Desulforudis audaxviatorは周囲に栄養がなくなると自身の一部分を切り離し、切り離した側を自身で取り囲んで胞子状となり、地中をさまよいます。

地中をさまよったDesulforudis audaxviatorの胞子は、新たな栄養源を発見すると新たな世代として活動開始するそうです。

地下に生息する生物のもう1つの例が、「Altiarchaeum hamiconexum」という細菌です。

Altiarchaeum hamiconexumは極端な環境でも生存できるように体を二重の膜で覆っています。また、「体からフックのようなものを伸ばし、地下を飛び回るように移動する」という独特の移動方法も特徴です。

Altiarchaeum hamiconexumは二酸化炭素や水素イオンをエネルギー源としているとのこと。

地下生物圏に関する研究はまだ初期段階であり、今後さらなる発見が期待されています。
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