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地元の伝説を信じ続けた男性が「湖の底に沈んだヴィンテージ酒」を発見する


カナダのオンタリオ州北東部にあるラーダーレイクという小さな町には、町と同じ名前を持つラーダー湖という淡水湖があります。ラーダーレイクで生まれ育ったジェイソン・プローガーさんという男性が、このラーダー湖の底から「かつてタクシーと一緒に沈んだヴィンテージ酒」を発見しました。

Northern Ontario man solves local legend, finds long-lost vintage liquor at bottom of a lake | CBC News
https://www.cbc.ca/news/canada/sudbury/larder-lake-local-legend-sunken-taxi-vintage-liquor-1.7332124


Timmins news: After decades-long search, man finds vintage vehicle in Larder Lake | CTV News
https://northernontario.ctvnews.ca/after-decades-long-search-northern-ontario-man-finds-vintage-vehicle-in-larder-lake-1.7055245

GOPR7108 - YouTube


ラーダーレイクは20世紀前半に金鉱山が見つかったことで栄えた町で、記事作成時点の人口は約700人ほどです。そんなラーダーレイクには、「1937年12月に凍結したラーダー湖の上を通り抜けようとして沈没したタクシー」の伝説が言い伝えられているとのこと。この町で生まれ育ったプローガーさんは、「この町で育った人は皆、伝説を聞きました。話した人はそれぞれ異なる話を持っていました」と述べています。


プローガーさんが最もよく聞いた伝説は、「ラーダー湖の氷を通り抜けようとしたタクシーは、金鉱夫のための酒とボーナスを運んでクリスマスパーティーに向かう途中だった」というものでした。人によってはタクシーが運んでいたものが「金の延べ棒」「金鉱石」に変わっていたり、タクシーではなく「付近の鉱山キャンプにアルコールを配達する密造酒業者」だったりしたとのこと。プローガーさんが子どもの頃にも、ラーダー湖に沈んだタクシーを捜索する大人たちがいたそうで、プローガーさん自身も35年間にわたりタクシーを探し続けていたそうです。

そして2023年のある日、プローガーさんがラーダー湖で開催された釣り大会に参加していると、魚影を探索するソナーに何かおかしなものが写りました。その物体がバックウィンドウやタイヤの輪郭を表すにつれて、プローガーさんはかつてラーダー湖に沈んだ車だと確信したとのこと。プローガーさんは当時の心境について、「わくわくしました。その日の釣りは諦めました」と語っています。

プローガーさんは車を発見した地点をマークしておき、後で仲間のダイバーたちと共にその地点へ戻って、ラーダー湖の真っ暗な湖底に潜りました。「私のすぐそばに他のダイバーがいましたが、彼を見るにはライトを当てなければなりませんでした。不気味なダイビングでした」と、プローガーさんは述べています。

捜索の結果、プローガーさんらはラーダー湖の水深15mの湖底に沈んでいた1929年製の「レオ フライング クラウド」を発見しました。以下の画像は、実際に湖底に沈んでいた車のロゴ入りハブキャップです。


視界が悪いため全体を撮影することは難しかったようですが、ライトのような部品や、ドアや車体の一部が確認できます。プローガーさんは、「車輪はまだそこにありました。ボディは自然に腐り始めており、布製の屋根はなくなっていますが、87年間湖の底に沈んでいたことを考えれば一般的には良好な状態です」とコメントしています。


なお、現存している1929年製「レオ フライング クラウド」の見た目はこんな感じ。

by Michel Curi

車の中に金塊はありませんでしたが、車内には6本の酒らしいボトルが残っていました。プローガーさんたちが1本のボトルをボートまで運んだところ、すぐに圧力の変化で爆発してしまいましたが、漏れた液体に指を浸してなめてみたところ「非常に滑らかなライ・ウイスキーのような味」がしたとのこと。

そして2024年の夏、再びプローガーさんたちはダイビングを行い、残る5本のボトルを引き上げました。このうち2本は途中でコルクが吹き飛んでしまったそうですが、3本は無事に引き上げることができました。実際にプローガーさんたちが回収したボトルのうち1本がこれ。


実際に2本のボトルの中身を飲んでみたプローガーさんによると、1本は非常に滑らかな味わいだったものの、もう1本は「非常に粗い」風味だったそうで、味にはばらつきがあった様子。「この酒が売られていた時、いいウイスキーだったとは思いません」「中身を飲んだ私がまだ失明していないのは、いい兆候です」とプローガーさんは述べています。


今回ラーダー湖の底から回収された無傷のボトルのうち1本は、9月28日に開催されたチャリティーオークションで競売にかけられ、4500カナダドル(約48万円)で落札されました。売上は「Friends of Larder」というコミュニティグループに寄付されました。プローガーさんは、「もし自分がタクシーを見つけたとしても、それは私ではなくこの町の物語だと考えていました。だから、それを町に寄付しようと思ったのです」と話しています。

今回の発見についてプローガーさんは、「ずっと探して、探して、探し続けてきたので、なんだか変な気分です。今、私は探していた車を見つけて、その場にいます。これで物語はおしまいです」と語っています。しかし、ラーダー湖には他にもいくつかのボートが沈んだという言い伝えや、第二次世界大戦中に付近の茂みへ軍用機が墜落したといううわさなどがあるそうで、プローガーさんはこれからも地元の謎を追いかけ続けるとしています。

なお、湖底に沈んだタクシーはもろくその場から動かせないため、他のダイバーが楽しめるように湖底へ置かれたままになるとのことです。

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in メモ,   動画, Posted by log1h_ik

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