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任天堂と株式会社ポケモンがパルワールド開発元を特許権侵害で訴える


任天堂と株式会社ポケモンがパルワールド開発元のポケットペアに対する訴訟を提起したことを発表しました。

任天堂株式会社 ニュースリリース :2024年9月19日 -株式会社ポケットペアに対する特許権侵害訴訟の提起について|任天堂
https://www.nintendo.co.jp/corporate/release/2024/240919.html

株式会社ポケットペアに対する特許権侵害訴訟の提起について|株式会社ポケモン|The Pokémon Company
https://corporate.pokemon.co.jp/media/news/detail/346.html

パルワールドは2024年1月19日にリリースされたゲームで、「パル」と呼ばれる生物を捕獲して戦闘やサバイバルを楽しむことができます。しかし、パルのデザインについてゲームのリリース前から「ポケモンに似ている」という指摘が挙がっており、2008年から2020年まで株式会社ポケモンの法務部を率いたドン・マクゴーワン氏がパルワールドについて「私が株式会社ポケモンの最高法務責任者だった頃に年間で何千回も目にしたよくあるパクリのナンセンスなゲームに似ています」と発言するなど物議を醸していました。

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また、パルワールドのリリースから数日が経過した2024年1月25日には、株式会社ポケモンが「2024年1月に発売された他社ゲーム」について触れつつ「ポケモンに関する知的財産権の侵害行為に対しては、調査を行った上で、適切な対応を取っていく」と表明していました。

お客様から、2024年1月に発売された他社ゲームに関して、ポケモンに類似しているというご意見と、弊社が許諾したものかどうかを確認するお問い合わせを多数いただいております。弊社は同ゲームに対して、ポケモンのいかなる利用も許諾しておりません。

なお、ポケモンに関する知的財産権の侵害行為に対しては、調査を行った上で、適切な対応を取っていく所存です。


新たに、任天堂と株式会社ポケモンがパルワールドの開発元であるポケットペアを特許権侵害で訴えたことが明らかになりました。両社はポケットペアに対して「侵害行為の差止」と「損害賠償」を求めています。任天堂の発表内容は以下の通り。

任天堂株式会社(本社:京都市南区、代表取締役社長:古川俊太郎、以下「当社」)は、株式会社ポケモンと共同で、2024年9月18日に、株式会社ポケットペア(本社:東京都品川区東五反田2丁目10番2号、以下「被告」)に対する特許権の侵害訴訟を東京地方裁判所に提起しました。

この訴訟は、被告が開発・販売するゲーム「Palworld / パルワールド」が複数の特許権を侵害しているとして、侵害行為の差止及び損害賠償を求めるものです。

当社は、長年の努力により築き上げてきた当社の大切な知的財産を保護するために、当社のブランドを含む知的財産の侵害行為に対しては、今後も継続して必要な措置を講じていく所存です。


記事作成時点でポケットペアはコメントを出していませんが、ポケットペアの溝部拓郎社長はパルワールドのリリース直後に実施されたAUTOMATONのインタビューで「モンスターを題材にしたゲームなので、読者からは『発売できるのか』『怒られてないか』などといった反応もあります。溝部さんとしては、そういった反応をどのように捉えられていますか」という質問に対して以下のように回答し、他社の知的財産権等を侵害する意図がないことを強調しています。

「発売できるのか」というのは少し過激な質問ですが、弊社は真剣にゲーム作りに取り組んでおり、当然ですが、他社の知的財産権等を侵害する意図は全く御座いません。法務のレビューも受けており、現時点で他社様から何らかの具体的なアクションを頂いた事も御座いません。インターネットでは様々な噂が飛び交っておりますが、安心してご購入頂ければ幸いです。


パルワールドに登場するパルのデザインについて生成AIの使用を疑う声もありますが、ポケットペアの溝部社長は生成AIではなく人力でデザインしたと主張しており、2024年9月11日に公開されたインタビューでも生成AIの使用を重ねて否定しています。

当社はもともとテクノロジーに対する感度が高く、当然AIに注目しており、常に現場に活かせないかと考えています。当時開発していた『パルワールド』でも、AIを活用してパルを生成できないかと試行錯誤しました。その結果、人間が作ったほうが精度が高いと判断しました。AIが勝手に生成してくるもののクオリティは高いのですが、こちらがイメージしているものをその通りに生成させるのは、相当に難しいことでした。だから現実には使っていません。


なお、ポケットペアはパルワールドのライセンス事業を担う企業「株式会社パルワールドエンタテインメント」を2024年7月にソニー・ミュージックエンタテインメントやアニプレックスと共同で設立しています。

株式会社パルワールドエンタテインメント
https://palworld.co.jp/


また、任天堂と株式会社ポケモンはポケットペアを「特許権の侵害」で訴えていますが、ゲームの特許を巡る訴訟について「著作権ではなく特許権に焦点を当てた訴訟が多い理由」「特許権の侵害が認められた場合にプレイヤーに生じる影響」などについて論じた興味深い記事が日本弁理士会の会誌に掲載されています。

ゲームファンから見たゲーム特許への願い
(PDFファイル)https://jpaa-patent.info/patent/viewPdf/4278


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in ゲーム, Posted by log1o_hf

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