週休3日制を採用するメリットがあるのはどんな企業なのか?
レディング大学ヘンリービジネススクールの准教授であるミリアム・マーラ氏が、これまでさまざまな企業が行った週休3日制の取り組みの結果をまとめました。
A four-day week can work – if staff and employers can deal with the challenges
https://theconversation.com/a-four-day-week-can-work-if-staff-and-employers-can-deal-with-the-challenges-234504
かつてイギリスでは週休3日制の実験に70社・3300人以上が参加。この実験では従業員の燃え尽き症候群や離職者が減少するなどの成果を確認することができました。
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また、実験によって生産性が向上する場合も確認されており、恒久的に週休3日制を導入する企業が現れています。
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一方で、スーパーマーケットチェーンのアズダは週休3日制の実験を行った結果、週休3日制を導入しないことを決定しています。マーラ氏は「週休3日制の実験の種類を区別することが重要」と述べ、週32時間労働に短縮する多くの週休3日制の実験と異なり、アズダの実験は週44時間の労働を4日間に詰め込むものだったせいで従業員への負担が増加していたことを指摘しました。
イギリスのサウスケンブリッジシャーでは、事務職員とゴミ収集員450人が参加した実験の結果が発表され、離職率を39%改善したほか職員派遣費用など37万1500ポンド(約7000万円)を節約できたとのこと。サウスケンブリッジシャー議会は「給与だけでは他の雇用主と競争できないため週休3日制を試験的に導入した」と予算を増やさずに福利厚生を向上できるというメリットを述べています。
ポルトガルやドイツなどヨーロッパ諸国で行われた週休3日制の実験では、多数の成功が報告されています。しかし、ギリシャでは熟練労働者の不足と生産性の低さから週の労働時間を48時間に延ばす週休1日制を企業が採用できるようになりました。
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マーラ氏はポルトガルとドイツの実験の背後にはギリシャと同様、「熟練労働者の不足と生産性の低さ」という理由が存在している事を指摘し、「同じ動機から逆の政策が出てくるのは興味深い」と述べています。なお、過去の研究では人々がすでに長時間働き過ぎており、賃金が停滞している場合労働時間を延ばしても生産性はあまり向上しないことがわかっているとのこと。
マーラ氏は週休3日制について、「インフレのなかで雇用主が十分な給与を提供しない理由になるリスクがある」と指摘し、「他の柔軟な勤務形態と同様、才能と意欲のある従業員を採用し、そうした従業員に投資し、スキルアップのための時間と機会を提供したいと考えている雇用主によって提供されるべき」と訴えました。
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