「サードパーティーCookieは消え去らねばならない」とウェブ標準化団体W3Cが主張
ユーザーのプライバシーを守る視点から考えると問題がある「サードパーティーCookie」について、Googleは3度にわたって廃止の計画を進めましたがうまくいかず、2024年7月に計画を撤回しました。しかし、ウェブの標準化団体であるW3Cは、改めて「サードパーティーCookieは削除されるべきである」という見解を示しました。
Third-party cookies have got to go | 2024 | Blog | W3C
https://www.w3.org/blog/2024/third-party-cookies-have-got-to-go/
Third Party Cookies Must Be Removed
https://www.w3.org/2001/tag/doc/web-without-3p-cookies/
「サードパーティーCookie」とは「あるサイトに設定された、他のサイトから読むことのできるCookie」のことで、ユーザーがどんなサイトを訪問しているかを追跡することができるため、広告事業者にとっては有益な存在です。一方で、ユーザーの立場からすると、行動を追跡されることによりプライバシーが脅かされます。
このため、Googleは2020年に「サードパーティーCookieを廃止して、代わりにプライバシーサンドボックスを普及させる」という方針を打ち出しました。しかし、プライバシーサンドボックスはGoogleが広告業界を独占することになるという懸念から、各国の公正取引委員会が問題視。結局、プライバシーサンドボックスが世に出ることはなく、Googleは2024年7月に「サードパーティーCookieを廃止する」という方針自体を撤回しました。
GoogleがChromeからサードパーティーCookieを廃止する計画を撤回 - GIGAZINE
しかし、これでは当初から懸念されているユーザーのプライバシー問題が何も解決しないとして、W3Cのハドリー・ビーマン氏は「それでも、サードパーティーCookieは削除されなければならない」と強く主張しています。
Cookieは、もともとサイトを訪問した人が初めて訪れたのかリピーターなのかを識別するために設計された仕組みですが、やがて、ログインやシングルサインオンの状態や買い物かごの中身の保存、広告のターゲットを絞るためのトラッキング、不正行為の検出などに利用されるようになっていきました。
サードパーティーCookieは、クロスサイトCookieとも呼ばれるように使用しているサイト以外の誰かが読み取れるCookieであり、データ収集と共有が主目的となっていますが、どのようにデータ収集と共有が行われているのかは多くのユーザーには不透明で、プライバシーの問題を抱えています。
W3Cは、ウェブではセキュリティとプライバシーがなにより大事で不可欠であると考えているため、プライバシーの問題を生み出すサードパーティーCookieは廃止すべきだという立場を取っています。GoogleがサードパーティーCookie廃止の方針を打ち出して、新たな仕組みであるプライバシーサンドボックスを考案したときには、開発チームとも協力してきたとのこと。
このため、GoogleがサードパーティーCookie廃止を撤回すると方針転換したことについて「一緒に行ってきた多くの作業が無駄になってしまう」と述べ、Googleが再びサードパーディーCookieを廃止する方向に転じることを心から願っていると記しています。
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in メモ, Posted by logc_nt
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