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Googleが新たに提案したユーザー識別子「PPID」の利用方法とは?


サードパーティーCookieを用いない新たな広告の仕組みを構築中であるGoogleが、既存のパブリッシャー指定の識別子(PPID)をより広い範囲で使用し、プライバシーに配慮しながらパーソナライズされた広告配信を行う方法をテスト中だと発表しました。

Helping publishers thrive in today's privacy environment
https://blog.google/products/admanager/helping-publishers-thrive-todays-privacy-environment/

Google Is Building Integrations For Publisher-Specific Identifiers | AdExchanger
https://www.adexchanger.com/platforms/google-is-building-integrations-for-publisher-specific-identifiers/

Googleはインターネットユーザーの行動を広範囲に追跡しプライバシーを侵害するサードパーティーCookieのサポートをChromeで廃止する計画であり、今後はその代替となるユーザー個人を追跡する識別子を作らないことを明言しています

一方でGoogleは、今後もターゲティング広告を続けていく意向であり、Cookieを使わない新しい広告の仕組みを構築しようとしています。具体的な仕組みはプライバシーサンドボックスという提案の中で議論中で、記事作成時点ではユーザーを数千人単位のコホートに分類し、コホートごとの興味・関心に基づいて広告配信を行うことを検討しています。

仕組みの詳細については、以下の記事から読むことが可能です。

Googleが提案するサードパーティーCookieなしの新しい広告の仕組み「FLoC」とは? - GIGAZINE


2021年3月11日付けのブログでGoogleのプロダクトマネージャー&広告マネージャーであるDeepti Bhatnagar氏は、新たな広告システムの中で、「パブリッシャー指定の識別子(PPID)」を使用する方法をテスト中だと述べました。

PPIDはパブリッシャーがユーザーに割り当てる識別子で、通常はログインユーザーやその他の顧客情報と結び付けて利用します。Googleはすでに広告システムでPPIDを導入していますが、これまではパブリッシャーと広告購入者との直接取引でしか使われてきませんでした。


新たにGoogleが発表したのは、このPPIDをアドマネージャー経由で公開オークションを含む全てのプログラマティック取引において利用可能にするということ。

これにより、パブリッシャーはファーストパーティーCookieやログインIDを使ってユーザーにPPIDを割り当てて、アドマネージャー経由で選択したデータ共有相手(広告購入者)に暗号化されたPPIDを送ることが可能です。データは暗号化されているため広告購入者は特定のユーザーの興味・関心を知ることはできませんが、「ユーザーがスポーツ関連のウェブサイトを頻繁に訪れているから、スポーツ関連のキャンペーン広告に向いている」といった判断に利用できるようになります。


ただし、PPIDは個々のパブリッシャーにおいてユニークなものでなければならず、広告チャネル全体で有効になる統合的なIDのようには機能しないとのこと。

問題点として挙げられているのは、ファーストパーティーデータを利用するPPIDは一般的にオーディエンスが多い、大規模なパブリッシャーにおいてよく機能するということ。規模の小さなパブリッシャーではリソースが足らずにうまく機能しない可能性があり、この点についてGoogleはPPIDのプロセスの一部を自動化することでその問題に対処する予定だとしています。

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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