ついに「Googleマップ一強」終了か、Microsoft・Amazon・Metaがタッグを組んだ「Overture Maps Foundation」がオープン地図データセットを公開
大手IT企業のMicrosoft、Amazon、Metaらが協力し、オープンで相互運用可能な地図データの整備を目指す取り組みであるOverture Maps Foundationが、4つのオープンデータセットの一般提供(GA)版をリリースしました。MetaやMicrosoftなどの加盟企業は、既に自社サービスにこのマップデータを組み込んでいます。
Overture Maps Foundation Releases General Availability of its Open Maps Datasets – Overture Maps Foundation
https://overturemaps.org/overture-maps-foundation-releases-general-availability-of-its-open-maps-datasets/
Backed by Microsoft, AWS and Meta, the Overture Maps Foundation launches its first open map datasets | TechCrunch
https://techcrunch.com/2024/07/24/backed-by-microsoft-aws-and-meta-the-overture-maps-foundation-launches-first-open-map-datasets/
Overture Maps Foundationは、大手IT企業3社と地図会社のTomTomが、Linux Foundationの後援の下で2022年に設立した団体です。2023年には、GoogleマップやAppleマップの対抗馬になると目されている地図データセットのアルファ版が、2024年4月には最初のベータ版が公開され、今回正式にGA版がリリースされました。
Meta・Microsoft・AmazonなどがGoogleマップやAppleマップに対抗し得るオープンな地図データセットを公開 - GIGAZINE
「このGAリリースはほんの始まりに過ぎません。次世代のマップ製品は幅広いサービスの提供を可能とし、Overtureはそのイノベーションの基盤となるオープンマップデータ開発の最前線にいます。Metaは既にこのデータセットをMetaのアプリケーション全体のマップで活用しているので、ぜひ見て、使っていただき、改善にご協力ください」と、Overture運営委員会の委員長で、Metaのマップ担当ディレクターであるヤン・エリック・ソレム氏は話しました。
公開されたマップデータには、大きく分けて次の4つのテーマが含まれています。
◆1:建物
世界中の23億の建物のフットプリント、つまり土地占有面積が含まれており、MicrosoftのBing MapsやGIS大手・ESRIのArcGIS Living Atlas of the Worldといった地理情報サービス、洪水リスク情報を保険会社に提供しているAddresscloudのサービスなどに採用されています。ユースケースとしては不動産管理やリスク評価、経済開発計画や3D視覚化コンテンツなどが想定されています。
◆2:観光名所
世界中の5400万件の観光名所に関するデータが収録されており、新しいデータは順次追加される予定とのこと。ユーザーは、自分たちの観光スポットにソーシャルシグナルなどを重ねることができます。
◆3:地区
国際的な利用をサポートするために、40の異なる言語に翻訳された国と行政区域の境界線が収録されています。
◆4:ベースマップ
コンテクストレイヤーには地図の基本となる土地や水域のデータが含まれています。
Overturは、マップデータを簡単に見られるようにした視覚ツールも提供しています。
Overture Maps Explorer (Beta)
https://explore.overturemaps.org/
今回のリリースと同時に、14カ国の2億件の住所を含む新しいテーマである「住所」のアルファ版も公開されました。また、ベータ版として公開されているテーマの「公共交通機関」は、数カ月以内にGA版が提供される予定とのことです。
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