乗り物

Lyftが無料で自動運転カー開発用の膨大なデータセットを公開

by Riccardo Bresciani

配車サービスを展開するLyftは2017年7月に自動運転カー開発部門「Lyft Level 5」を立ち上げ、独自の自動運転システムを開発しています。そんなLyft Level 5が自動運転カーの開発に用いてきた膨大なデータセットを一般向けに無料公開し、大学や他の企業の研究者らもLyft Level 5のデータセットを用いて自動運転技術の開発を進めることができるようにしました。

Dataset | Lyft Level 5
https://level5.lyft.com/dataset/

Unlocking Access to Self-Driving Research: The Lyft Level 5 Dataset and Competition
https://medium.com/lyftlevel5/unlocking-access-to-self-driving-research-the-lyft-level-5-dataset-and-competition-d487c27b1b6c

Lyftは自動運転技術が人々の生活の質を向上させると考えています。自動運転カーを複数の人々でシェアリングすることにより、環境問題や都市インフラの負担増加に対処できるとのこと。Lyftのローガン・グリーンCEOも自動運転カーの開発を重要視しており、「自動運転技術は事故を減らして人命を守るだけでなく、カーシェアリングにより気候変動問題にも対処できます」と述べています。

多くの企業や研究機関が自動運転技術の開発に注力している一方で、Lyft Level 5はそれぞれの研究チームがお互いに協力する体制が整っていない点を指摘。自動運転技術の発展は世界中の人々の利益になるものであり、開発者らは分野全体に新たな投資をするべきだと主張。そして、Lyft Level 5は自らが収集した「自動運転技術の開発に役立つデータセット」を公開することにしたとしています。

Lyft Level 5が公開したデータセットは、公にされている自動運転カーの開発に関するデータセットの中で最大のデータ量を誇っており、「人間がラベル付けした5万5000以上の3D注釈付きフレーム」「走行可能な路面マップ」「7台のカメラと3台のLIDARセンサーによるデータ」「空間内の物体を意味論的に分類したHDセマンティック空間マップ」などが含まれています。


今回公開されたデータは、Lyft Level 5が2年間にわたって収集してきたものです。Lyft Level 5は従業員の移動用シャトルとして運用している自動運転カーから、膨大な自動運転技術に役立つデータを収集しているとのこと。

また、自動運転カーにとって重要なHDマッピングはミュンヘンおよびパロアルトの研究チームが行っており、LIDARセンサーに基づく高品質の幾何学的マップと高精細のセマンティック空間マップを構築しています。さらにロンドンの研究チームは高品質で低コストな幾何学的マップを作成するため、Lyftの車からスマートフォンのカメラで撮影したデータを用いているそうです。

by Minneapolis Public Works TPP

Lyft Level 5は自動運転カーの開発には相互の研究チームが協力する必要があると以前から考えており、同じく自動運転カーの開発を進めているAptivと協力し、ラスベガスで自動運転タクシーを運用するなどの協力体制を整えています。自動運転タクシーは配車サービスを展開するLyftのプラットフォームで提供され、既にラスベガスでユーザーから5万回以上利用されているとのこと。

また、今回のデータセット公開に伴って、Lyft Level 5は個人の開発者によるコンテストを開催することを決定。コンテストの詳細については今後発表するとしていますが、データセットを用いたアルゴリズムのトレーニングに関するコンテストになる見込み。優勝賞金は2万5000ドル(約270万円)で、優勝者は2019年12月に開催される機械学習に関するカンファレンスのNeurIPS 2019に招待されるほか、Lyft Level 5のチームにインタビューする機会も与えられます。

学術研究はイノベーションを促進しますが、高価なデータセットを入手するのは公的な学術機関にとって難しいもの。Lyft Level 5は自身の持つデータセットを公開して共有することで、自動運転技術に関心を持つ全ての研究者らが平等に研究を行える環境が整い、幅広い分野の研究者が自動運転技術の開発に貢献できるようになると見ています。Lyft Level 5は、今後も収集したデータを追加公開していく予定だと述べました。

by SplitShire

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in ソフトウェア,   乗り物, Posted by log1h_ik

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