サイエンス

AIが設計して3Dプリンターで印刷されたロケットエンジンが燃焼試験に成功


ドバイを拠点とするAIエンジニアリング企業のLEAP 71が、大規模計算工学モデルのNoyronが設計して3Dプリンターで出力した液体燃料ロケットエンジンの燃焼試験に成功したことを発表しました。

LEAP 71 hot-fires 3D-printed liquid-fuel rocket engine designed through Noyron Computational Model | LEAP 71
https://leap71.com/2024/06/18/leap-71-hot-fires-3d-printed-liquid-fuel-rocket-engine-designed-through-noyron-computational-model/


We just test fired a 20,000 horsepower AI-generated rocket engine - YouTube


LEAP 71はこれまで、計算工学という新しい分野を通じて、工学を根本的に前進させることを目標としてきました。その一環として、LEAP 71は熱モデルなどの物理学や製造プロセスに関するルール、および関連データと専門知識を学習した大規模計算工学モデルのNoyronを開発しています。Noyronでは、機械的な動きや熱挙動、その他の性能パラメーターを含む物理的相互作用を推測し、機械類の設計を行うことが可能です。

そしてLEAP 71はNoyronが設計したデータを基に、ドイツの大手金属3Dプリンティング企業であるAMCMと共同でEOS M 290を用いて銅製のスラスターを製造。LEAP 71によると、Noyronがスラスターの設計図を生成するまでに要した時間はわずか15分で、たった2週間足らずで最終仕様の決定から製造までのプロセスが完了したとのこと。


今回作成されたスラスターは、推力が約5kNの比較的コンパクトな軌道ロケットの最終キック段に使用されるようなものです。また、燃料にはSpaceXのファルコン9などの高度なロケットシステムで使用される液体酸素(LOX)とケロシンが用いられました。


また、スラスターには温度と圧力を測定するための多数のポートが搭載されており、実験から得られた情報をNoyronに学習させることも可能です。


燃焼試験は2024年6月14日にイギリス・ウェストコットを拠点とするAirborne Engineeringの試験場で実施されました。3.5秒間の予備実験の後、12秒間にわたる長時間燃焼実験が行われました。


実験の結果、エンジンは期待通りに動作し、定常状態を達成しました。その後、エンジンはシェフィールド大学で分解され、慎重な検査を実施。燃焼試験による損傷がないことが確認されています。


LEAP 71の共同設立者であるリン・カイザー氏は「私たちは、計算工学という新しい分野の最前線にいます。そこでは、人間による手作業なしで高度な機械を設計することが可能で、このパラダイムによって現実世界のオブジェクトにおけるイノベーションのペースを大幅に加速することができます。今回、燃焼試験に成功したという事実は私たちのアプローチが正しく機能していることを裏付けています」と語りました。

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in サイエンス,   動画, Posted by log1r_ut

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