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Steamで買ったゲームは死後誰かに譲渡できないとValveが明言


Steamで大量にゲームを購入しているヘビーユーザーの中には、「自分が死んだらこのライブラリに残されたゲームはどうなるのだろうか」という考えが頭をよぎったことがある人もいるかもしれません。Steamを運営するValveのサポートに、Steamアカウントを遺言状で家族に残せるか尋ねたところ、できないと回答されたとのやりとりがゲームコミュニティで話題となりました。

To anyone who is curious, no, you cannot transfer your Steam account via a will. You can only take your games to your graves. | ResetEra
https://www.resetera.com/threads/to-anyone-who-is-curious-no-you-cannot-transfer-your-steam-account-via-a-will-you-can-only-take-your-games-to-your-graves.875634/

After you die, your Steam games will be stuck in legal limbo | Ars Technica
https://arstechnica.com/gaming/2024/05/after-you-die-your-steam-games-will-be-stuck-in-legal-limbo/

Valve confirms your Steam account cannot be transferred to anyone after you die | TechSpot
https://www.techspot.com/news/103150-valve-confirms-steam-account-cannot-transferred-anyone-after.html

ゲーマーが集まるフォーラム・ResetEraのユーザーであるdelete12345さんは、Steamに「すぐに死ぬ予定はありませんが、もし死んだ場合、遺言で私のSteamアカウントの所有権を譲渡することは可能でしょうか?」と尋ねました。

その結果、Steamからは「残念ながら、Steamアカウントとゲームを誰かに譲渡したり、そのアカウントへのアクセスを他の人に提供したり、コンテンツを他のアカウントと統合したりすることはできません」との回答が返ってきました。


ゲーム系メディアのTechSpotによると、ゲームコミュニティにはこのSteamの回答に不満を表明し、自分がこの世を去った後でも愛する人が自分のゲームにアクセスできるようにする方法はないのかと言う人もいるとのこと。

一方、IDやパスワードを書き残しておけば、利用規約の制限を簡単に回避できるので問題ないと、落ち着いた反応を見せるユーザーもいます。

Steamの利用規約には、アカウントが譲渡できないと記載されており、そのほかの公式サイトのサポート情報でも「Steamアカウントの所有権は譲渡できません」と案内されていますが、現実的にはSteamにアカウントの所有者が変わったことを関知する手段はほとんどないと、IT系ニュースサイトのArs Technicaは指摘します。


ただし、人の平均寿命を大きく超えた年齢のアカウントがあれば、Steamが利用実態を調査する可能性もあると指摘する人もいるそうです。

また、利用規約に反しない形でアカウントを引き継げる可能性を模索する人もいます。利用規約に「Valveが別途明確に許可している場合」とあるように、Valveから特別な許可を得ればアカウントを他の人の譲渡できます。Steamの掲示板に2015年に投稿された書き込みによると、Steamは「遺贈により所有権が移転したアカウントはブロックしない」と述べたことがあるとのこと。ただし、これは記事作成時点から約9年前にSteamユーザーが投稿した書き込みで、Valveが直接そう述べたわけではない点には注意が必要です。


さらに、アメリカの法律では「iPodやKindle電子書籍リーダーなど、物理的なデバイスにコンテンツの合法的なコピーがある場合、デジタルコンテンツは亡くなったユーザーの遺族に譲渡可能である」とする(PDFファイル)記事もあるので、ニンテンドー3DSとWii Uに購入できる限りのゲームをダウンロードしてビデオゲーム史財団(Video Game History Foundation)に寄付しようとした人もいるとのこと。とはいえ、遺贈できるのは物理的なデバイスのみであるため、遺族が中のコンテンツを別の端末にコピーしたり再インストールしたりすることはできません。

ビデオゲーム史財団の元共同ディレクターのケルシー・ルイン氏は、2023年のArs Technicaのインタビューに「デジタルで生まれたゲームを保存できるような合理的で合法的な手段はありません。利用できるのを物理的なゲーム機に限定するようなことは、20年前ならうまくいったかもしれませんが、もはやゲームが物理的な媒体で販売されるような世界ではないのです」とコメントしています。

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in ゲーム, Posted by log1l_ks

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