これまでに地球で生まれた人間の数はどれくらいなのか?
2024年5月時点での世界人口は81億1000万人超で、2050年には97億人に達すると予測されていますが、これはあくまで「現在地球上で生きている人間の数」です。「現在地球上で生きている人間の数」ではなく「地球が誕生してからこれまでに生まれた人間の数」を、アメリカの人口統計研究所(PRB)が推定しています。
How Many People Have Ever Lived? - YouTube
How Many People Have Ever Lived on Earth? | PRB
https://www.prb.org/articles/how-many-people-have-ever-lived-on-earth/
PRBは、人類が地球上にいたと考えられている期間やさまざまな時代の平均人口、人口1000人当たりの出生数を示す出生率を組み合わせてこれまでに生きた人々の総数を推定しました。
しかし、人類がいつ誕生したかを判断するのは容易なことではなく、PRBは人類の誕生を「ホモ・サピエンスが誕生したとされる紀元前19万年頃」と規定しています。
国連などの情報をもとに、PRBが推定した地球上の人口の推移を示した表は以下の通りです。
年 | 総人口(人) | 出生率(パーミル) | この期間中の出生数(人) | これまでに生まれた数(人) | 出生者が占める割合(%) |
紀元前19万年 | 2 | 80 | - | - | - |
紀元前5万年 | 200万 | 80 | 78億5610万 | 78億5610万2 | 0 |
紀元前8000年 | 500万 | 80 | 11億3778万9769 | 89億9388万9771 | 0.1 |
西暦1年 | 3億 | 80 | 460億2533万2354 | 550億1922万2125 | 0.5 |
1200年 | 4億5000万 | 60 | 265億9134万3400 | 816億1056万5125 | 0.6 |
1650年 | 5億 | 60 | 127億8200万2453 | 943億9256万7578 | 0.5 |
1750年 | 7億9500万 | 50 | 31億7193万1513 | 975億6449万9091 | 0.8 |
1850年 | 12億6500万 | 40 | 40億4624万9 | 1016億1073万9100 | 1.2 |
1900年 | 16億5600万 | 40 | 29億23万7856 | 1045億1097万6956 | 1.6 |
1950年 | 24億9900万 | 31~38 | 33億9029万8215 | 1079億117万5171 | 2.3 |
2000年 | 61億4900万 | 22 | 60億6499万4884 | 1139億6617万55 | 5.4 |
2010年 | 69億8600万 | 20 | 13億6400万3405 | 1153億3017万3460 | 6.1 |
2022年 | 79億6340万 | 17 | 16億9027万5115 | 1170億2044万8575 | 6.8 |
2035年 | 88億9900万 | 16 | 17億5857万8889 | 1187億7902万7464 | 7.5 |
2050年 | 97億5200万 | 14 | 20億6840万9608 | 1208億4743万7072 | 8.1 |
紀元前8000年から西暦1年までの人口増加率はわずか0.05%と非常に低く、PRBは「この期間の人口は、食料の入手可能性や家畜の飼育環境、諸外国との友好関係、気候条件の変化によって大きく変動したようです」と分析しています。また、西暦100年頃までの平均寿命は10代であった一方で、人間という種が生き残るために必然的に出生率が高くなり、この期間の出生率は80パーミルと、現代の出生率よりもはるかに高かったことが明らかになっています。
1650年までに、世界の人口は約5億人に達しましたが、西暦1年時点の推定人口である約3億人から大きく増加しているわけではありません。その理由としてPRBはペストの流行を挙げています。その後は公衆衛生や医学、栄養学の進歩に伴って死亡率が低下したため、世界人口は急速に増加。1800年までに世界人口は10億人を突破し、2022年には80億人に達しました。
なお、PRBは「紀元前19万年から西暦1年までの人口規模についてはほとんど知られておらず、この期間の人口が明らかになることが私たちの推定を正確にする鍵です」と述べています。
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