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M4チップを搭載して前世代から大きく性能が進化したiPad Pro(2024)でベンチマークを回してみた


2024年5月15日に登場したiPad Pro(2024)は、Appleが独自に開発したSoCシリーズ「Appleシリコン」のM4チップが搭載されており、2022年に発売されたM2搭載iPad Proと比較してCPUやGPUの性能が大きく進化したとAppleはアピールしています。GIGAZINE編集部もM4搭載iPad Proを購入したので、実際にどれだけ進化したのかを確かめるべくベンチマークソフトを回してみました。

iPad Pro - Apple(日本)
https://www.apple.com/jp/ipad-pro/

今回GIGAZINE編集部に届いたiPad Proは「11インチ 1TB Wi-Fiモデル(シルバー)」と「13インチ 256GB Wi-Fi+Cellularモデル(スペースブラック)」の2モデルの2つです。両モデルを開封する様子は以下の記事を読むとわかります。

「Apple製品史上最薄」なM4搭載iPad Proの11インチモデル&13インチモデル開封の儀&外観レビュー - GIGAZINE


Appleの公式サイトで公開されているiPad Proの仕様を見ると、11インチモデルと13インチモデルではディスプレイサイズ以外に違いはありませんが、ストレージが256GB・512GBのモデルと1TB・2TBモデルで、搭載されているM4の仕様が少し異なります。256GBあるいは512GBのストレージ搭載モデルはM4のCPUが9コア(高性能コア3つ+高効率コア6コア)で、1TBあるいは2TBのストレージ搭載モデルはM4のCPUが10コア(高性能コア4つ+高効率コア6コア)です。また、搭載RAMの容量も異なり、256GBあるいは512GBのストレージ搭載モデルは8GB、1TBあるいは2TBのストレージ搭載モデルは16GBとなっています。


◆ベゼル幅をチェック
開封後、電源を入れてApple IDの登録を行い、最低限使えるようにセットアップ済み。ベンチマークを行う前に、画面を囲む黒いベゼルの幅を測ってみました。


11インチモデルでは、ベゼルの横幅は実測でおよそ8mmでした。


ベゼル縦幅はおよそ8mmでした。


13インチモデルのベゼル横幅はおよそ8mm。


そして、ベゼルの縦幅もおよそ8mmでした。


M4搭載iPad Proは「Apple製品史上最薄」とうたう通り、厚さが11インチモデルで5.3mm、13インチモデルで5.1mmとかなりの薄さ。本体サイズは前世代のiPad Proと比べてわずかに大きくなっていますが、縦に1.0mm、横に0.6mmというレベルなので、ほとんど差はありません。むしろ重量は軽くなっているので、実際に手に取った編集部員も思わず「薄っ!軽っ!」とコメントするほど。本体は薄いのですが非常にしっかりとして頑丈なので、持っていて曲がってしまいそうと不安に思うことはありません。


◆タンデムOLEDディスプレイ
M4を搭載したiPad Pro(2024)は、iPadシリーズとして初めてOLED(有機EL)ディスプレイを搭載しています。OLEDディスプレイは、バックライトと液晶を組み合わせたLCD(液晶)ディスプレイと異なり、ピクセルが自己発光する仕組み。そのため、LCDだと画面の黒い部分でバックライトの光が透けてしまい、少し白くなってしまうのに対し、OLEDは黒い部分がしっかりと黒く表現されます。

実際にLCDディスプレイを搭載したiPad Pro(2018)の12.9インチモデルと、iPad Pro(2024)の13インチモデルを並べて、ディスプレイの明るさを最大に設定した上で同じムービーを再生してみたところが以下。上下の黒い帯部分をみると、iPad Pro(2018)だとバックライトが漏れて少し白くなっているのに対し、iPad Pro(2024)はちゃんと黒色になっているのがはっきりわかります。また、ディスプレイ自体の輝度は同等、むしろiPad Pro(2024)の方が明るくかつ発色がいいと感じる瞬間もありました。

iPadシリーズで初めてOLEDディスプレイを搭載したiPad Pro(2024)を旧モデルと並べて比較してみた - YouTube


◆iPad Pro 11インチ 1TB Wi-Fiモデル
Geekbench 6を使ってベンチマークを回してみました。計測時の室温は22度、湿度は50%、Geekbenchのバージョンは6.3です。

11インチ 1TB Wi-FiモデルのCPUベンチマークの結果が以下。シングルコアが3736ポイント、マルチコアが1万4667ポイントでした。「CPU Information」を見ると、CPUが4コア+6コア=10コア、メモリは15.1GBと表示されていました。


シングルコアパフォーマンスの内訳はこんな感じ。


そして、以下がマルチコアパフォーマンスの内訳。


Geekbenchのデータベースに集められているAppleデバイスのシングルコアパフォーマンスと比較してみると、M4搭載iPad Proが3736ポイントなのに対して、前世代のM2搭載iPad Pro(11-inch, 4th generation)が2534ポイント、M1搭載のiPad pro(11-inch, 3rd generation)が2265ポイントでした。パフォーマンススコアだけでいえば、前世代からは50%近く向上していることがわかります。


マルチコアパフォーマンスを比較すると、M4搭載iPad Proが1万4667ポイントだったのに対して、前世代のM2搭載iPad Pro(11-inch, 4th generation)が9622ポイント、M1搭載のiPad pro(11-inch, 3rd generation)が8160ポイントでした。


GPUパフォーマンスのスコアは5万3211ポイントでした。


グラフィックスAPIであるMetalのパフォーマンス内訳が以下。


M4搭載iPad Proが5万3211ポイントだったのに対して、前世代のM2搭載iPad Pro(11-inch, 4th generation)が4万5135ポイント、M1搭載のiPad pro(11-inch, 3rd generation)が3万2105ポイント。パフォーマンススコアでいえば、前世代iPad Proから17%以上も向上しています。


機械学習への適性を測る「Geekbench ML」で、Neural Engineのベンチマークを実行してみました。パフォーマンススコアは9571。


Geekbench MLのパフォーマンス内訳はこんな感じ。


また、Antutu Benchmarkでもパフォーマンススコアを測定してみました。結果は263万8653ポイント。


パフォーマンススコアの各項目は以下の通り。


2024年4月時点でのランキングを見ると、前世代のM2搭載iPad proの12.9インチモデルが213万3398ポイント、11インチモデルが194万378ポイントだったので、前世代と比較してスコアが20%以上伸びる結果となりました。


◆iPad Pro 13インチ 256GB Wi-Fi+Cellularモデル
Geekbench 6で13インチモデルのCPUパフォーマンススコアを計測した結果、シングルコアが3761ポイント、マルチコアが1万3282ポイントでした。なお、ストレージが256GBなので、CPUは3コア+6コア=9コア、メモリは7.20GBとなっています。シングルコアは11インチ 1TBモデルとほぼ同じですが、CPUコア数が減ってしまった分、マルチコアパフォーマンスのスコアは11インチ 1TBモデルと比べて少し低くなりました。


シングルコアパフォーマンスの内訳は以下。


マルチコアパフォーマンスの内訳はこんな感じ。


GPUパフォーマンススコアは5万4087ポイントで、11インチ 1TBモデルとほぼ同じ。


Metalのパフォーマンス内訳が以下。


Geekbench MLのNeural Engineベンチマークのスコアは9570ポイントでした。


結果の内訳はこんな感じです。


Antutu Benchmarkのベンチマークスコアは266万758ポイントで、11インチ 1TBモデルとほぼ同じ結果でした。


ベンチマーク結果の内訳は以下の通りでした。


・つづき
「握る」と「回す」でますます使いやすくなった「Apple Pencil Pro」をM4搭載iPad Proで使ってみたレビュー - GIGAZINE

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in レビュー,   ソフトウェア,   ハードウェア, Posted by log1i_yk

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