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AirTagによるストーカー行為防止集団訴訟でアメリカ連邦裁判所が「Appleの安全対策が不十分」という主張を一部認める


Appleの落とし物トラッカー「AirTag」に搭載された安全対策が不十分なため、ストーカー行為の危険性が高まっているとの集団訴訟に対し、アメリカ・サンフランシスコの連邦地方裁判所が2024年3月15日、「原告の主張に合理性がある」との判断を下しました。

Hughes et al. v. Apple, Inc. - 3:22-cv-07668 - hughes-et-al-v-apple-inc.pdf
(PDFファイル)https://www.classaction.org/media/hughes-et-al-v-apple-inc.pdf

Apple Must Face Suit Claiming Air Tags Are Weapon of Stalkers - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-03-15/apple-must-face-suit-claiming-air-tags-are-weapon-of-stalkers


AirTag anti-stalking class-action lawsuit allowed to proceed
https://appleinsider.com/articles/24/03/17/airtag-anti-stalking-class-action-lawsuit-given-the-green-light

これまでAppleの落とし物トラッカー「AirTag」では、「車の前輪に取り付けられた」という報告や、AirTag悪用事例の3分の1は「女性へのストーカー」との記録が報告されています。

AirTagをめぐっては、2022年10月に「ストーカー対策機能が不十分」との主張で訴訟が提起されたのが最初で、「報道の爆発的増加」を受け、その後2023年10月に「ストーカーや殺人犯がAirTagを用いて被害者を追跡している」「危険人物による追跡から人々を保護するための適切な措置を講じていない」との(PDFファイル)さらなる訴訟に発展しています。

2024年3月15日に、連邦地方裁判所のビンス・チャブリア判事は「AirTgaをめぐる訴訟の主張の一部には、訴訟を進めるのに十分な説得力がある」との判断を下しました。なお、今回合理性を認められた主張は、「AirTagを製造・販売するAppleの過失と製造物責任」です。


訴訟を提起した約30人の原告団は「AirTagの安全機能に重大な問題があることで、ストーカー行為などの不正行為などが引き起こされた」「Appleは『AirTagがストーカーに悪用される可能性がある』との指摘を受けながらも販売を継続している」と主張しています。一方でAppleは「AirTagを業界初の安全対策を用いて設計しました。そのため誤った使い方にAirTagが使用された場合でもAppleの責任が問われるべきではありません」と反論しています。

チャブリア判事は「カリフォルニア州法には、ストーカーがAirTagを犯罪に悪用する能力を低下させるためのAppleへの努力義務の記載が含まれていなかったことは事実かも知れませんが、その判断を現段階で下すことはできません」と述べ、原告の訴訟を認めました。


なお、Appleの広報担当者は今回の判断についてコメントを残していません。

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in ハードウェア, Posted by log1r_ut

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