AMDがゲームちらつき低減技術「FreeSync」の認証条件を144Hz以上に引き上げ60Hzのモニターが対象外に
AMDはゲームプレイ時のモニターのチラつきを低減する技術「FreeSync」を開発しており、FreeSyncに対応したモニターへFreeSync認証を与えています。このFreeSyncについて、認証条件を引き上げていたことが明らかになりました。
Evolution of Gaming and AMD FreeSync™ Technology - AMD Community
https://community.amd.com/t5/gaming/evolution-of-gaming-and-amd-freesync-technology/ba-p/670546
「GPUが1秒間に画面を出力する回数(フレームレート)」が「モニターが1秒間に画面を描画する回数(リフレッシュレート)」を下回ると、「画面を描画しなおすタイミングが来たのに、GPUからの出力が間に合っていないため前回と同じフレームを表示するしかない」という状況が発生し、画面の表示がチラつくことがあります。FreeSyncはフレームレートに合わせてリフレッシュレートを調整する技術で、GPUでの処理が遅くなりがちな高負荷なゲームでもチラつきを抑えてプレイすることができます。
FreeSyncの効果を示すイメージ画像が以下。FreeSyncがオフの場合、フレームレートがリフレッシュレートを下回ると以下のように画面表示がズレることがあります。このズレが、プレイヤーには一瞬のチラつきとして認識されます。
FreeSyncが有効になっていれば、フレームレートが下がる場面でもチラつきを抑えることが可能です。
FreeSyncに対応したモニターはAMDからFreeSync認証を受けることができます。2015年にFreeSyncが登場してからしばらくの間はリフレッシュレートが60HzのモニターでもFreeSync認証を受けることができていたのですが、AMDは「FreeSyncが登場した2015年当時は60Hzがゲームとって最適なリフレッシュレートとされていた」「2015年当時は120Hzモニターすら珍しい存在だったが、現時点ではゲーミングモニターの大半は144Hz以上のリフレッシュレートを実現している」といった理由から2023年9月にFreeSyncの認証条件を引き上げていたことを明らかにしました。
2023年9月から適用されているモニターおよびテレビのFreeSync認証条件は以下の通り。水平解像度3440ピクセル未満のモニターがFreeSync認証を受けるには144Hz以上のリフレッシュレートを確保する必要があります。また、水平解像度3440ピクセル以上のモニターはFreeSyncではなくFreeSync Premiumの認証対象となり、認証を受けるには120Hz以上のリフレッシュレートを備える必要があります。
認証の種類 | 認証条件 |
---|---|
FreeSync | 水平解像度:3440ピクセル未満 リフレッシュレートレート:144Hz以上 |
FreeSync Premium | 水平解像度:3440ピクセル未満 リフレッシュレートレート:200z以上 水平解像度:3440ピクセル以上 リフレッシュレートレート:120Hz以上 |
FreeSync Premium Pro | FreeSync Premiumの条件を満たしつつFreeSync HDR に対応 |
一方で、ノートPC向けFreeSyncの認証条件は変更されておらず、以下の条件で引き続き運用されます。
認証の種類 | 認証条件 |
---|---|
FreeSync | リフレッシュレート:40Hz~60Hz |
FreeSync Premium | リフレッシュレート:120Hz以上 |
FreeSync Premium Pro | FreeSync Premiumの条件を満たしつつFreeSync HDR に対応 |
なお、FreeSync認証条件の引き上げ後も、既存の認証取得済みモニターは引き続きサポートされています。
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