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今すぐやるべき「ディスプレイの設定」と「4K以上の高解像度ディスプレイ」に買い替えたほうがいい理由


ハイエンドなグラフィックボードだけでなく、1万円以下のローエンドグラフィックボード「Radeon RX 550」も4K出力をサポートするなど、高解像度なディスプレイ環境はますます構築しやすくなっています。プログラマーのNikita Prokopov氏は、「今こそモニターをアップグレードする時だ」と、低解像度なモニターを使っている人に対し、高解像度モニターへの買い替えをすすめています。

Time to upgrade your monitor @ tonsky.me
https://tonsky.me/blog/monitors/

Prokopov氏はプログラマーであるため、「きれいに文字を表示する」ことに特化したモニター環境の最適化を行っており、正確な色表現や色域はあまり気にしていないとのこと。Prokopov氏がTwitterでアンケートを行ったところ、およそ43%の回答者が150dpi以下のモニターを使用していることが判明しました。「低解像度ディスプレイの時代は終わりました、高解像度ディスプレイは今や当たり前です」とProkopov氏はコメント。

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— Niki Tonsky (@nikitonsky)


◆フォントヒンティング
Prokopov氏はプログラマー用に開発された等幅フォント「Consolas」を低解像度と高解像度で表示し、その見え方を比較しています。14ピクセルの解像度で「Bug」という文字を表示するとこんな感じ。どれだけフォントのデザインが優秀でも、文字部分が数ピクセルでは何も表すことができません。


対してこれが168ピクセルで表示した「g」。当然ですがくっきりと表示されています。


Windowsではこうした問題に対処するため、強力なフォントヒンティングが行われているとのこと。macOSで表示した左側の文字よりも、Windowsで表示した右側の文字の方が読みやすく感じます。


ただし、フォントヒンティングでも文字の見え方が「ましになる」だけで「いい」わけではないとProkopov氏。フォントヒンティングによって文字の形が崩れてしまうことがあるといった問題も指摘されています。


また、フォントヒンティングでは少し文字を表示するピクセルがずれるだけで、表示が大きく異なってしまうとのこと。Prokopov氏は「#」を例に取り上げています。


水平な横棒を少し下にずらすと、とたんに文字が不鮮明になってしまいました。


ディスプレイのピクセルは垂直に並ぶ三色のサブピクセルで構成されているので、サブピクセルごとに表示を変えれば、実質的に水平方向の解像度を3倍にできるとProkopov氏。


しかし、ピクセルは3色の組み合わせによって色を表現するので、この方法では文字がカラフルに表示されてしまいます。


この問題を解決するには、各サブピクセルの色を黒から逸脱させる妥協が必要とのこと。


これによって読みやすさは向上しましたが、黒で表示したい文字が青緑とオレンジがかってしまっています。こうしたトリックは低解像度のディスプレイには必須ですが、優れたディスプレイがなかった時代の妥協点でもあるとProkopov氏は語っています。


◆MacBookシリーズでのディスプレイ設定
Prokopov氏はRetinaディスプレイを搭載するMacBookシリーズで2つの「必ずやるべきこと」を列挙。1つ目は「Use font smoothing when available(使用可能な場合は滑らかな文字を使用)」の設定を「オフ」にすることです。


この機能はサブピクセルアンチエイリアシングを有効にするものでしたが、2018年にAppleはmacOSからサブピクセルアンチエイリアシング機能を削除しているとのこと。現在は設定をオンにしても文字が少し太くなるだけであり、フォントの形を崩すだけだとProkopov氏は指摘しています。


また、Prokopov氏は2つ目の設定として「整数倍の拡大」を行うようにすべきと指摘。例えば、15インチのMacbook Pro Retina 2012年モデルは2880×1800の解像度を持つスクリーンを搭載していますが、macOSが対応している論理的なスケーリング解像度は1920x1200であり、整数ではない倍率で拡大を行っているとのこと。画像の左側はOSのUIが持つ解像度、右側はディスプレイの解像度を表しています。


整数倍によるピクセルの拡大が行われていないことにより、UI側での1ピクセルをディスプレイ側の1ピクセルと対応させることができない場合があるとProkopov氏。


こうした整数倍ではない拡大により、ウィンドウの表示位置によってUIがぼやけるといった問題が生じるとのこと。Prokopov氏はこの設定がデフォルトであることを問題視しています。


こうした問題はディスプレイの設定で「Scaled(変更)」を選択し、ディスプレイの解像度に対して整数倍の解像度を選択することで解決できるとのこと。「Display Menu」といったサードパーティーのアプリを使うことでも設定できます。


Windowsには「ClearType」というアンチエイリアシング機能が搭載されていますが、すべてのソフトで機能をオフにできる統合的なUIがなく、オフにしても見た目がひどくなるため、オンのままにしておくのがいいとのこと。


◆ディスプレイ選定
ディスプレイ選びのポイントとして「5Kや6K、最低でも4K以上の解像度」「整数倍のスケーリングを行う」ことが大切だとProkopov氏。4Kモニターで2倍のスケーリングを行えば、表示できる範囲という観点では1080pと同じですが、にじみのないUIや文字を表示することができます。


また、Prokopov氏が「かつて世界は『高解像度ディスプレイ』と『高リフレッシュレートディスプレイ』の2つの陣営に分かれていました」と語っているように、ディスプレイ選びにおいてリフレッシュレートも重要な要素です。リフレッシュレートが120Hzの4Kディスプレイは、ゲーマーからもクリエイターからもあまり需要がなかったそうですが、Prokopov氏は「120Hzの4Kモニターという選択肢もある」とコメントしており、この発見こそが今回の記事を書く動機になったと語っています。

120Hzのリフレッシュレートに対応したディスプレイを使うことにより、アニメーションやスクロールがスムーズになり、1つのディスプレイでゲームも仕事もこなせるようになるとのこと。モニターの更新間隔は30Hzの場合は32ミリ秒、60Hzの場合は16ミリ秒、120Hzの場合は8ミリ秒なので、30Hzから60Hzへの更新による16ミリ秒の短縮よりも、60Hzから120Hzへの更新による8ミリ秒の短縮の方が影響が少ないものの、60Hzから120Hzへのアップグレードも差を実感できたとProkopov氏は語っています。


最終的にProkopov氏がオススメするディスプレイが下記。

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なお、現在Prokopov氏が使用しているのは「Acer Nitro XV273K」とのこと。

Amazon | Acer Nitro XV273K Pbmiipphzx 27" UHD 3840 x 2160 IPS AMD Radeon FreeSync and NVIDIA G-SYNC Compatible Monitor, DisplayHDR400, Quantum Dot, 144Hz, 1ms, DCI-P3, Delta E1 | Acer | パソコン・周辺機器 通販


また、「すべての人間には夢が必要だ」として、記事作成時点で唯一市販されている8Kモニター「Dell UP3218K」もリストアップされていました。

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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