ローマ教皇がウクライナ戦争について「交渉は恥ではない」と和平交渉を呼びかけ
ローマ教皇フランシスコがスイスの公共放送RTSの取材に応じ、ロシアとウクライナの間の戦争やガザ地区で繰り広げられているイスラエルとハマスとの戦争についての考えを述べました。この中で教皇はウクライナ戦争の当事者国に向けて「交渉は降伏ではありません」「事態悪化の前に交渉することは恥ではありません」と、停戦に向けた和平交渉を行うよう呼びかけました。
‘Pope asks for the courage to negotiate for Ukraine’ - Vatican News
https://www.vaticannews.va/en/pope/news/2024-03/pope-francis-ukraine-interview-rts-holy-see-response.html
Pope on war in Ukraine: 'Do not be ashamed to negotiate' - Vatican News
https://www.vaticannews.va/en/pope/news/2024-03/pope-francis-swiss-tv-interview-gaza-ukraine-wars.html
教皇庁によると、フランシスコ教皇は毎晩19時に、ガザ地区で600人が避難している聖家族教区教会に電話をかけて話を聞いているとのこと。
戦争を「恐ろしいもの」と表現した教皇は、「いかなる戦争においても、双方が常に和平交渉のテーブルに着くべき」と述べ、「交渉は決して降伏ではありません」「国を自殺に追い込まない勇気です」と付け加えました。
そして、ウクライナ戦争の当事者国であるウクライナとロシアに向けて「負けた、うまくいかないと思ったときには、交渉する勇気を持つことが大切です。恥ずかしいと思うかもしれませんが、何人死ねば終わるのでしょうか?期限内に、仲介してくれる国を探して交渉してください。こんにち、ウクライナ戦争においては調停を望む国がたくさんあります。トルコやその他の国が名乗り出ています。事態が悪化する前に交渉することを恥じてはいけません」と呼びかけました。
このほか、教皇は「戦争は常に敗北です。地理的な敗北ではなく、人類の敗北です」とも言及。
さらに戦争が生まれうる地理的状況・歴史的状況が常に存在していると認めた上で、「戦争は実際的な動機に基づいて引き起こされているように見えますが、あらゆる戦争の背後に軍需産業がいます、つまりお金の問題です。戦争は闇です。闇の力です」と語りました。
当該インタビューは2024年2月上旬に収録されたもので、テレビでの放送は2024年3月20日の予定だとのことです。
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