レビュー

整頓力で武器のシナジーを効かせて勝ち抜く快感が癖になるオートバトル系対戦ゲーム「バックパック・バトル」レビュー


「バイオハザード」シリーズのアタッシュケースや「Backpack Hero」のバックパックといったインベントリ管理システムを主軸に、特定の位置関係でバックパックに入れたアイテムがシナジーを発揮するパズル要素や、一緒に使った武器が合成できるクラフト要素、ローグライクなデッキビルディング要素をこれでもかと盛り込み、簡単操作に底知れぬ奥深さを凝縮させたオートバトラー「バックパック・バトル」が、2024年3月8日(金)にローンチされました。無料プレイ可能なデモ版がリリースされて以来、その中毒性と完成度でウィッシュリスト登録者50万人を達成した話題作が、新規実装キャラや新アイテムをひっさげてアーリーアクセス版としてリリースされたので、さっそくプレイしてみました。

Steam:バックパック・バトル
https://store.steampowered.com/app/2427700/


・目次
◆1:バックパック・バトルの戦闘の流れ
◆2:放置バトルを魅力的にするクラフト要素
◆3:アイテムを連携させまくって戦いを有利に
◆4:まとめ

◆1:バックパック・バトルの戦闘の流れ
バックパック・バトルの起動画面はクラス、つまりプレイするキャラクターのセレクト画面を兼ねています。デフォルトのクラスはオーソドックスな性能と猫耳がポイントの「レンジャー」です。


「クラス切り替え」をクリックすると、次のキャラクターが選べます。


アーリーアクセス版の時点で実装さているクラスは4つで、2つ目は毒と魔法を駆使した戦法が得意な「リーパー」です。「レンジャー」と「リーパー」はデモ版でも使えるクラスでした。


アーリーアクセス版から追加された3つ目のクラスは、狂戦士と鍛冶屋を兼職したような「バーサーカー」。


最後は、火の力で自分を強化できる「パイロマンサー」です。


まずは、レンジャーで遊んでいきます。ゲームモードは、どのくらいプレイしているかでランク分けされた相手と戦う「ランクモード」と、ランクのない「ランクなしモード」があります。今回は「新規ランクモードはじめから」を選んでみました。


以下のムービーを再生すると、ゲーム開始から最初の戦闘までの流れを見ることができます。

シンプルかつ奥深いオートバトラー「バックパック・バトル」の放置バトルはこんな感じ - YouTube


ゲームを始めると、ショップでの買い物の画面になります。


まずは、セールで半額になっていた武器「フライパン」を購入してみました。購入するには、ショップからバックパックにドラッグするだけでOK。このゲームでは、アイテムは買値の半額で売却できますが、セール品は元から半額で買値と売値が同じです。そのため、セール品を見かけたらひとまず買っておいて損はありません。


さらに、ニンニクを購入。武器やアイテムは、ドラッグ中にマウスホイールか右クリックの操作で回転させることができます。そのほか、矢印キーでバックパック全体を動かしたり、ドラッグ操作で出てくる四角形で囲むことでその部分だけをまとめて動かしたりもできます。


「もっと見る」と表示されたヒモを引っ張ると品ぞろえが更新されます。


武器やアイテムの性能はマウスオーバーで確認できます。例えば、フライパンはダメージが3~4で平均して1秒に1.6ダメージ与えられます。また、1回の攻撃で消費するスタミナ、命中率、攻撃する頻度であるクールダウンも設定されています。


また、武器やアイテムの中には特定の位置関係でバックパックに入れると効果が変わるものもあります。これについては後で詳しく見ていきます。


納得いくまで買い込んだので、「スタート」をクリックして戦闘開始。なお、このゲームは対戦ゲームですがリアルタイム制ではないので、買い物やバックパックの整理にいくら時間をかけても相手を待たせるようなことはありません。


戦闘はオートバトルなので、テンポよく武器やアイテムが発動するのを眺めているだけで戦いが進んでいきます。


緒戦を勝ち抜いたので、「勝利回数」が1つ増えました。今回は勝ちましたが、負けるとその下の「トライ残数」が減り、すべての残数を使い果たすとゲームオーバーです。画面をクリックすると次に進みます。


ショップに戻ってきて1ラウンドが終了。ラウンドをこなしたことで報酬のゴールドがもらえて、体力もアップしました。こうしてショップでの準備と戦闘を繰り返していくのが、このゲームの基本的な流れです。


順調に戦闘と買い物を続けて、10回目の勝利を獲得しました。この時点で今回のプレイを終えてその分のポイントを得るか、さらに戦い続けるかを選べます。これ以上強くなれなさそうだったので、ここでは撤退を選択することにします。


戦績としてランクポイントとトロフィーを獲得。


最初の画面に戻ってきましたが、ランクとトロフィーが増えているのがわかります。この調子でランクが上がるとさらに強い人とマッチングしていきます。また、トロフィーは後述するキャラクターの外見を変えるスキン要素に使います。


◆2:放置バトルを魅力的にするクラフト要素
レンジャーのクラスで一通りプレイしたので、続けて新しく実装されたクラスを使いつつ、このゲームを奥深いものにしているクラフト要素の「合成」を見ていきます。

以下のムービーでは、合成が得意な新クラスのバーサーカーで遊ぶとどんな感じなのかがまとめられています。

「バックパック・バトル」で武器を合成しまくってみた - YouTube


このゲームにおけるクラスごとの主な違いは、固有アイテムです。固有アイテムは左下のクラス名にマウスオーバーすることで確認できます。


例えば、バーサーカーの固有アイテムで、最初から持っている初期装備でもある青色の「ダッフルバッグ」は、バーサーカーのHPが半分になると「バーサク状態」になってパワーアップする効果を持ちます。


そして、バーサーカーに限らずこのゲームで特に重要な要素の1つが、合成です。以下では、「ホウキ」という武器と「フライパン」を隣接させてみたところ、「シャベル」と表示されました。これは、ホウキとフライパンを合成させるとシャベルが作れることを意味しています。また、合成が可能な武器やアイテム同士は黄色の線で結ばれるので、これがヒントになります。


合成するには、合成が可能な状態で1回戦闘をこなさなければなりません。今回は、バーサーカーのバーサクが発動し、黄色のオーラをまとった状態で無事勝利しました。なお、負けても合成は可能です。


戦闘を終えてショップに戻ってみると、ホウキとフライパンが光りながら融合しました。


そして、より強力なシャベルになりました。これが合成です。


合成は武器だけでなくアイテム同士でも可能。今回は攻撃を防御する「木の盾」と、近接武器で攻撃してきた相手にダメージを負わせる「セイウチの牙」を組み合わせて戦ってみます。


すると、木の盾とセイウチの牙の効果を併せ持った「トゲの盾」が合成できました。


合成は、必ずしも2つの武器やアイテムを融合させるものだけではありません。今度は、「革の鎧(よろい)」とバーサーカーが最初から持っている固有アイテムの「鍛冶屋のハンマー」を隣接させます。


すると、ハンマーを失うことなく鎧が「竜鱗の鎧」に強化されました。革の鎧は、スタック数の分だけダメージを防ぐシールドが45があるアイテムですが、竜鱗の鎧はバーサク発動時に40のシールドを得ると同時にダメージを15%減らし、バーサク中のタフネスを向上させるので、よりバーサーカー向けのアイテムです。このように、合成はさまざまな形で武器やアイテムを強化できる重要な要素ですが、鍛冶屋のハンマーを持つバーサーカーは特に合成が得意なクラスと言えます。


合成を繰り返しつつ10戦目に突入。双方ともにバックパックの中身が多くなってきて、いつどんな効果が発動しているのかわかりにくくなってきました。そんな場合は、「ログを開く」をクリックすると、戦闘中に何が起きたのかを確認することができます。


ログを見ると、1秒の中に激しい攻防があることがわかります。


どんどん勝ち抜けそうな感じがしたので、今回はサバイバルモードを選択。


最後の戦いはこんな感じになりました。


◆3:アイテムを連携させまくって戦いを有利に
続いて、2つ目の新規クラスである「パイロマンサー」を使いつつ、このゲームのもう1つの重要な要素であるアイテム同士の連携を見ていきます。

「バックパック・バトル」の追加キャラ・パイロマンサーのアツいバトル - YouTube


パイロマンサーが最初から持っている固有アイテムの「たき火台」は、ラウンド開始時に「フレイム」を生成しつつ、フレイムを含む火炎タイプのアイテム1つごとに体力を増やす効果を持っています。


また、たき火台から作られるフレイムは、アイテムの使用速度を上昇させる「ヒート」という効果を付与します。つまり、どんどんフレイムを生成させてたき火台に設置することで、体力を上昇させつつすさまじい速度で攻撃できるようになるわけです。


また、アイテムを連携させる上ではバックパックの中での位置関係も重要です。例えば、この「ヒートスピア」という武器は、穂先にある火炎タイプのアイテムの数だけシールドを破壊する効果を持ちます。そこで、ヒートスピアを横倒しにして、その先に火炎タイプのアイテムを置くことで、1回の攻撃で合計25~29のダメージをシールドに与えることができるようになりました。位置関係で効果を発揮するアイテムは、「☆」のマークで表されています。


火炎タイプのアイテムを持てば持つほど強くなる特徴を生かして戦闘を繰り返し、最終戦にたどり着きました。偶然にも、相手もパイロマンサーです。


相手を後一撃のところまで追い詰めました。


しかし、「フェニックス」というアイテムで体力を大きく回復されてしまいました。


こちらもフェニックスを持っていましたが、ヒートが少なかったので回復量が相手よりも少なかったようです。


逆転された戦況をもう一度覆すことができず、パイロマンサー同士の最終決戦は黒星で終わりました。このように、バックパック・バトルは相手のビルドからヒントを得ることができるのも面白い点のひとつです。


負けはしましたが、それまではほとんど勝っていたので、サバイバルモード自体はクリアできました。トロフィーも111個たまっています。


たまったトロフィーは、キャラクターの外見を変えるのに使えます。使用するには、まず「クローゼットを開く」をクリックします。


今回は、パイロマンサーの髪型を変えてみることにします。


特に性能が変わるわけではありませんが、キャラクターの見た目を自分好みにカスタマイズすると、やる気にも違いが出てきます。


ゲーム中に登場するアイテムは、赤枠で囲われた「アイテム」から確認できます。


こんな感じ。


「レシピ」からはこれまで合成したことがある組み合わせを見ることができます。


レシピはショップでの買い物中にも確認できるので、購入するアイテム選びのヒントになります。


◆4:まとめ
バックパック・バトルは、マウスの左クリックと右クリックだけで操作できるシンプルさながら、さまざまなアイテムを合成させたり、強力なシナジーを効かせて戦闘を有利に進められるので、プレイするたびに新しい発見がある奥深さがあります。

持っているアイテムが少ない内は単調な殴り合いに終始することが多いですが、画面上部のバーで倍速にできるので、テンポよくゲームが進んでいきます。そのおかげで、どんな配置や組み合わせがいいかの試行錯誤を繰り返すうちにあっという間に時間が過ぎているような中毒性のあるゲームとなっていました。


なお、バックパック・バトルは毎週のようにアップデートが行われており、少なくともアーリーアクセスを抜けるまではアイテムの性能などのゲームバランスが大きく変わる可能性があるため、この記事に書かれている内容はあくまで記事作成時点でのものだという点に注意が必要です。ストアページの案内によると、正式版がリリースされる際には、さらに新キャラクターが実装されるとのことです。


2024年3月8日(金)にSteamでリリースされた「バックパック・バトル」の価格は税込1700円で、3月22日(金)までは早期アクセス版キャンペーンとして10%OFFの税込1530円で購入可能です。また、GIGAZINEで過去にレビューしたことがあるSlay the SpireBrotatoとセットで購入すると最大69%引きになるバンドルもあります。

無料で遊べるデモ版もあるので、1000円を超える価格設定が気になる人は、まずそちらからチェックしてみるのがオススメです。

Steam:バックパック・バトル
https://store.steampowered.com/app/2427700/

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in レビュー,   動画,   ゲーム, Posted by log1l_ks

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