AI

AI音楽生成サービス「Suno」がYouTubeやDeezerから数百万曲をスクレイピングしていたことが流出したソースコードから判明


AI音楽生成サービス「Suno」から流出したとされるソースコードにより、SunoがYouTube MusicやDeezer、Geniusなどから数百万件の楽曲や歌詞を収集し、AIモデルの学習データを構築していた具体的な手法が明らかになりました。コードには、対象となるサービス名や収集済みデータの規模に加え、YouTubeから音声を取得するために外部のプロキシサービスを利用していた形跡も残されていました。

Hack Reveals Suno AI Music Generator Scraped YouTube, Deezer, and Genius
https://www.404media.co/hack-reveals-suno-ai-music-generator-scraped-youtube-deezer-and-genius/


Suno AI music generator reportedly hacked, source code allegedly reveals data scraping | brief | SC Media
https://www.scworld.com/brief/suno-ai-music-generator-hacked-source-code-reveals-alleged-data-scraping

Suno snatched millions of songs from YouTube, Genius, and Deezer | The Verge
https://www.theverge.com/ai-artificial-intelligence/966072/suno-ai-music-training-scraping-youtube-hack

Sunoは、文章による指示や歌詞を入力するだけで歌声や伴奏を含む楽曲を生成できるAIサービスです。一方、学習に使ったデータセットの詳細をほとんど明らかにしておらず、著作権で保護された大量の楽曲を無断で利用したとして、全米レコード協会などから訴訟を起こされたこともあります。

音楽生成AIサービス「Suno」と「Udio」をソニー&ワーナー&ユニバーサルなどの音楽大手各社が著作権侵害で訴える - GIGAZINE


今回の情報は、Sunoへの不正アクセスに成功した「ellie.191」を名乗るハッカーが、入手したデータをテクノロジー系メディアの404 Mediaに提供したことで明らかになりました。ハッカーによると、侵入は「Shai-Hulud」というワームを使って従業員1名にサプライチェーン攻撃を仕掛け、GitHubやクラウドサービスの認証情報を窃取する形で行われたとのこと。

流出資料には2023年と2024年のものとみられるソースコードが含まれ、YouTube Music、Deezer、Genius、Pond5、Jamendo、Freesound、国際楽譜ライブラリープロジェクトなどからデータを取得する処理が記されていました。


コードを見る限り、Sunoは各サービス上の音源や歌詞を自動的に取得し、音楽ではないデータを除外した上で、学習用データセットにまとめていたとみられます。「youtube_music」というファイルには、最終更新時点でYouTube Musicから201万3545件の音楽クリップを取り込んだとの記録がありました

YouTubeからの収集では、ウェブスクレイピング向けのプロキシやインフラを提供するBright Dataを利用していた形跡も確認されています。プロキシを経由すると、接続元のIPアドレスを切り替えながら大量のアクセスを送れるため、アクセス制限を避けながら自動収集を続けやすくなります。


さらに、コードにはYouTube上で楽曲のアカペラ版を検索する処理もありました。完成済みの楽曲だけでなく、伴奏を含まないボーカルのみの音源も集め、歌声のデータを学習に利用しようとしていた可能性があります。

流出した別のファイルによると、Sunoが構築したデータセットにはYouTube Music由来の音源が11万3879時間、Deezer由来の音源が1万2287時間、Genius関連のデータが1万7615時間含まれていました。このほか、Pond5から6万2117時間、Jamendoから3726時間、国際楽譜ライブラリープロジェクトから1万9514時間分が収集されていたとされています。


「ytm_tagged」と呼ばれる別のYouTube Music関連データセットは15万2162時間に達していました。ただし、各データセットには重複が含まれる可能性があるため、これらを単純に合計した数字が実際の学習量を示すとは限りません。

Sunoは音楽配信サービスだけでなく、ポッドキャストも大規模に収集しようとしていました。コードによると、PodcastIndexを使って30分以上のエピソードを5本以上公開している約42万番組を特定し、合計約100万時間分の音声をダウンロードする計画だったとされています。

全米レコード協会は訴訟で、SunoがYouTubeの複製防止措置を回避し、配信音声をファイルとして保存する「ストリームリッピング」を行ったと主張しています。今回流出したコードは、少なくともYouTubeから大量の音声を直接取得していたという主張を裏付ける内容となっています。

これに対しSunoは、同社のAIモデルはオープンなインターネット上でアクセスできる音楽ファイルと関連メタデータを使って学習したと説明しています。過去の裁判資料でも、パスワードや有料の壁などを守りつつ、公開状態にある妥当な品質の音楽ファイルをほぼ網羅的に収集したと認めた上で、著作物をAIの学習に使う行為はフェアユースに当たると主張していたとのこと。

なお、不正アクセスではソースコードに加え、利用者のメールアドレスや電話番号、Stripeに関連する決済情報も取得されたと報じられました。Sunoは2025年11月に限定的なセキュリティインシデントを把握して短期間で封じ込めたと説明しており、「流出したのは現在使用していない古いコードが中心で、機密性の高い個人情報は侵害されておらず、そもそもSunoは顧客のクレジットカード番号全体にはアクセスできない」としています。

なお、一部の顧客は404 Mediaに対し、Sunoから侵害の通知を受けていなかったと証言しています。Sunoは、判明した顧客情報の限定的な性質を踏まえ、個別の通知は関連法上不要と判断したと説明しました。

・関連記事
何千万もの楽曲がAIのトレーニングに利用可能なデータセットとして配布されておりAI生成楽曲の肥やしになっているとの指摘 - GIGAZINE

AIをトレーニングするための音楽の使用は「フェアユース」に当たるとAIスタートアップのSunoとUdioが主張 - GIGAZINE

ワーナーが音楽生成AI「Suno」と和解して提携することを発表 - GIGAZINE

トランプ大統領が「AI企業がトレーニングに使った著作権のある全コンテンツに料金を支払うのは現実的ではない」と主張 - GIGAZINE

ソニー&ワーナー&ユニバーサルが音楽生成AI企業「Suno」「Udio」からライセンス料徴収で和解を検討か - GIGAZINE

in AI,   ネットサービス, Posted by log1i_yk

You can read the machine translated English article Leaked source code reveals that the AI m….