OpenAIによる「GPT」の商標登録が却下される
OpenAIが、「ChatGPT」や「GPT」の商標登録を申請したものの、アメリカ特許商標庁に却下されたことがわかりました。商標当局は、これらの言葉は単なるサービスの説明であるため、商標による保護に値しないとしています。
USPTO rejects OpenAI’s “GPT” trademark application - TechStartups
https://techstartups.com/2024/02/07/gpt-trademark-declined-uspto-rejects-openais-gpt-trademark-application/
No ‘GPT’ trademark for OpenAI | TechCrunch
https://techcrunch.com/2024/02/15/no-gpt-trademark-for-openai/
ChatGPTの爆発的な成功にあやかって、ThreatGPTやMedicalGPTなど「GPT」の名称を冠するサービスやアプリが続々と出現しています。これを受けて、OpenAIは「GPT」の商標登録を出願し、特別措置により審査プロセスを前倒しするよう請願していました。
そもそも、GPTは「Generative Pre-trained Transformer(事前トレーニングされた生成Transformer)」の略称で、Transformerは2017年にGoogleの研究者らが発表した深層学習モデルです。
OpenAIは、自社の「GPT」が広く認知されるとともに、特定のモデルと関連付けられることで独自性を獲得したと主張しましたが、当局は商標として必要な要件が満たされていないとして、OpenAIの申請を却下しました。
却下を通知する特許商標庁の文書には、「『GPT』は、出願人の商品やサービスの特徴、機能、特性を説明しているだけであるため、登録は拒否されます」と書かれています。
実は、OpenAIは2021年3月にも「GPT」の商標登録を出願していましたが、手続き上の不備により2022年5月に却下されていました。そして、OpenAIは2022年12月に手数料を支払って登録申請を再提出しましたが、今回特許商標庁は「最終拒絶理由通知書(FINAL OFFICE ACTION)」で改めて商標の登録を拒否しました。
ChatGPTが商標として認められなかった理由について、IT系ニュースサイトのTechCrunchは「ChatGPTはGPTタイプのAIモデルであり、これはOpenAIが創造した概念でもなければ、OpenAIだけが提供している概念でもありません。ですから、識別することはできても、商標登録の要件は満たしていないのです」と説明しました。
「最終拒絶理由通知書」は決定的な処分に見えますが、OpenAIは3カ月以内に決定の再審査請求を提出することができるほか、さらに追加料金を支払うことで回答期限を3カ月延長することも可能です。
当局への申請と並行して、OpenAIは独自にブランドを守るための動きを開始しています。例えば、OpenAIのブランドガイドラインには、「製品名にGPTブランドを使用することは許可していません」と記載されています。
また、ブランド保護会社・BrandShieldに依頼して「GPT」の名称を使うサービスに使用停止を求めており、「SiteGPT」というサービスを運営しているBhanu Teja氏は2023年5月のX(旧Twitter)への投稿で、BrandShieldからの連絡に言及して、「ブランド名を変更する必要があるかもしれません」と述べました。
Not again ????
— Bhanu Teja P ???? (@pbteja1998) May 4, 2023
Looks like I will have to rebrand https://t.co/QbPKIdGqOc to something else...
The strange thing is I did not even get this email from @OpenAI's official domain.
Just some random domain called brandshield... pic.twitter.com/TMLU4Z1QNW
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