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Y CombinatorのCEOがネットで政治家に吐いた暴言が原因で脅迫状や殺害予告が送られる事態に発展


Y Combinatorのギャリー・タンCEOが、サンフランシスコの政治家に対して「死ね」と稚拙な暴言を吐きました。これが原因で、サンフランシスコの政治家たちはタンCEO以外からも複数の脅迫状を受け取っていることが明らかになっています。

Garry Tan, tech CEO & donor, wishes death upon SF politicians
https://missionlocal.org/2024/01/garry-tan-death-wish-sf-supervisors/


SF supes receive threats in mail following CEO Garry Tan's tweets
https://missionlocal.org/2024/01/y-combinator-ceo-garry-tans-online-rant-spurs-threat-to-supe-police-reports/


More SF supervisors get threats after Y Combinator CEO's posts
https://missionlocal.org/2024/01/two-more-sf-supervisors-get-death-threats-referencing-y-combinator-ceos-posts/

2024年1月27日、Y CombinatorのCEOであり、アメリカ・サンフランシスコの穏健派政治家を支援していることでも知られるギャリー・タン氏が、40万人超のフォロワーを抱える自身のX(旧Twitter)アカウント上で、「クソみたいなペスキン、プレストン、ウォルトン、メルガー、ロネン、サファイ、チャンはくたばれ。もしもペスキン、プレストン、ウォルトン、メルガー、ロネン、サファイ、チャンらに賛同するならお前たちもゆっくり死ねよクソ野郎」と投稿しました。なお、記事作成時点で当該投稿は削除されています。


Xユーザーのひとりが「あなたは酔っているようです」と指摘したところ、タンCEOは「あなたの言う通り。俺たちの敵はみんなクソ野郎だ」と反応し、自身が酩酊状態にあることを認めていました。


タンCEOが暴言を吐いた7人は、カリフォルニア州サンフランシスコの監理委員会のメンバーです。アーロン・ペスキン氏はタンCEOの暴言について、「我々の社会において、特にハイテク企業の億万長者の発言として、このような暴言は容認されるべきではありません」「私たちがドナルド・トランプから学んだことは、暴力的な発言が私たちの社会の怒れる人々に恐ろしいほど大きな影響を与えるということです」と言及。ドナルド・トランプ元大統領の支持者がアメリカの連邦議会議事堂を襲撃した事件を例として、タンCEOの軽率な発言を批判しました。

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アーシャ・サファイ氏はタンCEOの発言を「衝撃的で恐ろしいものであり、軽視すべきではない」とコメント。ディーン・プレストン氏は、「有害で憎しみ深いものです」「私が立ち退きを止め、ホームレスに住居を与え、富裕層から税金を徴収していることが、タン氏の怒りを買ったようです」「タン氏をまじめな人として扱うのはやめるべきです」と発言しています。

他にも、ヒラリー・ローネン氏は「時間を無駄にしないでください」「彼のことは聞いたこともありません」と述べ、タンCEOの暴言についての言及を避けました。シャーマン・ウォルトン氏も、「彼の幸運を祈ります」とだけ述べています。一方、マーナ・メルガー氏は「私が何をしてこのリストに載ることになったのかわかりません」「私は彼に会ったことすらありません」と語りました。


タンCEOはテクノロジーベンチャーキャピタリストおよび創業者として長いキャリアを経て、2023年にY CombinatorのCEOに就任しました。同氏について、サンフランシスコの地元メディアであるMission Localは、「サンフランシスコの政界では短気で共演NGの人物が多いことで悪名高い人物」と評しています。実際、タンCEOはこれまで交流したことがない人も含め、何万人もの政治家やジャーナリスト、活動家などをX上でブロックしているそうです。

タンCEOはその後、「監理委員会には、昨夜遅くに投稿した私のコメントについて謝罪しました。このような言動や非難されるべき言葉には、それが許されるような場所も言い訳も理由もありません。私は自分の言葉について謝罪し、自分の誤った判断を反省しています。私はサンフランシスコを愛しています。コミュニティは私に責任を負わせ、サンフランシスコを活気に満ち、繁栄し、安全な場所にするという真の使命に集中し続けるでしょう」と謝罪しています。なお、タンCEOは過去に東海岸と西海岸のラッパー対立を招いたHit ’Em Up」の歌詞を引用したため、暴言になってしまったと説明しています。


タンCEOはサンフランシスコの穏健派の政治家に寄付を行っており、2022年には政治圧力団体であるGrowSFの政治活動委員会に5万ドル(約730万円)以上の寄付を行っています。他にも、元地方検事であるチェサ・ブーダン氏のリコールを求めるキャンペーンに少なくとも10万5000ドル(約1500万円)、教育委員会のリコールを求めるキャンペーンに少なくとも2万ドル(約290万円)の寄付を行いました。

タンCEOはサンフランシスコの進歩派を毛嫌いしており、過去には「大富豪や地主はギロチンにかけられるべき」と発言したサンフランシスコのコミュニティオーガナイザーであるジュリアン・ラ・ローザ氏について、「この発言は冗談ではありません。この男は本当に人々をギロチンで処刑したいと考えています」と発言していました。

タンCEOから暴言を吐かれた政治家たちが、タンCEOの暴言を引用した脅迫状を受け取っていることも明らかになっています。これを受け、ペスキン氏とチャン氏は警察に被害届を提出したことが報じられており、報道によるとメルガー氏とサファイ氏も警察に被害届を提出するつもりのようです。

警察に被害届を提出したチャン氏は、警察に対して「自身の有力な競合相手である穏健派の監理委員会メンバー候補であるマルジャン・フィルアワー氏とタンCEOが親密な関係にあること」や「フィルアワー氏のスタッフであるフォレスト・リュー氏が、公の場で二度にわたりチャン氏に対して身体的脅迫を行ったため訴訟を提起したこと」などと説明しています。

以下の写真はペスキン氏が受け取った脅迫状で、タンCEOの顔写真が印刷されており、「ギャリー・タンは正しい!あなたとあなたの愛する人たちにゆっくりと痛みを伴う死が訪れることを願っています」と書かれていたそうです。


以下はペスキン氏、プレストン氏、メルガー氏の3人が受け取った脅迫状。「ギャリー・タンは正しい!」と大きな文字で書かれており、タンCEOが投稿したポストのコピー画像がそのまま貼り付けられています。


メルガー氏が受け取った封筒には、タンCEOの顔写真が貼りつけられており、中には脅迫状が同封されていたそうです。


監理委員会のユダヤ人メンバーである5人(ペスキン氏、ロネン氏、メルガー氏、プレストン氏、ラファエル・マンデルマン氏)は、2023年10月に反ユダヤ主義者から脅迫状を受け取っており、それ以降、複数のメンバーが反ユダヤ主義的な内容の手紙やはがきを受け取っているそうです。

タンCEOがサンフランシスコの監理委員会のメンバーを脅迫に巻き込んだのは今回が初めてではありません。2023年10月にもタンCEOはペスキン氏を非難する投稿を行っており、これを受けてイーロン・マスク氏も「ペスキンを刑務所に」と投稿しています。なお、マスク氏はこれとは別に「プレストン氏を刑務所に入れるべき」といった発言を過去に2度にわたって投稿しています。

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in メモ, Posted by logu_ii

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