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「Google Chrome 121」安定版リリース、生成AIを使った支援機能が登場&AndroidデバイスでWebGPUが標準で有効化される


ウェブブラウザ「Google Chrome」の最新安定版であるバージョン121がリリースされました。「タブの自動整理」「独自のテーマ生成」「文章作成支援」という生成AIを使用した機能が3つ追加されたほか、AndroidデバイスにおいてWebGPUが標準で有効化されるなどのアップデートが行われています。

New in Chrome 121: CSS updates, improvements to the Speculation Rules API, and more! - YouTube


◆AI機能が追加される
Chrome 121では生成AIを使用した機能が3つ追加されました。「実験的な生成AI機能を導入し、ブラウジングをさらに簡単かつ効率的にするとともに、エクスペリエンスをユーザーに合わせてパーソナライズし続ける」とのこと。なお、リリースと同時に登場するわけではなく、リリースから数日後にアメリカ国内のユーザーから順次新機能を試すことが可能になっていく予定です。利用にはChromeにログインした上で設定から「実験用AI」を有効化する必要があると述べられています。

・AI機能1:タブをスマートに整理する
ブラウザで調べ物をしているといつの間にかタブをたくさん開いてしまいますが、タブを整理するのは面倒なもの。この機能を使用することでAIが自動でタブグループを提案し、類似したタブをまとめてくれます。旅行の計画、トピックの調査、ショッピングなど異なるタスクを同時に行っている場合に特に有効とのこと。


・AI機能2:独自のテーマを作成
テキストから画像への拡散モデルがChromeに導入され、ブラウザをさらにカスタマイズできるようになりました。選択した主題、雰囲気、ビジュアルスタイル、色に基づいてカスタムテーマをすばやく生成できます。


なお、Chrome 121で導入されたモデルはAndroid 14およびPixel 8に導入されている壁紙生成AIと同一とのことです。

・AI機能3:文章作成支援
レビューをしたり、メッセージを送信したり、何かの問い合わせをしたりする際に、文章の生成をAIが支援してくれます。ベースとなる単語や文章を入力後、そのテキストボックスを右クリックして「書き込みを手伝ってください(Help Me Write)」をクリックするだけでAIが文章を作成してくれる模様です。


◆AndroidデバイスにおいてWebGPUが標準で有効化される
QualcommおよびARMのGPUを搭載したAndroid 12以上のデバイスにおいて、WebGPUが標準で有効化されました。今後Android 11やその他のデバイスへも対応を広げていくとのことです。


そのほか、WindowsにおいてシェーダーのコンパイルにDirectXコンパイラーを使用するようになるなどのアップデートが行われています。

◆スクロールバーの色と幅を変更する
これまでも、::-webkit-scrollbarなどの疑似要素を使用してスクロールバーの見た目を変更可能でしたが、標準化されていないためブラウザごとに動作が異なったりサポートされていなかったりする問題がありました。Chrome 121からはウェブ標準のscrollbar-colorscrollbar-widthがサポートされ、ブラウザ間の互換性が向上しました。


font-paletteがアニメーション可能に
font-paletteをアニメーションさせることが可能になり、だんだんフォントの色が変化するようなデザインを行えるようになりました。


◆スペルミスや文法ミスの警告をカスタマイズ可能に
::spelling-error::grammar-error疑似要素を使用することで、スペルミスや文法ミスの警告をカスタマイズできるようになりました。


◆CSSのサポート状況に応じて読み込むCSSを変更可能に
@importを使用してCSSを読み込む際に、support()句を使用することでCSSのサポート状況に応じて読み込むCSSを変更することが可能になりました。

◆SVGのCSSマスキングが改善
「mask-mode」「mask-composite」「mask-position」「mask-repeat」などの新しいマスク方法をサポートしたほか、url関数で取得したsvgをマスクに使用することも可能となっています。

Speculation Rules APIをアップデート
Speculation Rules APIはサイトがChromeに事前レンダリングするべきページを指定することでページのナビゲーション時間を短縮し、ユーザー体験を向上させることができる機能です。Chrome 121では「eagerness」を指定することで事前レンダリングのタイミングを調整可能になったほか、従来はインラインでしか設定できなかったSpeculation RulesについてHTTP応答ヘッダーを使用して指定できるようになりました。


◆オリジントライアルにElement Capture APIが登場
リリース前の機能を実験できるオリジントライアルにElement Capture APIが登場しました。Element Capture APIを使用することで要素そのものを画面共有することが可能になります。

従来の画面キャプチャでは要素の上に別の要素が表示されると本来共有したかった要素が見えなくなるだけでなく、共有したくない内容が見えてしまう危険があります。


一方Element Capture APIを使用した要素キャプチャでは、共有している人の画面上でどんな表示が行われていても共有対象として設定した要素のみが配信されます。


また、Google Chrome 121には17件のセキュリティバグフィックスが含まれています。

なお、次期安定版の「Google Chrome 122」は現地時間の2024年2月20日にリリース予定です。

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