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Appleの「Vision Pro」海外レビューまとめ、「これまでのVR・AR・MRヘッドセットの中で群を抜いて最高」という評価も


2023年6月に発表され、アメリカでは2024年2月2日に発売されるApple初のARヘッドセット「Vision Pro」の事前レビューを、複数の海外メディアが公開しています。

Apple Vision Pro pre-reviews, this time with pictures! - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2024/01/16/apple-vision-pro-real-world-use/

アメリカでは複数メディアの記者たちがVision Proの試遊体験をこれまで12回にわたり実施しているそうです。Apple関連メディアの9to5Macによると、Vision ProはApple史上最も多く発売前に試遊されたAppleハードウェアであるとのこと。最新の体験会に参加したレビュアーたちはAppleから「Vision Proの写真を公開すること」を許可されたそうで、複数メディアが簡易的な着用レビューを公開しています。


The Vergeでは2人の記者がVision Proの試遊を体験したそうで、「Vision Proは謎に包まれたデバイスですが、30分ほど使ってみると想像以上に親しみやすいデバイスであることがわかりました」と記しています。

Apple Vision Pro hands-on, again, for the first time - The Verge
https://www.theverge.com/24040075/apple-vision-pro-hands-on-virtual-reality


Vision ProはiPhoneを使って着用者に適したライトシールを選びますが、この過程は「Appleの顔認証システムであるFace IDの設定によく似ていた」そうです。また、Vision Proの着用感はMetaのQuestシリーズや他のVRヘッドセットと「それほど変わらない」と語っています。

Vision Pro着用後は、視線追跡のために簡単なセットアップ(点を見て指でタップする)を実行。その後、visionOSによりアプリランチャーが起動するそうです。このアプリランチャーはMacのLaunchpadによく似ており、唯一の違いは「背景に周囲の環境が見えるようになっている点」です。

Vision Proの右上にはデジタルクラウンがあり、これはApple Watchユーザーには慣れ親しんだ構造となっています。このデジタルクラウンを使用するとホーム画面の中心を再調整したり、仮想環境に没頭したりすることが可能です。さらに、Vision Proの左側には空間写真や空間ビデオを撮影するためのボタンが配置されており、「Apple Watchのサイドボタンに似ている」とThe Vergeは記しています。

視線トラッキングは高速かつ正確で、メニュー項目やボタンを見るとすぐにそれが強調表示されるそうです。Apple TVアプリでは映画のタイトルがハイライト表示され、Safariではバーチャルキーボードが起動し「不格好ではあるものの」上手く機能するようになっているとのこと。バーチャルキーボードでは目の前に浮かぶキーを指でつまむように入力するそうです。The Vergeは「バーチャルキーボードでは目を動かして指でつまむのと同じくらいの速さで入力できるため、Siriでの音声入力の方がはるかに簡単ではある」と記しています。


The Vergeは「Vision Proの実現する仮想世界は、MetaのQuestの高解像度バージョンのように感じられる」としており、仮想環境で映画の予告編を見たり、高解像度の専用動画を再生するのは非常に素晴らしい経験であったそうです。

試遊体験ではAppleからあらかじめ「自前の空間ビデオ」を用意してほしいと依頼されていたそうですが、これらをVision Proで再生すると「見慣れたVRモーションのような不快感を感じた」とThe Vergeは記しています。なお、Appleはこの不快感を軽減するためにできる限りのことをしていると語ったそうです。

Vision Proの前面ディスプレイには着用者の目元が表示されるようになっており、これはEyeSightと呼ばれています。The Vergeの記者はEyeSightのデモを体験できたそうですが、目元は着用者独自のものに変更することはできなかった模様。ただし、EyeSightでは着用者がまばたきするとEyeSightに表示されるペルソナもまばたきする様子が確認できたそうです。着用者がVision Proでアプリを使用していると、注意が他のところにあることを示す「青みがかった光」が現れ、完全に仮想環境に没入すると「不透明な輝き」に変わり、着用者が外部情報を見ているのかいないのかなどが外部の人にも伝わるようになっています。

なお、The Vergeは「30分ほどの試遊でVision Proの重みが現実に引き戻してくれるのを感じました。眉間にしわを寄せて集中していたため、軽い頭痛もし始めていました。Vision Proを外すとすぐにその緊張は消えました」とも記しました。

Engadgetは「これまで利用したVR・AR・MRヘッドセットの中で間違いなく最高のもの」としています。

Apple Vision Pro hands-on, redux: Immersive Video, Disney+ app, floating keyboard and a little screaming
https://www.engadget.com/apple-vision-pro-hands-on-redux-immersive-video-disney-app-floating-keyboard-and-a-little-screaming-180006222.html


EngadgetのVision Proを試遊した記者のひとりは、「Vision Proには頭の後ろに固定するストラップが付属しており、最初はとても快適だろうと感じていました。しかし、体験を始めて15分ほどでVision Proの重みを感じ始め、5分後には痛みが生じました。公平を期すために言えば、もっと早くAppleに不快感を報告すべきだったし、代わりのストラップも用意されていたので交換すべきでした。しかし、時間が無駄になることを避けたかったので、不快感を伝えるのが遅れてしまいました」と、Vision Proの着用感について語っています。

空間オーディオで収録された180度の3D 8K映像である「Apple Immersive Video」について、Engadgetは「シャボン玉で遊んでいる母子の動画を見ました。確かに没入感を感じるものの、同時に疎外感も感じました。当然のことながら、動画の中の誰もあなたを見たり交流したりすることはありません。まるで自身は幽霊になったかのようです。『過去に撮影した娘の動画』を再生する数年後の自分を想像し、涙目になりました」と記しました。また、Apple TV+で配信されるApple Immersive Videoでは、あまりの臨場感に「物理的に体が後ずさりしてしまった」そうです。

Vision Proの試遊体験について、Engadgetは「目と手の追従システムは驚くほど正確で、インターフェースの操作方法はすぐに理解することができます。体験は衝撃的なものでしたが、Vision Proを装着して何時間も過ごしたいと思うかどうかはわかりません。また、このデバイスの3499ドル(約52万円)という価格も、私の予算を大きく超えています。しかし、私がこれまで体験してきたあらゆるVR・AR・MRヘッドセットの中で、Vision Proは群を抜いて最高のもので、間違いなく最も考え抜かれたデバイスでした」と記しています。


ウォール・ストリート・ジャーナルのシニアパーソナルテクノロジーコラムニストであるJoanna Stern氏は、「Vision Proの4回目のデモを体験したのですが、ついにAppleが着用した状態でVision Proの写真を撮影させてくれました。最初の3回のデモではすべてソロニットバンドを使い、顔にVision Proの重みを感じていました。今回はデュアルループバンドを試したのですが、見た目はそれほどエレガントではありませんが、間違いなくより快適になりました」とXに投稿し、使用するバンドを変更することで着用感が向上したと語っています。


テクノロジーブロガーのJohn Gruber氏は「今日、広範囲にわたるVision Proのデモがありました。何でも聞いてください」とThreadsに投稿し、いくつかの質問に回答しています。

投稿者: @gruber
Threadsで見る


なお、AppleはVision Proの発売と同時に利用できるアプリケーションを、現地時間の2024年1月16日に発表しています。

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in ハードウェア, Posted by logu_ii

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