メモ

数十年の時間と1億円以上を費やして世界最高のステレオシステムを作り上げた男「ケン・フリッツ」


音楽鑑賞の環境作りは凝り始めると、やめどころが難しいところ。オーディオマニアのケン・フリッツ氏はそこで一切妥協せず、最終的に100万ドル(約1億4600万円)以上のお金と約30年の時間を費やして、世界最高と評されるカスタムステレオシステムを作り上げました。

What Happened To "The World's Best Stereo System?" - Aftermath
https://aftermath.site/the-worlds-best-stereo-system-what-happened-ken-fritz


Ken Fritz built a $1 million stereo. The real cost was unfathomable. - Washington Post
https://www.washingtonpost.com/style/interactive/2024/ken-fritz-greatest-stereo-auction-cost/

Ken Fritz – 1942-2022 | Acoustics First BLOG
https://acousticsfirst.info/2022/08/18/ken-fritz-1942-2022/

フリッツ氏が作り上げたステレオシステムはカスタムスピーカー7基、高さ9フィート6インチ(約2.9m)のラインアレイスピーカー3基、重さ750ポンド(約340kg)のターンテーブルを備えた、合計3万5000Wのシステムです。

ラインアレイスピーカーは24基の中低音ドライバーと4基の平面スピーカー、40基のツイーターを備え、重さは1基で1400ポンド(約635kg)という大型のもの。


ターンテーブルは3つの自作モーターと3つの異なるカートリッジを備え、防振用部材は走査型電子顕微鏡で使われるものを導入しています。


作業中のフリッツ氏の姿。


フリッツ氏は一部のアイテムはオークションで購入しましたが、他は仲間に手伝ってもらいつつ手作りでシステムを作り上げました。部屋はすべてが調和するように家具も特注で、音楽鑑賞の足を引っ張るようなスペースは作らなかったとのこと。


フリッツ氏がどのようにステレオシステムを作り上げていったのかは、1時間弱のドキュメンタリー映像にまとめられています。

One Man's Dream - Ken Fritz Documentary about the world's best stereo system - YouTube


フリッツ氏はALSのため、晩年は手先の器用さが失われ、DIYができなくなりましたが、奥さんや子どもたちと一緒にゆっくりと音楽を聴くだけの時間を持つことになって幸せだと述べていました。


2022年8月にフリッツ氏が亡くなると、家族は音楽関連サイトのフォーラムに「『世界最高のステレオシステム』を売却するためのアドバイス募集」と投稿しました。これは、ステレオシステムを1つのものとして維持してくれる人に後を継いでほしいというフリッツ氏の遺志を実現するための動きでした。

Need advice on how to sell "The best stereo system in the world" | AVS Forum
https://www.avsforum.com/threads/need-advice-on-how-to-sell-the-best-stereo-system-in-the-world.3278371/


しかし、高さ3m弱で重さ600kg超のスピーカー3基など、搬出にも苦労するであろうシステムをそのまま引き継ぐことは難しく、結局、システムは分割されてオークションにかけられました。

#1719: *SOLD* Million Dollar Music System Auction: 1324 Hybla Rd: N. Chesterfield VA 23236 (Appraise Sell LLC)- eBIDLOCAL.com
https://auction.ebidlocal.com/Public/Auction/AuctionDetails?AuctionId=nO%2bfQuV%2bBDpy1qRq16wbKQ%3d%3d&pageNumber=pf6Q%2bhJtdeleDd9FfYpy9w%3d%3d&pagesize=O5OaPaZE1XrTjGtTQItkaw%3d%3d


メインのラインアレイスピーカーは21万6000ドル(約3150万円)の評価額がつけられ、オークションではそれぞれ1万100ドル(約150万円)で落札されました。また、フリッツ氏がすべてを手作りしたターンテーブルは5万2000ドル(約760万円)の評価額がつき、今回のオークションで最高の1万9750ドル(約290万円)で落札されました。このほか、KrellのアンプやJBLのカスタムスピーカーなどは、市価に近い価格で落札されています。

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in メモ,   動画, Posted by logc_nt

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