サイエンス

誘いを断ったときのマイナスの影響はそんなに大きくないことが調査により判明


遊びの誘いや飲み会の誘いなどをついつい断ってしまい、罪悪感を覚えたことがあるという人は少なくないはずです。誘いを断ることが相手にどんな印象を与えるのかを調べた研究により、人々が想像するほど悪い印象は与えていないことが明らかになりました。

Saying no: The negative ramifications from invitation declines are less severe than we think.
https://psycnet.apa.org/doiLanding?doi=10.1037%2Fpspi0000443

People exaggerate the consequences of saying no to invites | Ars Technica
https://arstechnica.com/science/2023/12/turning-down-holiday-invites-isnt-going-to-obliterate-your-social-life/

ウェストバージニア大学の心理学者であるジュリアン・ジヴィ助教授率いる研究者グループは、実験参加者を「誘う人」と「誘われる人」に分けて一連の実験を行いました。誘われる人には誘いを常に断るように指示し、断ったことで相手がどう思うかを想像するよう要求。誘う人には誘いを断られてどう思ったかを述べるよう指示しました。

最初の実験は、仮想の友人から博物館の展示会観覧に誘われたと想像し、その誘いを断るというものでした。誘われた人のほとんどは「誘った人が怒っているだろう」「失望しているだろう」「誘った人の気持ちを考えていないと思われるだろう」と想像し、誘った人との関係が悪化するだろうとさえ感じた人もいました。


しかし、誘う人は、誘われる人が想像するような悪いことは考えてはいませんでした。実験によると、誘う人は断られる時の状況を想像して誘うため、誘いを断られたとしてもそれを受け入れ、マイナスの影響を受けることはあまりないとのことです。

続いて誰かが誘いを断るシーンを実験者に評価してもらうなどの実験が行われましたが、やはり人々は誘う人の気持ちを過大評価することが多々ありました。この結果から、誘われる人は誘う人の気持ちを必要以上に考えてしまい、実は「誘う人も誘われる人の気持ちを考えている」ということを過小評価してしまう傾向にあることがわかっています。


ジヴィ氏らは「誘われる人は、誘いを断ることで相手を怒らせること、自分への信頼を失わせてしまうことなどを、やや大げさに心配しています」と指摘しつつ、「とはいえ、常に誘いを断ることをオススメするわけではありません。他人と一緒に時間を過ごすことで人生にとって重要な人間関係が生まれます。断ってばかりでは、良い結果よりも悪い結果をもたらすことが多いでしょう。ただ、たとえ誘いを断ったとしても、その影響は思っているほど悪くはないのかもしれません」と締めくくりました。


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in サイエンス, Posted by log1p_kr

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