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パンデミックの中で気分を向上させるには「過去ではなく未来に目を向けること」が重要だと判明


2020年は新型コロナウイルスのパンデミックにより世界中で数十億人もの人々が都市封鎖を経験しており、2021年になっても厳しい感染拡大防止策が実施される可能性があります。このような不確かな状況にうまく対処して気分をさせるには、「過去ではなく未来に目を向けた方がいい」との研究結果が報告されました。

Why living in the future, rather than the past, is key to coping with lockdowns – new research
https://theconversation.com/why-living-in-the-future-rather-than-the-past-is-key-to-coping-with-lockdowns-new-research-151623

パンデミック対策の都市封鎖は不確実性や恐れ、孤立を生み出すため、人々に大きなストレスを与えます。イギリスのサリー大学で健康心理学を研究するジェーン・オグデン教授は、気軽に外出できない時間は不安で退屈であり、未来を思い描くことができないため、多くの人々はかつて起きた出来事を思い返すことでパンデミックの不安に対処しがちだと指摘。

不安に対処するため過去に目を向ける人が多いのは驚くべきことではないとのこと。ポジティブ心理学の研究者らは以前、治療または日常のセルフケアに組み込んで幸福度を改善する方法として、「郷愁」「感謝」「可能な限り最高の自分」という3つの手段が存在すると考えました。自分の過去に目を向けるのは、この中の「郷愁」に当てはまります。

3つの手段はいずれも特定の時間方向を持っている点が特徴的です。「郷愁」はある出来事を思い出すことで過去への感傷的な憧れを伴い、「感謝」は今日の経験に感謝することで現在の自分に焦点を当てており、「可能な限り最高の自分」はこれから先の未来における最高の結果について考えます。オグデン氏らの研究チームはこの3つの方法のうち、パンデミックへの対処に最も有効なものはどれかを調べる研究を行いました。


研究チームはイギリスで最初に都市封鎖が行われた2020年3月~5月に261人の女性を募集し、3つの異なる時間の方向性が幸福度に与える影響について調査しました。被験者の年齢は18歳~63歳であり、研究チームは被験者に対して2分間のセッションで「郷愁」「感謝」「可能な限り最高の自分」について考えるように指示したとのこと。

被験者にはセッション終了後に自分のポジティブな感情とネガティブな感情、他者との社会的つながり、自尊心、人生の意味といった項目について評価してもらい、セッションを行わなかったグループと結果を比較しました。

すると、「可能な限り最高の自分」と「感謝」、つまり未来と現在について考えた被験者は、「郷愁」を通して過去に目を向けた被験者よりも社会的なつながりを強く感じたことが判明。また、未来について考えた被験者は過去について考えた被験者よりも前向きな気持ちが強いこともわかったそうです。


パンデミックのように不確かな状況では過去の思い出が懐かしく感じられるかもしれませんが、研究チームは「私たちの研究は、人々が素晴らしい過去と不確実な現在を比較すると、喪失感を覚えるかもしれないと示しています」と指摘。過去に目を向けるのではなく、現在に感謝したり未来に希望を持ったりすることがパンデミックへのよい対処法かもしれないと語りました。

人々が苦しい時によく言われることとして、「小さな幸せに感謝する」「人生の小さな物事に喜びを見いだす」といった現在の幸福に目を向ける言葉や、「これもまた過ぎ去るだろう」「トンネルの終わりに光がある」といった未来を指向する言葉があります。今回の調査結果は、こうした現在や未来の重要性を強調する言葉を裏付けるものといえます。

研究チームは「今を耐えれば夏までには終わる」といった希望を持てていた2020年前半の都市封鎖に比べ、11月以降に再度実施された都市封鎖は気候的にも精神的にも厳しいものであり、先が見えないと感じる人が多いと指摘。それでも、人々はワクチン接種が開始されたニュースなどで希望を持てているとして、厳しい状況でも「次は何をするべきだろうか」と未来に目を向けることが重要だと主張しました。

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in メモ, Posted by log1h_ik

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