会社から独立してソロのクリエイターになったら「働くモチベーション」をどうやって維持すればいいのか?
一念発起して会社から独立を果たして念願のフリーランスになったものの、会社に所属している時と違って仕事のリズムがつかみにくく、モチベーションの維持に苦労している人もいるはず。ソロのクリエイターとしてどのように「働くモチベーション」を維持したらいいのかについて、フリーランスのソフトウェア開発者であるハーマン・マルティヌスさんが自身のやり方を解説しています。
How I stay motivated as a solo-creator | ᕕ( ᐛ )ᕗ Herman's blog
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ソロのクリエイターは自分自身の生産性がそのまま収入に結びついていますが、一緒に仕事をする同僚の不在やメンタルの状態、そして「何もしない自由」によって仕事のモチベーションを維持するのが難しいことがあります。マルティヌスさんは、「雇用されることの利点の1つは、目が覚めた時に自分が何をやるべきかがわかるということです。あなたが仕事に行く、というのはすでに決定事項で、仕事を取り巻く構造や根本的な目的は他者によって設定されるので、あなたはそれを実現するだけでいいのです。仕事にはさまざまなものがありますが、一般的に従業員は職場に行き、指示を受け、生産的であることが求められます」と述べています。
しかし、ソロのクリエイターとして自分1人だけで完結する仕事をしている場合、それがソフトウェア開発者であろうとイラストレーターであろうと、事前に設定された「絶対にこれをやらなくてはならない」という目標はありません。そのため、たとえ1日くらい仕事をさぼったとしてもほとんど誰にも気づかれませんが、そういう日が続くといずれ物事にほころびが出始め、気づいた時にはこれまで築き上げてきたキャリアが崩れてしまう危険性があるとのこと。
マルティヌスさんはソロのクリエイターとして、以下の方法でモチベーションを維持していると説明しています。
◆自分が面白いと思えることに取り組むこと
マルティヌスさんの場合、製品開発の初期段階で「このプロジェクトがうまくいった場合、その後さらに数年間同じ仕事を続けたいだろうか?」と考えるとのこと。その答えが「はい」ならばプロジェクトを続けますが、「いいえ」であればどうせそのプロジェクトは成功しないだろうと考えているそうです。「これは私にとって最も重要なポイントであり、おそらく最も達成するのが難しいポイントです」とマルティヌスさんは述べました。
◆1日にルーチンを組み込むこと
組織の従業員であれば、その日のうちにどういうスケジュールで仕事を進めていくべきか、どういうタスクに優先順位が割り振られているのかが決まっています。しかし、ソロのクリエイターは自分自身で取り組むタスクを決めなくてはならず、納税申告書の作成やバグレポートの記述といった面倒な処理は後回しになりがちです。
そこでマルティヌスさんは1日のルーチンを決めて、それに従って生活しているとのこと。大まかなマルティヌスさんのルーチンは以下の通り。
・コーヒーを飲んでパートナーと散歩する。
・ジムでトレーニングする。(1時間)
・日記をつけて趣味の執筆をする。
・作業ブロック1。(3時間)
・ランチを食べてゆったりする。
・作業ブロック2。(2時間)
1日の最初に行うエクササイズと趣味のライティングは、その日の準備を整えるために必要であり、これによってマルティヌスさんはマインドを安定させるとのこと。その後に突入する「作業ブロック1」は最も難しい問題や腰の重いタスクに取り組む時間であり、メールチェックなどの面倒な作業は後回しにしているそうです。
ランチ後も勢いが持続すれば「作業ブロック2」でも大きなタスクに取り組み続けますが、基本的にはメールやSlackをチェックしてさまざまなことを確認し、無数の細かいタスクを処理する時間となっています。なお、マルティヌスさんも毎日完璧にこのルーチンを守れているというわけではなく、時には読書やゲームで1日を浪費してしまうこともあるそうです。しかしマルティヌスさんは、無理をしすぎないことが肝心だと考えているとのこと。
◆働かない時間を意図的に設けること
マルティヌスさんは一般的なSNSは使っていないものの、ソーシャルニュースサイトであるHacker NewsやYouTubeを開くと時間を浪費しがちなため、仕事が終わるまでこれらのサービスは開かないようにしています。マルティヌスさんは仕事が終わった後の時間を好きな人と過ごし、新鮮な空気を吸い、おいしい食事を作って翌日も働くエネルギーと意欲を蓄えるため、17時以降は仕事をしないことに決めています。
◆同じ分野で働く人々と交流を持つこと
ソロのクリエイターには同僚といえる存在がいないため、仕事中に同僚とちょっとした雑談を交わしたり、仕事が終わった後に買い物へ行ったりすることはできません。その代わりマルティヌスさんは、同じ分野で活躍する開発者やクリエイターのSlackコミュニティでは積極的に活動し、コミュニティ内のオフ会やイベントにも参加しているとのこと。
同じ分野のクリエイターや社長とランチをしたり、アイデアや製品について話したりすることで社交性と正気を保つのは、ソロのクリエイターにとって重要だとマルティヌスさんは主張。「一緒に過ごすのが楽しい親友もいますが、彼らは私と同じ問題を抱えているわけではありません。他の人と一緒に『第一線にいる』というカタルシスを得ることは、私にとってありがたいことなのです」と述べました。
◆自分の経験について書き記すこと
マルティヌスさんは自分の考えやこれまで取り組んできたこと、あるいはこれから取り組みたいことについての記事を書いています。このブログのように自分のことを書き記すことで、自分が今何をどのようにやっているのかをより良く理解できるとのこと。マルティヌスさんは、「見知らぬ人や友人からフィードバックや意見、アドバイスを受けることもあります。そして最も重要なのは、自分の経験を世界と共有するのを楽しむことです」と述べました。
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