プログラミング言語「Python」と「Pandas」を教えるコースの広告をFacebookで出したら「動物の違法取引」と誤判定されたのか永久BANを食らう事態が発生
人気のプログラミング言語「Python」と、そのデータ分析用ライブラリである「Pandas」の利用法の指導などを行っているルーベン・M・ラーナー氏が、Metaの広告プラットフォームから永久BANされた状態であることを明かしました。Metaは永久BANの理由について具体的には説明せず「広告ポリシー違反」と述べていますが、ラーナー氏は友人らと相談した結果、「Python」と「Pandas」についての広告をMetaが「禁止されている動物取引を行おうとしている」と誤認識した可能性を指摘しています。
I'm banned for life from advertising on Meta. Because I teach Python. — Reuven Lerner
https://lerner.co.il/2023/10/19/im-banned-for-life-from-advertising-on-meta-because-i-teach-python/
ラーナー氏はPythonとPandasの講師を務めており、それぞれ「Python Workout」「Pandas Workout」という著書も出しています。
Amazon | Python Workout: 50 ten-minute exercises | Lerner, Reuven M. | Human Vision & Language Systems
Amazon | Pandas Workout | Lerner, Reuven | Languages & Tools
数年前、ラーナー氏はFacebookに広告を出した時期がありました。しかし、あまり力を入れなかったこともあって成功せず、広告用のビジネスアカウントのことはすっかり忘れ去ってしまったとのこと。
それから時間が経過して、1年ほど前にラーナー氏は「やっぱりFacebookに広告を出すべきではないか」と思い、再び広告を掲載しようとしました。しかし、数年前に作ったビジネスアカウントは「ルール違反」があったということで使用できない状態になっていました。ラーナー氏は「おかしい」とは思ったものの、他にやるべきことがあったため、この件を後回しにしました。
そして数カ月前、Facebook広告用のビジネスアカウントが引き続き凍結状態にあることを確認したラーナー氏は、今度はいったいなぜこんなことになっているのかを詳しく調べましたが、ラーナー氏が宣伝したのは教えているPythonとPandasのことだけなので、まったく心当たりがなかったとのこと。
「異議申し立てはこちら」というリンクを見つけたラーナー氏は、問い合わせればMetaの誰かがなんとかしてくれるだろうと思い、クリックしました。しかし30分後に返ってきたメールは、審査の結果、やはりラーナー氏は広告ポリシーに違反しており、Metaのプラットフォームで永久出稿停止になったという通告でした。
以下がラーナー氏に届いたというMetaからの通告メール。なお、ビジネスアカウントの永久BANにあわせて、紐付けていたラーナー氏の個人アカウントも使用不可能になったそうです。
ビジネスアカウントが永久BANされたことを示すメッセージ。
あまりに情報不足だったため、ラーナー氏は友人に助けを求めました。その結果、いいニュースと悪いニュースが得られました。
いいニュースは、永久BANの理由がおおむね推測できたことです。ラーナー氏はPythonとPandasについての広告を出していましたが、友人いわく、おそらくMetaで広告審査をしているAIは「パイソンとパンダについての広告というのは、禁止されているはずの動物取引にあたる」と誤認識。異議申し立てによる再審査もまた、人間が目視チェックするのではなく、機械的なチェックが行われたので、認識が覆らなかったのではないか、というものです。
一方の悪いニュースは、Metaのデータ保持ポリシーは最大180日ということ。ラーナー氏の広告アカウントは異議申し立てよりも1年以上前に凍結されているので、アカウント復活の可能性はなかったというわけです。
この件はソーシャルニュースサイトのHacker Newsで活発な議論が交わされており、ラーナー氏自身も参加しています。
Meta is banning people from advertising after running ads for Python and Pandas | Hacker News
https://news.ycombinator.com/item?id=37939269
ラーナー氏がHacker Newsで補足した情報によれば、かつて掲載した広告はラーナー氏自身の写真やストックフォトが用いられたもので、ちゃんとFacebookに承認されて掲載されたとのこと。
また、Metaからは新しいビジネスアカウントを作成するようにというアドバイスがあり、新アカウントは問題なく作れたそうです。
Hacker Newsユーザーのmiki123211氏は、誤認識とはちょっと違うものの、ネットでの不自由な言葉の例を挙げています。
・いわゆる「スカンソープ問題」。AOLで出身地をイングランドにある工業都市・スカンソープに設定できない:Scunthorpeに女性器を意味するcuntが含まれるため。
・AmazonでGuns N' Rosesの商品が販売停止になったことがある:「Guns(銃)」が原因。
・ミランダさんが銀行送金できないことがある:Mirandaに経済制裁対象国であるイラン(Iran)が含まれるため。
・ゲームで「Nasser」という名前をつけると「N*er」と表示され、まるでそのユーザーがNワードを使ったかのようにみえる:実際には尻を意味するスラングのassが含まれるため修正しているものと考えられる。
・Alexaが「pussycat」と言えないことがある:かわいい子猫のことを表現する幼児語だが、pussy単体だと女性器の意。
・ペアレンタルコントロールを設定していると「analysis」などをURLに含むサイトがフィルタリングされる:analysisに「肛門の」という意味の形容詞「anal」が含まれるため。「Google Analytics」もアウト。
・ペアレンタルコントロールソフトウェアを使ったことにより「sex」がフィルタリングされて学校のコンピューター室全体が文鎮化した事例がある:「sysext」などもフィルタリング対象になってしまい使えなくなったため。
・イギリスの政治家ドミニク・カミングス氏がSNSで名前入りのアカウントを作れない問題:姓の「Cummings」にスラングとして精液を意味する「cum」や射精することを意味する「cumming」が含まれるため。
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https://discord.com/channels/1037961069903216680/1164854878951198750
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in ネットサービス, Posted by logc_nt
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