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「広告のFacebookの離れ」が加速、「広告戦争の敗者」と大手紙


直近の株価暴落を受けて時価総額がトップテンから転落したMetaについて、新たに報道各社が「広告主のFacebook離れ」を報じています。収益の98%を広告に依存するFacebookは大幅な売上減を示した一方、AmazonやGoogle、Microsoftは軒並み広告事業の好調を報告しており、広告主がFacebookから逃げ出して他媒体に発注をかけているという状況が示唆されています。

Facebook’s ad business struggles after Apple’s iOS changes - Vox
https://www.vox.com/recode/22929715/facebook-apple-ads-meta-privacy

Facebook is the big loser of the fourth quarter's advertising wars
https://www.cnbc.com/2022/02/04/facebook-is-the-big-loser-of-the-fourth-quarters-advertising-wars.html

2022年2月2日、MetaはAppleがApp Tracking Transparency(ATT)を導入したことを受け、「2022年の売上高が100億ドル(約1兆1000億円)減少する」という予測を示しました。

ATTは、行動ターゲティング広告によるプライバシー侵害の懸念に対応するため、ターゲティング広告の許可を求めるポップアップを出す表示するようにする措置です。AppleによるATT導入は行動ターゲティング広告に必要なデータ供給を75%も遮断したという調査結果も出るほど広告事業に多大な影響を与えているとされており、行動ターゲティングに大きく依存していたFacebookは新聞に全面広告を出してまでATT撤回を強く訴えましたが、結局Appleの姿勢には影響は出ませんでした。

「Appleがインターネットを悪い方に変える」とFacebookが新聞に全面広告を出す - GIGAZINE


ATT導入によってFacebookがどれほどの打撃を受けたのかは未知数とされてきましたが、2022年2月2日に開かれた決算電話会見の中でMETAのデイブ・ウェイナーCFOが「年間売上高が100億ドル減少する」と発言しました。

この発言以降、報道各社が指摘しているのが「広告主のFacebook離れ」です。前述のようにFacebookの広告事業は今後低迷するという見通しですが、Googleは2021年第4四半期決算において検索広告売上高が前年同期比36%増に達したと報告。Amazonも広告売上高が前年同期比32%増と、Microsoftも2021年度第2四半期においてLinkedInの広告収益大幅増とそれぞれ明かしています。


このようにFacebookから逃げ出した広告費が他媒体に回っていることが伺えるデータが上がってきている状況ですが、その中でもTikTokがFacebookの不振から最大の利益を得ていると報じられています。TikTokとFacebookは「インフルエンサー」などのクリエイター獲得で互いにしのぎを削る関係ですが、TikTokの運用型広告は獲得効率の良さから広告事業者の間で評価が高まっている状況とのこと。

こうした状況を受け、ザッカーバーグCEOはTikTokを指して「すでに競合としては非常に規模が大きいにもかかわらず、かなりの速さで成長を続けている」と危機感をにじませるコメントも四半期決算の中で出しています。いずれにせよすでにMetaは「1日で27%減、時価総額27兆円喪失」というアメリカ史上最大の株価急減を見せたことから、アメリカ大手紙のCNBCは「広告戦争の敗者」と見出しに記しています。

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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