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2023年9月は史上最も暑い9月だったことが判明、あまりの異常さに気候学者がSNSで「マジで気が狂ってる」とぶち切れ


観測史上最も暑い6月だった2023年6月、あらゆる月の中で最も暑い1カ月だった2023年7月、8月の暑さの記録を更新した2023年8月と記録破りの連続だった夏に引き続き、2023年9月も観測史上最も気温が高い9月だったことが報じられました。

This summer was likely the world’s hottest on record
https://www.axios.com/2023/09/05/world-record-hottest-summer

September Was the Most Anomalously Hot Month Ever - Scientific American
https://www.scientificamerican.com/article/september-was-the-most-anomalously-hot-month-ever/

気候科学者のジーク・ハウスファーザー氏は、2023年10月3日の投稿で、「気候学者として専門的な意見を言わせてもらうと、9月はまったく度肝を抜かれるほど気が狂った月でした。気象庁が発表しているJRA-55のデータは、それまでの月間記録を0.5度以上も更新しており、これは産業革命以前の水準よりも1.8度ほど暖かくなったことを表しています」と述べて、2023年9月が異常な暑さだったことを強調しました。


ハウスファーザー氏が使用した「bananas」という言葉は、バナナを目前にした猿のように半狂乱になっていることを指す俗語で、気候学者としても信じられないという感情が非常に率直に表れたコメントと言えます。

月ごとの気温の推移のグラフでも、2023年の気温を表す黒色の線が例年を大きく上回っていることが示されており、この年がいかに普通ではないかが一目でわかります。


平年との気温差を1日ごとのヒートマップにした図では、特に9月が突出していることが示されました。


世界各地でも相次いで気温の記録が塗り替えられており、ヨーロッパではスペイン、フランス、イタリア、ギリシャ、スイスなどでそれまでの観測記録を更新する熱波が繰り返し発生しました。また、南半球に位置するオーストラリアでは1910年の記録開始以来最も暖かい冬となり、南米でもブラジルやチリなど複数の地域で記録的な暖冬が記録されています。

通常、最も急激な気温の異常はエルニーニョ現象の影響が最も強く表れる北半球が冬の時期に発生するとのこと。しかし、2023年は夏の時点から異常な気温が発生しているため、専門家は今後冬にかけてさらに大きな異変が発生する可能性があることを指摘しました。

すでに、2023年は1850年以来最も暑い年になる可能性が90%以上あると予測されており、「産業革命前からの気温上昇を1.5度」に抑えるという世界的な目標の維持が危ぶまれる状況となっています。

2023年は1850年以来最も暑い年になる可能性が90%以上 - GIGAZINE

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in サイエンス, Posted by log1l_ks

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