サイエンス

世界最古の木造建築物の痕跡がザンビアで発見される


現生人類ホモ・サピエンスの誕生よりも古い時代の木造建築の痕跡が、アフリカ南部のザンビア共和国で発見されました。

Archaeologists discover world’s oldest wooden structure - News - University of Liverpool
https://news.liverpool.ac.uk/2023/09/20/archaeologists-discover-worlds-oldest-wooden-structure/

Archaeologists in Zambia discover oldest wooden structure in the world, dating to 476,000 years ago | Live Science
https://www.livescience.com/archaeology/archaeologists-in-zambia-discover-oldest-wooden-structure-in-the-world-dating-to-476000-years-ago

リバプール大学とアバリストウィス大学の研究チームによる新たな調査により、ザンビアのカランボ・フォールズ遺跡から保存状態の良い木材が発掘されました。木材に刻まれた石器の切り口を専門家が分析した結果、初期の人類が2本の大きな丸太を組み合わせ、何らかの構造物の一部として使っていたと推測されています。

鉱物が最後に太陽光にさらされた時間を明らかにするルミネッセンス年代測定法を用いて周辺の土壌を調査したところ、発見された木材は少なくとも47万6000年前にさかのぼるものだと判明。約20万年前~10万年前に誕生したとされるホモ・サピエンスよりも古いもので、人類の祖先が古くから木工を手がけてきた可能性が示唆されました。


調査チームは「これまで人類が木材を利用していた証拠は、火をおこしたり、棒や槍を掘ったりする用途に限られていました。今回の発見は、丸太を意図的に組み合わせて作ったことを示す、世界中のどこよりも古い証拠です」と指摘しました。


今回発見されたような木材は、通常であれば時間の経過とともに腐ってしまい、現代で見つかることはそう多くありません。しかし、カランボ・フォールズ周辺では川が粘土を堆積させていたため、はるか昔の木材が朽ちることなく姿を残していました。

リバプール大学は「この発見は、石器時代の人類が遊牧民であったという通説を覆すもの」と紹介しています。カランボ・フォールズには多数の水源があっただけでなく、周囲に木が茂っていたため、定住するのに十分な木材と食料が存在したと考えられるとのこと。


オックスフォード大学の考古学者であるシャドレック・チリクレ氏は「木材が広く普及していることを考えると、ヒト科の動物が木材を使わないということは考えられません。今回発表された結果は、人類とヒト科の動物が利用可能な資源を利用していたことを示しています」と話しました。

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in サイエンス, Posted by log1p_kr

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