庵野秀明監督も参加した伝説のアニメ「DAICON IV」40周年を記念したワンフェス 2023[夏]でバニースーツの美少女を拝みまくってきました
庵野秀明氏や赤井孝美氏、山賀博之氏など、のちにアニメーションの世界で大きく活躍するメンバーが立ち上げた自主映画制作集団が「DAICON FILM」です。2023年7月30日に幕張で開催された「ワンダーフェスティバル 2023[夏]」では、このDAICON FILMが制作したアニメ「DAICON IV」の公開40周年を記念して「DAICON FILM作品に登場するキャラクターのフィギュアやキットの展示・販売について著作権フリーにする」ことが発表されました。さらにワンダーフェスティバル 2023[夏]の会場では、公式コラボレーションのブースも出展されていたので、一般ディーラーの作品も含めて見て回ってみました。
お待たせしました!
— ワンダーフェスティバル公式@7/30幕張メッセ (@WF_officialinfo) June 5, 2023
1983年に開催された『DAICON Ⅳ』40周年を記念し、#WF2023S および 来年の #WF2024S での会場において、
DAICON FILM作品に登場するキャラクター等のフィギュア・キットの展示・販売を著作権フリーとします。
許諾作品、申請方法などの詳細は下記よりご確認ください。… https://t.co/I7izjvkYBA
◆ワンダーフェスティバルとDAICON FILMの深いつながり
全国からSFファンが集まってさまざまなイベントを催す日本SF大会は、1962年から毎年行われています。日本SF大会は毎年さまざまな場所で開催されますが、特に大阪で開催される会は「DAICON」という愛称で呼ばれており、これまで7回のDAICONが開催されました。そして、3回目のDAICONであるDAICON 3の開会式で流されるオープニング映像を制作したのが、庵野秀明氏や赤井孝美氏、山賀博之氏、岡田斗司夫氏、武田康廣氏ら大阪の大学生チームでした。このチームはのちに「DAICON FILM」と名乗り、アニメ制作会社であるガイナックスの母体となりました。
同時に、このDAICON FILMを販売したのが、岡田氏が経営していたSFショップのゼネラルプロダクツでした。ゼネラルプロダクツはDAICONでガレージキットを販売したことで始まった企業で、これをきっかけにゼネラルプロダクツ主催で始まったイベントこそが、ガレージキットの即売会であるワンダーフェスティバルです。つまり、ワンダーフェスティバルとDAICON FILMの間には深いつながりがあるというわけです。
◆ワンダーフェスティバル 2023[夏]とDAICON FILMの公式コラボ企画
DAICON FILMはさまざまな映像作品を制作しましたが、その中でも特に高い知名度を誇るのが第22回日本SF大会のDAICON IVの開会式で流されたアニメーションです。とりわけバニースーツ姿の美少女が剣に乗って空を飛ぶ映像はさまざまな映像作品にオマージュされています。「DAICON IV 40th」ブースでは、このバニースーツ姿の美少女が剣に乗って空を飛ぶシーンをフィギュア化したキットを4人のアーティストが制作した塗装見本が展示されていました。
キットを展示するショーウィンドウ。キットの原型製作はグリズリーパンダ氏が担当。なお、グリズリーパンダ氏はキットを製作するに当たり、DAICON IVの美少女を「ダイコンちゃん」と名付けました。
海洋堂の美少女原型師として知られるBOME氏による塗装見本が以下。BOME氏はDAICON IVが公開されたちょうど40年前にデビューしたとのこと。
DAICON IVに出てきた映像のタッチや色にかなり近い印象を受けます。バニーのスーツや髪の塗りも艶やかです。
カラフルな煙を吐きながら縦横無尽に剣が飛び回る映像を再現しています。
横からみたところ。
足元の剣の下には「DAICON IV」というロゴがありました。
そして、フィギュアのフィニッシャーとして知られる村正氏による塗装見本がこれ。
上半身を見るとよくわかりますが、ボディラインがしっかり見えるように陰影を効かせた塗りになっています。顔のタッチもかなり現代風といったところ。
赤いバニースーツや青いハイヒールの粒だった輝きも特徴的です。
フィギュアの彩色や製作代行で知られるきぐさん氏による見本は、BOME氏や村正氏による見本とはまた違い、80年代のDAICON IVのイメージを残しつつ、現代らしい印象もしっかり加えているように見えます。
横からみたところ。剣が残す煙やタイツの淡い色合いの中で、赤いバニースーツと青いハイヒールがくっきりと目立ちます。
そして、なんじゃこりゃ!と見ていてびっくりしてしまったのが、フリーのフィギュア彩色師であるスズキしんや氏の作例。明らかに異形のような顔になり、右手に魔法陣、左手に刀を構え、空を飛ぶ剣の煙は触手のように変化しています。
スズキ氏によれば、「40年の間、あらゆるキャラクターに勝利すべく成長を続けた姿。という解釈」とのこと。顔に塗られている塗料は光の吸収率が非常に高いようで、覗き込んでも顔の凹凸が分からないようになっています。
足元はこんな感じ。
剣は本来のキットだと3本だったのが4本に増やされており、さらにまがまがしい文様が刻まれていました。
会場ではグリズリーパンダ氏が原型作成したキットが税込2万円で、数量限定・会場限定で販売されました。また、BOME氏が過去に作成したダイコンちゃんのフィギュアを再現したソフトビニールキットも販売されていました。
塗装見本の横には、DAICON FILMのメンバーでガイナックスの設立メンバーでもある赤井孝美氏によるワンダーフェスティバル 2023[夏]とDAICON FILMのコラボレーション記念イラストカードが飾られていました。
さらに、「DAICON FILM大展示会」と銘打った特設ブースが設けられ、原画や設定資料集など貴重なアイテムが展示されていたほか、実際にDAICON FILMの作品が上映されていました。
「怪傑のーてんき」の顔ハメパネルもブースに設置されていました。
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