レンズがなくても位置データと画像生成AIを使って撮影する不思議なカメラ「Paragraphica」
写真は被写体に当たって反射した光をレンズで集約し、デジタルセンサーやフィルムに当てることで撮影できます。しかし、オランダ在住のデザイナーであるビョルン・カルマン氏が開発した「Paragraphica」は写真撮影に必要なレンズがなく、位置データと画像生成AIを使って風景写真を生成するカメラとなっています。
Paragraphica - Bjørn Karmann
https://bjoernkarmann.dk/project/paragraphica
カルマン氏が開発したParagraphicaはこんな感じ。本来カメラについているべきレンズはなく、代わりに花のような変わった形のモニュメントがついています。
天面には3つのダイヤルとシャッターボタン。ダイヤルで調整するのは撮影するエリアの半径、Stable Diffusionのシード値、ガイダンススケールです。
背面の液晶画面にはStable Diffusionのプロンプトが表示されています。
ParagraphicaはオープンAPIを使用し、位置データと天気、時間、近くの場所を自動で取得します。ベースはRaspberry Pi 4で、Stable DiffusionのAPIを使ってウェブ上で写真を生成します。
実際にParagraphicaで撮影するところは以下のムービーで見ることができます。
Introducing – Paragraphica! ????????
— Bjørn Karmann (@BjoernKarmann) May 30, 2023
A camera that takes photos using location data. It describes the place you are at and then converts it into an AI-generated "photo".
See more here: https://t.co/Oh2BZuhRcf
or try to take your own photo here: https://t.co/w9UFjckiF2 pic.twitter.com/23kR2QGzpa
以下の画像は左が実際にParagraphicaを撮影した場所、中央が撮影時のプロンプト、右がParagraphicaによって生成された写真です。街並みはなんとなく似ていますが、よく見ると並んでいる車が全然違う上に、建物のデザインも異なります。
周りに建物や車がない、完全な草むらで撮影した写真。草の種類はちょっと異なりますが、草原であるという部分は再現されています。
何かのイベントが開催されているアムステルダムの一角。左の写真は昼間ですが、プロンプトで指定した時間帯は「evening(夕方)」となっているため、右の生成した写真は夕焼けのオレンジ色に染まっています。
カルマン氏によると、Paragraphicaについている花のようなモニュメントがイメージしているのは、ホシバナモグラの触覚だとのこと。ホシバナモグラは基本的に地下で生活しているため、視覚ではなく鼻の先についている花のような触覚で世界を認識します。カルマン氏は「Paragraphicaは視覚のみに限定されず、位置データとAIによる画像生成を通じて、他の知性の視点から物事の本質をより深く洞察し、我々の周囲の世界を体験する方法を提供します」とコメントしています。
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in ソフトウェア, ハードウェア, 動画, アート, Posted by log1i_yk
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