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TikTokで手術の様子を配信した美容外科医が医師免許を永久に剥奪される


動画共有プラットフォーム・TikTokで「Dr. Roxy」の名前で活動し、約84万6000人ものフォロワーを獲得していた美容外科医のキャサリン・ロクサーヌ・グラウ氏に対して、アメリカ・オハイオ州の医療委員会がグラウ氏の医師免許の永久的な剥奪と4500ドル(約62万円)の罰金をグラウ氏に科すことを2023年7月12日に決定しました。グラウ氏は以前から手術中にTkiTokでライブ配信を行っており、何人もの患者の手術に失敗していることが指摘されています。

Cosmetic surgeon who streamed procedures on TikTok loses medical license - CBS News
https://www.cbsnews.com/news/katharine-grawe-cosmetic-surgeon-ohio-tiktok-license-revoked/


TikTok plastic surgeon 'Dr. Roxy' loses Ohio medical license for livestreaming procedures - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/nation/2023/07/13/tiktok-plastic-surgeon-dr-roxy-license/


グラウ氏は「医師と患者の間の恐ろしい壁を取り壊す」ことを目標に手術中の様子をTikTokなどで配信し、手術しながらフォロワーの質問に答えていました。グラウ氏によると、配信は患者の同意を得た上で行われていたとのこと。


しかし、グラウ氏による手術では2020年12月から2022年3月までの間に少なくとも3件の合併症による医療事故が発生しており、脂肪吸引の術後に激しい腹痛とけいれんが生じ、複数回胃を手術することになった患者や、豊胸手術の失敗、腹部の細菌感染によって脳機能を喪失した患者も確認されています。

相次ぐ医療事故を受けて、オハイオ州の医療委員会は「グラウ氏は患者の手術よりもSNSを優先し、一定の基準の治療を行っていませんでした」と主張し、オハイオ州におけるグラウ氏の医師免許を永久に剥奪することと、4500ドルの罰金を科すことを決定。一方でグラウ氏は「患者が発症した合併症は、私が手術に注意を向けていなかった結果ではありません」と述べ、医師免許の永久剥奪という医療委員会の決定に対して「明らかに間違った決定です」と語っています。

またグラウ氏は「二度とSNSでの配信は行いません」と述べ、医療委員会に寛大な措置を求めることを要求。しかし、医療委員会のメンバーは「彼女のTikTokでの配信は、マーケティング戦略の一環として行われており、グラウ氏には医療のプロフェッショナルとしての自覚が欠けているようです」と批判して、医師免許の剥奪を取り消さないことを明らかにしています。


グラウ氏によると、2022年11月の医療委員会の最初の決定以降、グラウ氏が運営するクリニックは閉鎖を余儀なくされ、夫とは離婚し、メディアによる注目の的となったグラウ氏の子どもは学校で嫌がらせを受けているとのこと。グラウ氏は「この決定によって私の世界はめちゃくちゃになりました」と語っています。

なお、2022年11月の医療委員会の決定以降、グレア氏のTikTokアカウントは非公開に設定されています。

Abundance & Inspo (@justroxyjustme) | TikTok
https://www.tiktok.com/@MS4wLjABAAAAPTfIzytszm_lLFvbFKFtP78pFWID6KUhwDzrVIOrh9KqJJf5pGwJVx2RPH5luxm4

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in ネットサービス, Posted by log1r_ut

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