Macの「Siri」を無効化するコマンド一覧&Siri無効化を自動化するスクリプト「Kill Siri」のインストール方法まとめ
Appleが開発する音声アシスタント「Siri」はiPhoneやiPad、Macなどで利用可能で、音声入力だけでリマインダーを設定したり好みの音楽を再生したりと便利に使えます。しかし、Siriには「音声を常に記録して『Hey Siri』に反応する機能」や「利用データを暗号化してAppleに送信する機能」などが存在しているため、プライバシー保護を考えるとSiriを無効化するというのもひとつの手です。プライバシー関連情報などを提供する「term7」はSiriの一部機能を無効化するコマンドおよびSiriを無効化するための自作スクリプト「Kill Siri」を公開しています。
Kill Siri
https://term7.info/kill-siri/
2016年に登場したmacOS Sierra以降のmacOSでは画面右上にSiriを起動できるボタンが表示され、iPhoneやiPadと同様に音声だけで多様な操作を実行できます。しかし、設定によってはSiriは「Hey Siri」という音声コマンドで起動するため周囲の音声を常時収集しており、Siri使用時のデータがAppleに送信されることもあります。Appleは「Siriのデータは暗号化を施して個人と紐づけできない状態にしてからAppleに送信されている」と説明していますが、Siriのソースコードが公開されていない以上、データ送信の安全性を第三者が評価することは不可能なため、セキュリティやプライバシー面での不安を感じているユーザーもいます。
◆Siriの一部機能を無効化するコマンド一覧
Siriの機能の一部は、特別なアプリやスクリプトなどを用意せずとも、以下のコマンドを実行するだけで無効化できます。
・Siriのデータ収集を無効化する
defaults write com.apple.assistant.support 'Siri Data Sharing Opt-In Status' -int 2
・「Ask Siri(Siriに聞く)」を無効化する
defaults write com.apple.assistant.support 'Assistant Enabled' -bool false
・Siriの音声フィードバックを無効化する
defaults write com.apple.assistant.backedup 'Use device speaker for TTS' -int 3
・「Siriを有効化しますか?」というポップアップを無効化する
defaults write com.apple.SetupAssistant 'DidSeeSiriSetup' -bool True
・メニューバーのSiriボタンを非表示にする
defaults write com.apple.Siri 'StatusMenuVisible' -bool false
defaults write com.apple.Siri 'UserHasDeclinedEnable' -bool true
・Siri関連サービス「Siri」および「assistantd」を無効化する
launchctl disable "user/$UID/com.apple.assistantd"
launchctl disable "gui/$UID/com.apple.assistantd"
sudo launchctl disable 'system/com.apple.assistantd'
launchctl disable "user/$UID/com.apple.Siri.agent"
launchctl disable "gui/$UID/com.apple.Siri.agent"
sudo launchctl disable 'system/com.apple.Siri.agent'
◆Siriを完全無効化するためのスクリプト「Kill Siri」
上記のコマンドをすべて実行しても、「com.apple.siri.embeddedspeech」「siriactionsd」「sirittsd」などのSiri関連プロセスは引き続き動作し続けます。term7によると、Siriのサービスの一部はmacOS「システム整合性保護(SIP)」によって保護されており、通常の手段では無効化できないとのこと。SIPを無効化すればSiriも完全に無効化できますが、SIPの無効化はシステムが攻撃を受けるリスクを増大してしまうため推奨されません。
term7が分析した結果、Siri関連のプロセスが起動するたびに「~/Library/Assistant/」内に変更が加わることが判明。term7は常時監視可能な「/Users/Shared/」を介して「~/Library/Assistant/」に加わるSiri関連の変更を監視し、Siri関連のプロセスが起動するたびに強制終了するスクリプト「Kill Siri」を開発しました。ユーザーは以下のコマンドを順番に実行して「Kill Siri」をインストールすることでSIPを無効化せずともSiriを完全無効化できます。
・「ダウンロード」フォルダに移動
cd ~/Downloads
・「Kill Siri」のインストールスクリプトをダウンロード
curl -O https://raw.githubusercontent.com/term7/MacOS-Privacy-and-Security-Enhancements/main/02_Kill-Siri/script/SPEEDY-INSTALL_kill-siri.sh
・スクリプトに実行権限を付与
chmod +x *kill-siri.sh
・インストールスクリプトを実行
./SPEEDY-INSTALL_kill-siri.sh
途中でパスワードを求められたらシステムのパスワードを入力してEnterキーを押せばインストールを続行できます。なお、「Kill Siri」ではSIPで保護されたプロセスを強制終了するのみで、通常のコマンドで無効化できる各種機能は無効化しません。このため、Siriを完全に無効化したい場合は記事前半で紹介したコマンドと併用する必要があります。
なお、「Kill Siri」をアンインストールしたい場合は以下のコマンドを順番に実行すればOKです。
・「ダウンロード」フォルダに移動
cd ~/Downloads
・「Kill Siri」のアンインストールスクリプトをダウンロード
curl -O https://raw.githubusercontent.com/term7/MacOS-Privacy-and-Security-Enhancements/main/02_Kill-Siri/script/UNINSTALL_kill-siri.sh
・スクリプトに実行権限を付与
chmod +x *kill-siri.sh
・アンインストールスクリプトを実行
./UNINSTALL_kill-siri.sh
また、「Kill Siri」のスクリプトの内容は以下のリンク先で確認できます。
MacOS-Privacy-and-Security-Enhancements/02_Kill-Siri at main · term7/MacOS-Privacy-and-Security-Enhancements · GitHub
https://github.com/term7/MacOS-Privacy-and-Security-Enhancements/tree/main/02_Kill-Siri
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