SF作品の武器や医療機器や通信機器で使われる「レーザー」の仕組みを簡単に解説するとこうなる
「レーザー」といえば医療用機器や通信機器で利用されているだけでなく、SF作品の武器などとしても頻繁に登場しており、現代では実際にレーザー兵器が実現しつつあります。そんなレーザーの仕組みを、チャンネル登録者数2000万人超のサイエンス系YouTubeチャンネル・Kurzgesagtが解説しています。
How do Lasers Work? #shorts #kurzgesagt - YouTube
レーザーはどのように機能するのでしょうか。
レーザー光線は、非常に強く集光することでできるエネルギーの束です。
レーザー光線に含まれるすべての光子は全く同じ周波数を持っている必要があります。これをKurzgesagtは「同じ音色を持った『光の合唱団』のようなもの」と表現しています。
レーザーのもととなる光子はどのように生成されるのでしょうか。ベースとなるのは原子です。
原子はさまざまなエネルギーの状態を持つことが可能で、最もエネルギーの低い状態だと周囲のエネルギーを吸収して励起します。
この励起状態にある原子に適切な周波数の光子をぶつけます。
すると原子は励起状態からエネルギーの低い状態に戻るのですが、この時にぶつかった光子の完全なコピーが生成されます。この仕組みを応用することでレーザーを生成することが可能です。
レーザーを生成するために必要なもの、その1が「励起された原子の入った箱」です。
2つ目が光子を反射して箱の中に閉じ込めるための「鏡」。
3つ目が光子を複製するためのベースとなる「光子」です。
励起状態の原子が入った箱に光子を投入。
鏡で光子を反射して箱の中に留めると、光子が励起状態の原子にぶつかって複製されます。
これを繰り返すことで光子を増殖させることが可能。この貯めた光子を箱から放出するとレーザー光線となるわけです。
なお、最初のレーザー装置が製造されたのは1960年のこと。
当時、この装置は光合成装置と呼ばれており、「問題を探すための解決策」と冗談交じりに言われるのみだったそうです。
しかしその後、「レーザー」という単語が広く使われるようになり現在に至ります。
ここまでの解説をまとめ、Kurzgesagtはレーザーを「『光の合唱団』、これがレーザーの基本です」と表現しています。
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