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Microsoftが自社製品によるすべてのAIアートに電子透かしを入れる姿勢を表明


Microsoftが、Bing Image CreatorMicrosoft Designerなど、画像生成AIを採用した自社製品によるすべてのAIアートに、AIで作成されたことを示す「電子透かし」を入れることを開発者会議「Microsoft Build」で明らかにしています。

Microsoft Build 2023 Book of News
https://news.microsoft.com/build-2023-book-of-news/


Microsoft will ID its AI art with a hidden watermark | PCWorld
https://www.pcworld.com/article/1923811


Adobe・Arm・Intel・Microsoft・Truepicは、2021年にデジタル画像の出自や画像がAI製かどうかを示すためのオープンスタンダードを策定する団体「Coalition for Content Provenance and Authenticity(C2PA)」を設立しました。

例えば、Adobeが発表している画像生成AI「Firefly」は「Content Credentials」という機能でメタデータへの電子透かしの埋め込みを実現していますが、これはあくまでもAdobeアプリ内でサポートされているだけで、Windows 11の標準ビューアーなど、他のアプリで見えるメタデータには反映されません。

しかし、C2PA規格での電子透かしを採用すると、消費者はメタデータに加えて生成された画像の上や横にAI作品であることを示す印が小さく表示されるため、アプリや環境に左右されない電子透かしが実現するというわけです。

記事作成時点では、Bing Image Creatorで作成した画像には、AI生成であることを示す印として左下にBingのロゴが小さく描かれます。しかし、Microsoft Designerで生成した画像にはそういった印はありませんでした。


今回、Microsoftは両方のツールで生成された画像にC2PA規格に基づく署名を行い、画像のメタデータで出所を明確に開示するとしています。Microsoftは「C2PA規格に基づき、AIが生成したコンテンツに署名し検証します。Microsoftは2023年以内に、Microsoft DesignerとBing Image Creatorにおいて、主要な画像や動画においてC2PA規格に準拠します」と述べています。

さらにMicrosoftは、AIがコンテンツモデレーターを支援するサービス「Azure AI Content Safety」を発表しています。本来、コンテンツに攻撃的あるいは不適切な要素がないかをチェックするのは人間の役割ですが、Azure AI Content SafetyはAIがこの作業を肩代わりするサービスで、2023年6月からの開始を予定しています。サービス価格は画像スキャン1000枚につき1.50ドル(約200円)です。

なお、Microsoftは、自社でC2PA規格を率先して採用し、他の人にも採用を奨励することで、コンテンツチェックのプロセスを簡素化できるとしています。例えばライカやニコンなどのカメラメーカー向けに、C2PA規格をカメラに組み込むことで、画像がAIで生成したものではなく、カメラで実際に撮影した本物の写真であることを証明する仕組みも用意されているそうです。

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in ソフトウェア,   ネットサービス,   アート, Posted by log1i_yk

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